私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

若きガヴリーロフが弾くプロコフィエフ&ラヴェル

2010-01-11 16:06:06 | 協奏曲
 今日は若きアンドレイ・ガヴリーロフ(Andrei Gavrilov/1955~ )が弾くプロコフィエフとラヴェルの作品を収録したレコード(写真/東芝EMI-EAC71009)を取り上げてみたい。このLPは今から約30年前にリリースされたものである。録音は1977年にロンドンのアビー・ロード・スタジオで行われている。彼は1974年のチャイコフスキー国際コンクールで弱冠19歳の若さで優勝し世界から注目を浴びたピアニストである。このレコードは彼のEMI録音の第2弾となるものでプロコフィエフ/ピアノ協奏曲第1番変ニ長調作品10、ピアノ独奏による舞踊音楽「ロメオとジュリエットから10の小品」作品75から第2番「情景」・第9番「ゆりの花を持った少女たちの踊り」、ラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲」、「逝ける王女のためのパヴァーヌ」(ピアノ原曲版)が収められている。2つの協奏曲の管弦楽はロンドン交響楽団、指揮は現在ベルリン・フィルの音楽監督を務める当時はまだ23歳の新鋭ーサイモン・ラトルがあたっている。おそらくラトルにとってこの録音はEMIへの初録音だったかも知れない。いずれにしても二人の新鋭アーティストによるフレッシュな録音であった。
 演奏はさすがロシアが生んだ技巧派ピアニスト、ガヴリーロフだけあり見事なテクニックでこれら二つのコンチェルトを弾きこなしている。プロコフィエフもさることながらラヴェルの「左手」も片手だけでよくもこれほどダイナミックで流動感ある彼の演奏に引き込まれてしまう。指揮者ラトルとの息も合いロンドン響との調和も素晴らしい。