ヴィルヘルム・ケンプはどうしても「ベートーヴェン弾き」の印象が強く残る。 事実、モーツアルトの「ピアノ協奏曲」録音はモノラル時代のものも含めても少ないしこのDG盤の「第21番」と「第22番」もこの時(1977年)が初録音だったと思う。オーケストラは「バイエルン放送交響楽団」、指揮はベルンハルト・クレーでミュンヘンの「ヘルクレスザール」におけるスタジオ録音である。ケンプは全般的にテンポを若干遅めにとりカンデンツァも自身がアレンジしたものを弾いているところが興味深い。クレーはN響にも何回か登場したこともある指揮者で馴染みがあり彼の正統的で真摯な棒のアプローチにも注目したい。(写真ー独グラモフォン国内盤、28MG 0263)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます