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キース・ジャレットのショスタコーヴィチ「24の前奏曲とフーガ」

2011-02-03 19:47:16 | 器楽曲

 米国のジャズ&クラシック・ピアニスト、キース・ジャレット(Keith Jarrett/1945~ )についてはだいぶ以前に指揮者デニス・ラッセル・デーヴィスとのコンビによるモーツアルトの「ピアノ協奏曲」のCD(独ECMレーベル)についてふれたことがあったと思うが今回はピアノ・ソロ録音からショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ作品87」を取り上げてみたい。(写真/独ECM)
 この作品はショスタコーヴィチが1950年にライプツィヒで開催された「J.S.バッハ没後200年祭」の「第1回国際バッハ・コンクール」の審査員に招かれこのコンクールで見事優勝を飾った当時ソヴィエトのピアニスト、タチアナ・ニコライエーワの演奏に深く感銘したことがきっかけとなり生まれた作品と言われている。事実この作品の全曲初演も1952年に彼女によって行われている。
 キース・ジヤレットは1980年代後半から1990年代にかけて特にクラシック分野に関心を持ち当時、独ECMレーベルに先のモーツアルトをはじめ多くの作品を録音しておりこのショスタコーヴィチの作品も1991年7月にスイスの「ラ・ショー・ド・フォン/La Salle de Musique, La Chaux de Fonds)でレコーディングされた。これはその前に録音されれたJ.S.バッハの「平均律クラヴィア集第1巻・第2巻」、「ゴールドベルク変奏曲」に続く彼の注目されたクラシックのアルバムの一つでもあった。筆者もこの演奏は好んで時々聴いているが彼の驚くべきピアノ・テクニックは一昨日取り上げたジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスと同様に聴き手の心に何かをはたらきかける鋭い魔力みたいなものを感じてしまうアルバムである。