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メノッティの「ヴァイオリン協奏曲」

2011-01-15 12:07:21 | 協奏曲

 筆者がイタリア出身のアメリカ国籍の20世紀の現代オペラ作曲家ジャン・カルロ・メノッティ(Gian Carlo Menotti/1911~2007)を知ったのは今から40年ほど前の学生時代に彼の1幕もののオペラ・ブッファ「電話」をレコードで聴いた時だった。オペラの内容は彼女のところに結婚を申し込みに来た一人の男が女に次ぎ次ぎへと電話がかかってくるので彼も最後は外に出て電話で結婚の承諾にとりつけてしまうというコミカルな内容でこの作曲家に興味を覚えた。しかしその後はほとんど彼の作品を聴く機会もなく時が過ぎてしまったが最近になりまた関心を持つようになった。
 今回取り上げる作品は彼が41歳の1952年に名ヴァイオリニスト、エフレム・ジンバリストの委嘱により作曲した彼の唯一の「ヴァイオリン協奏曲イ短調」である。全体で3楽章構成をとるこの協奏曲は彼らしいロマンティシズム溢れる魅力的な作品だが最近まで国内で実際のコンサートで演奏される機会はなかった。因みに調べてみると日本初演は2008年11月23日、井上道義指揮、ヴァイオリン=磯崎陽一、新日本フィルのコンサートであった。またレコード録音の数も非常に少なく古いところでは写真のシャルル・ミュンシュ指揮、ヴァイオリン=トッシー・スピヴァコフスキー、ボストン交響楽団(RCA/現在BMG)の1954年録音のものが最初ではないかと思う。写真のCDは2006年に「シャルル・ミュンシュの芸術」シリーズ全40の最後を飾りリリースされたものでこれが「世界初CD化」ということである。(BVCC38467)しかし限定盤であったため現在では入手困難になっており貴重盤でもある。モノラル録音ながらセッション録音なので音質は大変素晴らしい。CDジャッケットもLP発売当時の「オリジナル・ジャケット・デザイン」を用いているところも魅力である。
 尚、ソリストのスピヴァコフスキ(1908~1998)については以前に取り上げたシベリウスのヴァイオリン協奏曲のレコード(米エヴェレスト盤/タウノ・ハイニカイネン指揮ロンドン交響楽団)でオールド・ファンにはお馴染みの人である。


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