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ベルガンサの魅力が輝くアバドの「カルメン」全曲盤

2010-01-13 09:55:31 | オペラ
 今日はテレサ・ベルガンサの歌唱が魅力的なビゼー(Georges Bizet/1838~1875)の歌劇「カルメン」全曲盤(写真)を取り上げてみたい。この全曲盤3LP/DG-MG8358~60はクラウディオ・アバドが1977年エジンバラ音楽祭で初めて「カルメン」を指揮、ベルガンサもこの時タイトル・ロールの「カルメン」を初めて歌った。このレコードは「音楽祭」と同メンバーによるレコーディングで相前後して行われ発売当時話題を呼んだものである。
 「カルメン」の舞台はスペインのセヴィリヤ地方だがフランス・オペラの傑作でヴォーカル・スコアには原語のフランス語版、ドイツ語版、イタリア語版などが存在するがこの録音で指揮者アバドが使用しているのはフリッツ・エーザー校訂による「アルコーア版/1964年出版のオリジナルである。もちろん台詞は原語のフランス語である。因みにこの版によるレコードで最初に登場したのはアンナ・モッフォがカルメンを歌ったロリン・マゼール指揮(国内盤デンオン)だったと思う。
 さてこのアバドによる演奏だが一つは先に述べたベルガンサの何といっても美しい情感をこめた歌唱にある。そしてドン・ホセを歌うドミンゴ、ミカエラのコトルバスといった豪華歌手陣もそれぞれの役柄にピッタリでこのレコードの魅力を倍加している。歌劇「カルメン」の名盤の一つとしてこれからも輝き続けることは間違いないだろう。なお管弦楽はロンドン交響楽団による演奏である。