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『週刊エコノミスト』9月13日号-中国はゼロコロナ・経済統制で若年失業率が急上昇、「中所得国の罠」へ

2022-09-08 | 『週刊エコノミスト』より
今週のエコノミスト、中国特集は完璧な内容だ。
それだけ中国経済の急減速と苦境が鮮明ということでもある。

中国経済の成長を目の前で見てきた津上俊哉氏は、
経済統制を強める習近平の政策が中国経済を蝕むと
何年も前から警告してきた慧眼の持ち主である。

結論としては中国が「中所得国の罠」に陥るとのことだが、
当ウェブログも完全に同意見である。
「中国も遂に就職氷河期に、人口動態でも90年代後半の日本(成長率急落)と似てきている」
と先週、書いた通りであろうと思っている。

ゼロコロナで自縄自縛に陥った経済失政に加え、
中国の場合は少子化対策の大失敗が今後長らく病弊となろう。

26頁では北大の城山教授が「就職難にゼロコロナ、不満募る若者」と題して
中国で大卒が急増したところで若年失業率の急上昇が重なった惨状を報告している。
これは1997年以降の日本経済と酷似しており、次の展開は容易に予想できる。
中国経済は長い黄昏の時代を迎え、若者が苦しみ続けることとなろう。


他方、意外に堅調なのが欧州経済である。
エコノミストレポートでは「観光業が実質GDPを下支え」とある。
日本から見ると分かりにくいが、ドル高ユーロ安が効いているようだ。
ウクライナ侵攻もそろそろプーチンの大敗で終わりそうで、
矢張り日本がEU圏より経済回復において劣後するだろうという
当ウェブログの見通しが(残念乍ら)的中しつつあるようだ。。

『週刊エコノミスト』2022年 9/13号【特集:暴走する中国 習近平3期目の難路】


市岡繁男氏の連載ではアメリカ社会の劣化が指摘されている。
コロナ禍で銃撃事件が急増、平均寿命も急速に悪化したとか。
ただアメリカ社会は90年代前半も結構ひどい状況だったから
個人的には出生率が回復するかが鍵を握ると考えている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドの出世・給料・人事特集はデータが豊富。
いろいろ見てゆくと俯瞰できて参考になる。
ただアベノミクスの害悪で日本全体が貧困化した現状に触れるべきだろう。

あと案の定、業種間の格差は相変わらずで
運輸・通信業が突出して労働時間が長く、
農林漁業の休みの少なさも突出している。
(農業特集で参入を煽っているダイヤモンド編集部は反省して欲しい)

そうそう、「「ジュニア取締役リスト」大公開」が日本企業の宿病を示す(典型がファストリ柳井)」
と先週に書いた件だが、矢張りファストリの特異性が目立つ。
トップの実子複数を役員にしているファストリ、ゼンショー、ヤマザキ製パンは
かなりの確率で遠からず経営に変調を来すだろうと予想している。

『週刊ダイヤモンド』2022年9/10号 (出世・給料・人事の新ルール )


サブ特集を見るとまた私立お受験ブームらしく
少子化の中で私立受験が増えているようだ。
日本社会の分断と教育浪費が深刻化しないか、かなり心配になった。
なお米国だと起業家は公立高校出身が多いという説があり、
その点でも日本の将来が心配になる傾向ではある。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済のゼネコン特集はまあ想定通り。
先週、当ウェブログが「自民党との癒着だけでは資本市場を生き残れないのだ!」
と書いた通りだろう。矢張り従来型の土建には未来はなく、
環境関連分野として木造建築・コンクリート・風力が挙がっている。
当ウェブログは何度も何度も環境政策の重要性を説いてきたが、
やっと時代が追いついて来た感じ、である。

『週刊東洋経済』2022年9/10号(ゼネコン「両利きの経営」)


佐藤優氏の連載は例のドゥーギン事件について。
自分よりも研究の浅い国内メディアを嘲笑しているが、
何が本質を衝いた情報かについては何一つ触れず。
コメントや原稿の要請が自分に集まるよう小細工している印象だ。

北方領土交渉と時と同様に先見の明の乏しい氏は
これでウクライナとロシアの対立が深刻になると語っているが、
残念ながらロシア軍は東部でも南部でも劣勢が鮮明になりつつあり、
まるで旧日本軍の「転進」のような大本営発表まで始めている始末。 
氏の言説はまたもや冷厳な現実によって打ち砕かれてしまっている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、但しこの恒例化したベンチャー特集は実は「小粒」が多い。。

▽ 編集部は、ユニコーン輩出は若年人口を多く抱えている国であるという現実を無視していると思う

『週刊東洋経済』2022年9/17-9/24合併号(すごいベンチャー100 2022年最新版)


▽ ダイヤモンドも読者層が上がり、「守りに入っている」印象。。

『週刊ダイヤモンド』2022年9/17・24合併号 (資格・副業・学び直し)


▽ 慧眼のエコノミスト特集、米金利急上昇なら世界経済は激震に決まっている!

『週刊エコノミスト』2022年 9/20・27合併号【特集:大予測 米国発世界経済リスク】

サブ特集での「地産の再エネでEVをシェア」も重要。
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