Jリーグ・ディビジョン1・2ndステージ第13節
2004年11月20日(土)14:00キックオフ
埼玉スタジアム2002(パブリックビューイング)
浦和レッズ 1-2 名古屋グランパスエイト
2年も浪人してようやく最後に受けた大学から合格通知が届いた時のことは、今でもよく覚えています。そこにはなぜか期待していた達成感や開放感はなくて、ただ「ポカ~ン」としただけでした。
先日、初めてパブリック・ビューイングというものを体験しました。日本代表の試合などではよく行われていますが、要はチケットを入手できなかった人達が集まって巨大モニターでTV観戦するというものです。浦和レッズのリーグ優勝決定がかかった大一番。この日は埼玉スタジアムが無料開放されるということで、Aちゃん、Dちゃんという12年来変わらぬいつものメンバーで出かけることにしました。私以外はみんな結婚して、子供ができて、家を建ててと立派な大人になっています。家族連れでやってくる仲間を見ていると、12年という月日の長さを感じます。
Jリーグ開幕当初は、本当にただただ1つでも多く勝ってほしいと思っていました。今でこそ負ける試合を見ることは少なくなりましたが、その頃は試合を見に行くということは勝敗云々より、元気にプレーする選手の姿を見に行くということで、年間でほんの数えるほどしかない勝ゲームに当たれば「ラッキー!」という感じでした。みんなでよくこんな冗談を言っていました。「死ぬまでに1度でいいから優勝するところを見てみたい」。でも本当は「優勝すればそれでいい」というわけではなくて「みんなの好きなレッズが優勝すること」が大切なことくらいわかっていました。強いだけじゃあダメなんだ。名古屋に負けて優勝決定というのはいかにもレッズらしくていいよね。
優勝することで何が変わったか?
おそらく「変わったもの」には計り知れない価値があるはずです。その価値をどう育てていくのかが今後のチームの課題であり、優勝する意味であるような気がします。しかしその一方で「変わらないもの」もあるはずです。個人的にはその「変わらないもの」こそ大切にしてほしいなあと思っています。優勝したってビリだってJ2に落ちたって応援するからさ。
悲願と言われた浦和レッズのステージ優勝決定の瞬間はやはりあの時と同じように、ただ「ポカ~ン」としただけでした。