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カラヤンのシェンーベルク/交響詩「ペレアスとメリザンド」作品5

2011-02-15 13:56:48 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンのシェーンベルクをはじめ「新ウィーン楽派」と呼ばれる「管弦楽曲集」の録音についてはだいぶ以前に紹介したことがあると記憶しているが中でも今回は筆者が「清められた夜」と並んでよく聴くシェーンベルクの大作、交響詩「ペレアスとメリザンド」にスポットを当ててみたいと思う。(写真/CD盤ーDG423 132-2)
 この作品はシェーンベルクが29歳の1903年にベルギーの劇作家メーテルランクの同名の戯曲を題材にして書いたものである。またドビュッシーのオペラやシベリウスの「劇付随音楽」などにも同名の作品が存在する。シェーンベルクのこの交響詩はまだ後期ロマン派風の香りもうかがえる4管編成の大管弦楽による単一楽章から成る大作で演奏時間も約45分前後を要する。因みにこのカラヤン/ベルリン・フィルによる1974年ベルリン・フィルハーモニーザールにおけるスタジオ録音も44分弱の演奏である。以前にも述べたかも知れないがカラヤンの魅力は初めて接する聴き手にはちょっと難解さを感じてしまう作品もとことん管弦楽の「美」を追求しそれはまさに色彩豊かな印象派絵画を思い起こさせる。これは1970年代のカラヤン/ベルリン・フィル最高潮に達した録音の一つではないかと思う。
 ところでカラヤンは作品4の「清められた夜」は1973年の来日公演も含めたびたび実際のコンサートでもプログラムに取り上げているがこの「ペレアス」のコンサートでの演奏回数は極端に少なかったと記憶している。