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ドビュッシー/「前奏曲集」 ~ 管弦楽編曲盤

2011-01-24 14:29:48 | 管弦楽曲

 フランス印象派、クロード・ドビュッシー(Claude Debussy/1862~1918)の晩年の代表作のひとつピアノのための「前奏集」ー「第1集」・「第2集」各12曲は1909年から13年にかけて作曲された。これらの小品集は当時ドビュッシーが好んで用いた「全音」と「半音」を巧みに組み合わせた独特の美しい響きを聴くことができる。しかし彼はこれらの作品の「管弦楽編曲版」を残さなかったため管弦楽による録音は以前にはストコフィスキー編曲による「沈める寺(La cathédrale engloutie)」(第1集)のレコードが出ていたくらいであった。しかし最近ではイギリスの現代作曲家コリン・マシューズ(Colin Matthews/1946~ )が全曲の管弦楽バージョンを手がけておりこの版によるCDも発売されている。
写真はこのバージョンによる英国はマンチェスターに本拠を置く「ハレ管弦楽団」の自主制作レーベル「HALLÉ」から2007年にリリースされたマーク・エルダー(Mark Elder)指揮によるCDである。(HALLÉーCD HLL7513/2006年録音)CDには「第1集」より「野を渡る風」・「音と香りは夕べの大気の中に漂う」・「西風の見たもの」・「亜麻色の髪の乙女」「パックの踊り」・「ミンストレル」の6曲、「第2集」より「霧」・「枯葉」・「ヴィーノの門」・「風変わりなラヴィーヌ将軍」・「カノープ」・「交替する3度」の6曲ー計12曲が順不同に収録されており原曲のピアノ版とはまた違った管弦楽ならではの音の色彩が楽しめる。なおCDの頭には同じくドビュッシーの交響詩「海」も収められており「ハレ管弦楽団」の艶やかな響きも聴きものである。