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ハイティンク/コンセルトヘボウの武満 徹「ノヴェンバー・ステップス」

2011-01-28 18:21:55 | 現代音楽

 武満 徹の傑作「ノヴェンバー・ステップス」の代表盤と言えばやはりこの作品の世界初演を指揮した小澤征爾盤2種(トロント響/サイトウ・キネン、いずれも琵琶=鶴田錦史/尺八=横山勝也)ということになろう。因みに前者が1967年録音、後者が1991年録音である。しかし筆者にはもう一つ忘れることができない同曲の好きなレコードがある。それは写真のベルナルト・ハイティンク指揮/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によるものである。(写真/国内初出盤/フィリップスSFX7779/1970年発売)同様に琵琶、尺八のソロは同じく鶴田錦史、横山勝也の両名があたっている。やはりこの二人はこの作品を演奏するにあたり欠かすことのできない存在であった。
 ところでこの録音セッションには作曲者の武満も立ち会っおり「コンセルトヘボウ」における実際のコンサートのゲネ・プロで行われたと言われている。このLP盤の記録によれば録音年月日は1969年12月17日から19日となっている。録音状態も大変素晴らしくゲネ・プロ録音ということもあり緊張感が漂うコンサート・ライヴそのものの雰囲気を感じさせられる。しかもこの録音が初めての外国人指揮者によるものだった。その観点からしても大変記念すべきレコードでもあったわけである。そしてここでも琵琶、尺八の鶴田・横山両氏のまさに息の合ったソロの掛け合いが見事に光っている。
 尚、レコード第2面には時のフランス文化相アンドレ・マルローの委嘱による1964年のメシアンの作品「されば われ 死者のよみがえるを 待ち望む」が収録されている。