football smile

the days turn into months and years

4-2-3-1

2008-06-12 | book
杉山茂樹
20 MAR 2008
光文社新書
Amazon.co.jp

「まず注目すべきはデザインだ。理屈の源は、ピッチ上に描かれる模様である。そこに目を凝らせば、可能性は浮かび上がる。」

という本を読みました。サッカーの戦術を「ピッチに描かれるデザイン」と捉えるセンスが素敵だなあ。そう、サッカーとはデザインなのだ。

もうかれこれどのくらいになるのか検討もつかないほど、サッカーの試合を観戦してきた。多分、平均的日本人の観戦時間(っていうのがどれくらいなのかわからないけど)よりは多いと思う。しかし、サッカーというものはいまだによくわからない。特に戦術であるとかフォーメーションであるとか、理論的なものは苦手である。3バックだとか4バックだとか、そんなことを一生懸命話していても、それによって何が起こるのか?といったことまではとても理解しているとは言えない。そもそも、あまり理詰めに物事を考える方ではないので、性格的に仕方がないところもある。

しかしそうは言っても、最低限の知識があるのとないのとでは、やはり同じ試合を見るにしても感動の度合が違ってくる。あの試合のあの場面、何気なく見過ごしていたけれど、実はこんなことが起こっていたのか。そういうことがよくある。まったくもって誤解していたなんてこともある。確かに選手個人の資質というのは、わかりやすくて面白い。スター選手のスーパープレーは、誰が見ても楽しめるもの。でも、戦術というのはそうはいかない。監督の采配ひとつでチームは豹変してしまう事実を楽しむには、それなりの知識がないとダメなのだ。誰でも楽しめるという類のものではないのだろう。

少しでも、そういう楽しみを知ることができたら、きっと今までの数倍サッカーが面白くなるに違いない。間違っても、ここに書かれていることを自分のチームで実践しようなんて考えてはいけない。本書は、サッカーをより楽しく観戦するためのガイドとして読むもの。これを読んでEUROを観戦しよう。Jリーグを見にスタジアムへ行こう。きっとサイドの選手の動きやプレスのかけ方、選手交代の意図なんかが今まで以上に気になるはずである。そして、今まで以上にサッカーが面白くなるに違いない。
コメント (2)
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