今週は特集内容で云えばダイヤモンドの力作特集が一番だが(後述)、
良い意味でも悪い意味でもより考えさせられるのは東洋経済の方。
それにしても東証が海外ファンド勢の売り崩しに遭って
大打撃を受けている時に、よりによって間の悪い特集ではある。。
さてエントリーのサブタイトルは88頁から。
立教大の安藤准教授の寄稿である。
前田正子との共著で『母の壁』を出した研究者で、
個人的には、かなり強いバイアスがあるのに興味を持っていた。
主張としては典型的な「子育て罰」の議論で、
勿論のこと子育て世帯が相対的に高所得であること、
日本女性が元々就労に重きを置いていないこと、
育児を優先して仕事を抑制する層が多数派であること、
等々の事実は無視しているのが特徴である。
ただ、キャリア志向への変化は高学歴女性から始まっているとして
それが「新しい社会の分断につながる可能性」があるとしているのは褒めたい。
但しこのような一見、子育て中の女性を擁護する人々は
片親や離別者を事実上排除した議論をする悪い癖がある。
本気で「母の壁」を打破したければ、片親であろうが無かろうが
北欧のように高負担で育児世帯への再分配を強化せねばらなず、
「年収の壁」を廃し育児を集約化して就労時間を増やさねばならない。
それでこそフェアで公益に適う議論となるであろう。
佐藤優氏の連載は愈々、日本外務省批判になってきた。
書いている内容自体は後講釈であることもあり妥当だろうが、
独善性が剥き出しになっている筆致が良くない。
氏自身も、素人読者の多いAERAでかなり危なっかしい言説があり、
例えば先日のロシアと北の会談において武器弾薬の要請はないと見立てて
食糧供給と引き換えにウクライナ南部州に北の労働者を動員するのではと
憶測でしかない話を展開しているが、事後検証で馬脚を現しかねない失言だ。
報道やSNSから判断するとロシア軍の前線での装備の悪さや内部混乱は深刻だ。
単に武器弾薬に留まらず装備や兵站に重大な問題が生じている可能性が高い。
(ロシア軍内から公然とSNSで不満が発せられている始末だ)
北の労働者を動員するなら突破されかかっている南部のインフラではなく
軍の後方支援や兵站である可能性の方が高い。
また、氏はプーチンが明らかに苦境にあることを明言していない。
第一に、あの遅刻の得意なプーチンがいそいそと北を大歓迎している。
第二に、ロシア軍に余力があるならアルメニアを支援できる筈だ。
氏ははっきり言って事態が見えていないか、ロシアを庇っているかのいずれかだ。
もし氏の見立てが正しいならウクライナ軍が南部奪回を進めるに従い、
北の労働者がウクライナ側に投降してくる筈だから真偽はすぐ分かる。
氏は外務省を手厳しく批判したが、自らも同じく批判される側にいると
事実が明らかになるにつれ自覚を迫られることになろう。
◇ ◇ ◇ ◇
ダイヤモンドのインボイス特集は非常に懇切丁寧で良い。
関係者は絶対に持っておいた方が良い。(もう少し早めに出ていれば。。)
愛蔵版として強くお薦めしたい。
サブ特集も中々良く、マクロ分析では東洋経済よりこちらを見た方が良い。
浮かれて楽観しているエコノミストが誰かもよく分かる。
猶、為替の見通しに関しては田中泰輔氏の見方が最も正しいと考える。
120円位迄のドル急反落は想定しておいた方が良いであろう。
他に重要なのは、中国の不動産バブル崩壊が商品市況に与える影響だろう。
先進国も無傷で済むと思ってはならない話なのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストが「一番本格派」かと期待したが、
米国の「景気失速」以外は鋭さに欠ける気がする。
ダイヤモンドのサブ特集の方が良い意味でも悪い意味でも考えさせられるような。
マーケット関連では矢張り市岡繁男氏のコラムが良い。
米銀の債券含み損は金利上昇のせいで75兆円を超えているとの見方だ。
しかも米国債増発が伝えられてから米金利上昇が始まったとしており、
米株の下落と軌を一にしている。災厄は終わりそうにない。。
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドに注目、旧統一教会に解散命令が出そうな時で完璧なタイミング!!
▽ 神社本庁は不祥事連発、創価学会はスラップ訴訟紛いのことを始めたらしい。。
▽ そうか、東洋経済は四季報特集で大して労力を費やさないから合併号でないのかも!
▽ 矢張り一番内容がありそうなのはエコノミスト、競争激化するEV特集
日本は欧米のように自国産EV重視に舵を切るべきなのに、余りに動きが遅い。。
良い意味でも悪い意味でもより考えさせられるのは東洋経済の方。
それにしても東証が海外ファンド勢の売り崩しに遭って
大打撃を受けている時に、よりによって間の悪い特集ではある。。
さてエントリーのサブタイトルは88頁から。
立教大の安藤准教授の寄稿である。
前田正子との共著で『母の壁』を出した研究者で、
個人的には、かなり強いバイアスがあるのに興味を持っていた。
主張としては典型的な「子育て罰」の議論で、
勿論のこと子育て世帯が相対的に高所得であること、
日本女性が元々就労に重きを置いていないこと、
育児を優先して仕事を抑制する層が多数派であること、
等々の事実は無視しているのが特徴である。
ただ、キャリア志向への変化は高学歴女性から始まっているとして
それが「新しい社会の分断につながる可能性」があるとしているのは褒めたい。
但しこのような一見、子育て中の女性を擁護する人々は
片親や離別者を事実上排除した議論をする悪い癖がある。
本気で「母の壁」を打破したければ、片親であろうが無かろうが
北欧のように高負担で育児世帯への再分配を強化せねばらなず、
「年収の壁」を廃し育児を集約化して就労時間を増やさねばならない。
それでこそフェアで公益に適う議論となるであろう。
『週刊東洋経済』2023/9/30号 (株の道場 3万円時代に買える株) |
佐藤優氏の連載は愈々、日本外務省批判になってきた。
書いている内容自体は後講釈であることもあり妥当だろうが、
独善性が剥き出しになっている筆致が良くない。
氏自身も、素人読者の多いAERAでかなり危なっかしい言説があり、
例えば先日のロシアと北の会談において武器弾薬の要請はないと見立てて
食糧供給と引き換えにウクライナ南部州に北の労働者を動員するのではと
憶測でしかない話を展開しているが、事後検証で馬脚を現しかねない失言だ。
報道やSNSから判断するとロシア軍の前線での装備の悪さや内部混乱は深刻だ。
単に武器弾薬に留まらず装備や兵站に重大な問題が生じている可能性が高い。
(ロシア軍内から公然とSNSで不満が発せられている始末だ)
北の労働者を動員するなら突破されかかっている南部のインフラではなく
軍の後方支援や兵站である可能性の方が高い。
また、氏はプーチンが明らかに苦境にあることを明言していない。
第一に、あの遅刻の得意なプーチンがいそいそと北を大歓迎している。
第二に、ロシア軍に余力があるならアルメニアを支援できる筈だ。
氏ははっきり言って事態が見えていないか、ロシアを庇っているかのいずれかだ。
もし氏の見立てが正しいならウクライナ軍が南部奪回を進めるに従い、
北の労働者がウクライナ側に投降してくる筈だから真偽はすぐ分かる。
氏は外務省を手厳しく批判したが、自らも同じく批判される側にいると
事実が明らかになるにつれ自覚を迫られることになろう。
◇ ◇ ◇ ◇
ダイヤモンドのインボイス特集は非常に懇切丁寧で良い。
関係者は絶対に持っておいた方が良い。(もう少し早めに出ていれば。。)
愛蔵版として強くお薦めしたい。
サブ特集も中々良く、マクロ分析では東洋経済よりこちらを見た方が良い。
浮かれて楽観しているエコノミストが誰かもよく分かる。
猶、為替の見通しに関しては田中泰輔氏の見方が最も正しいと考える。
120円位迄のドル急反落は想定しておいた方が良いであろう。
『週刊ダイヤモンド』2023年9/30号 (インボイス&改正電帳法) |
他に重要なのは、中国の不動産バブル崩壊が商品市況に与える影響だろう。
先進国も無傷で済むと思ってはならない話なのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストが「一番本格派」かと期待したが、
米国の「景気失速」以外は鋭さに欠ける気がする。
ダイヤモンドのサブ特集の方が良い意味でも悪い意味でも考えさせられるような。
『週刊エコノミスト』2023年 10/3号【特集:金利ある世界】 |
マーケット関連では矢張り市岡繁男氏のコラムが良い。
米銀の債券含み損は金利上昇のせいで75兆円を超えているとの見方だ。
しかも米国債増発が伝えられてから米金利上昇が始まったとしており、
米株の下落と軌を一にしている。災厄は終わりそうにない。。
◇ ◇ ◇ ◇
次週はダイヤモンドに注目、旧統一教会に解散命令が出そうな時で完璧なタイミング!!
▽ 神社本庁は不祥事連発、創価学会はスラップ訴訟紛いのことを始めたらしい。。
『週刊ダイヤモンド』2023年10/7・14合併特大号 (巨大宗教「連鎖没落」) |
▽ そうか、東洋経済は四季報特集で大して労力を費やさないから合併号でないのかも!
『週刊東洋経済』2023年10/7特大号 (半導体 止まらぬ熱狂) |
▽ 矢張り一番内容がありそうなのはエコノミスト、競争激化するEV特集
『週刊エコノミスト』2023年 10/10・17合併号【特集:EV戦争2023】 |
日本は欧米のように自国産EV重視に舵を切るべきなのに、余りに動きが遅い。。