ダリウス・ミヨー(Darius Milhaud/1892-1974)はサティーと共にいわゆる「フランス6人組」を結成し新即物主義的な現代音楽の創作に取り組んだ作曲家である。彼の作品はストラヴィンスキーの影響も受けた「新古典主義」から「ロマン的」なものまで多種多様な分野に及ぶが録音も少ないこともあり日本ではまだまだ馴染みが薄い。今回紹介したいドイツの若手女流ヴァイオリニスト、アラベラ・シュタインバッハー(アラベラ・美歩・シュタインバッハー)が2004年に録音したヴァイオリン協奏曲を含むアルバムはミヨーの世界にふれる打ってつけの1枚だ。(独ORFEO-C646A) ミヨーの作品と聞くとちょっと取っつきにくい先入観を持ってしまいがちだがこのアルバムを聴けばそれは吹き飛ぶと思う。特にCDの最初に収録された「ヴァイオリン協奏曲第2番Op.263」(1946)は美しくロマン的な作品で彼女の優美なヴァイオリンにウットリとさせらてしまう。このほかヴァイオリンと室内オーケストラのために書かれた「春のコンチェルテーノOp.135」(1935)、舞踊音楽で有名な「屋根の上の牝牛Op.58」(原曲はヴァイオリンとピアノによる「シネマ幻想曲」)も聴きものである。(バックの管弦楽は「ミュンヘン放送管弦楽団」、指揮はピンカス・スタインバーグ)
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