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C.クライバーの唯一のイタリア・オペラ・セッション録音ーヴェルディ「椿姫」

2010-01-08 03:16:20 | オペラ
 カルロス・クライバー(Carlos Kleiber/1930~2004)という指揮者は演奏レパートリーが極端に限定した人であった。特に1970年以降はレコーディングにおいても顕著だった。とりわけオペラにおいての公式セッション録音は限定され今日紹介するヴェルディの「椿姫」も彼のイタリア・オペラの唯一の公式セッション録音であった。(写真/ドイツ・グラモフォンー2LP27027 103)
 録音は1976年~77年にかけて彼が活躍の場を置いたミュンヘンで行われている。このレコードの魅力はなんと言ってもヴィオレッタ役にルーマニアの名ソプラノ歌手イレアーナ・コトルバスを起用したことだろう。彼女はプッチーニの「ラ・ボエーム」のミミ役などは最も得意としていた人だがこの「椿姫」のヴィオレッタも彼女が持つ繊細さがいいインパクトを生んでいる。指揮者クライバーのキャスティングが成功した名録音である。ジェルモンのプラシッド・ドミンゴ(テノール)の魅力も今さらあえて言うまでもないだろう。数ある「椿姫」の録音の中で筆者が一番針をおろすレコードでもある。
 因みにクライバーの本格的指揮者としてのデビューも1960年「ライン・ドイツ・オペラ」での「椿姫」と伝えられている。