今日はなぜか久しぶりにジャズのレコードが聴きたくなり写真の「ビル・エヴァンス・トリオ/東京ライヴ1973」のレコードを取り出し針を下ろしてみた。このLPはタイトルの通りアメリカのジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンス(Bill Evans/1929~1980)率いるジャズ・トリオの1973年来日公演ライヴ盤である。(米Fantasy/OJC345)
ビル・エヴァンスのピアノはフランスの印象主義作曲家ドビュッシーやラヴェルの音楽を彷彿させるところが節々に感じる。また彼のそんな芸風は後のチック・コリアやキース・ジャレットらにも多大な影響を与えている。このLPは1974年にリリースされた東京・郵便貯金ホール(当時)におけるライヴ録音でエヴァンスの優美なピアノ・タッチ、エディ・ゴメスのベース、マーティー・モレルのドラムが見事に調和した見事な「エヴァンス・サウンド」聴けるエレガントなライヴ・アルバムだ。「モーニング・グローリー」から最後に収録された「グリーン・ドルフィン・ストリート」までの全9曲は会場を埋め尽くした聴衆の酔いも充分に伝わってくる。1980年に長年の飲酒・薬物依存の影響で健康は蝕まれ51歳の若さでこの世を去ったエヴァンスだったが彼が遺した数々のアルバムは今後も不滅の名盤として輝き続けることだろう。