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ヤマト運輸の値上げが証明する、エキタスの自己欺瞞と自滅 - 低所得層の賃上げには増税か値上げしかない

2017-04-25 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
安倍政権が通貨切り下げで労働者を貧しくし、
見かけだけ失業率を下げて自慢するという醜態を見せているが、
エキタスという経済政策リテラシーの全くない集団が
最低賃金引き上げを叫ぶのも安倍政権と同様の愚行である。

日本よりも最低賃金の高い欧米の国々は、ほぼ例外なく日本より失業率が高いか、
国民負担率が日本よりも重いというのが厳然たる事実である。

最低賃金を引き上げても勤務時間が減ったらどうなるのかという
ごく当然の発想が全くないエキタスの思考回路も問題だが、
最低賃金さえ上がれば自分達の得になると安易に妄信することも浅慮の証拠である。

経済政策に無知なエキタスは、先進国の貧困率をよくよく見るがいい。
貧困率が低く、平等度の高い社会を築いた北欧は、例外なく重税である。

先進国における低所得層は、疾病等の理由で働けないか、
低賃金雇用しかない地域にいるか、労働市場での評価が低いかのいずれかである。
だから、通常の経済メカニズムでは賃上げに限界がある。

慶應大学の駒村教授は、貧困対策には増税して公費を投入するか、
消費者がより高い価格を支払う必要があるとはっきり言明している。
北欧は現実性のない後者の道を捨て、前者を選んだから低所得層を強力に支援できたのである。

幻想を抱き最低賃金にばかり固執するエキタスが敗北するのは理の当然であろう。
エキタスの政治運動は、安倍政権にたっぷり政治献金を払って利益誘導政策を求める
経済団体の利己的行動と瓜二つである。圧力をかけて自分達の利益を求めるのだから。
ただ、政治力の差で大企業にはたっぷり返礼、エキタスには朝三暮四の「お情け」しかないだけの話だ。

▽ スウェーデンは日本を大幅に上回る重税だからこそ、充実した現役世代支援が可能になった

『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


更に、世間知らずのエキタスは、実際には自分達の取り分を減らす原因の一つである、
労働組合とタッグを組み始めるという愚行の上塗りを重ねている。

労組の正社員の多数派意見は、安倍政権に高額献金を上納する大企業と同じだ。
増税を拒否し、雇用の安定を求めているのだから、全体最適を無視し自己利益ばかり追求している訳だ。
エキタスのような非正規層を「雇用の調整弁」として利用している張本人である。
(だから非正規への支援も安倍政権のような「口だけ」で、カネは渋って他人に払わせようとするのだ)

▽ エキタスは日本の高齢層(特に男性)にそっくり、他人に冷淡で自分の利得ばかり求める

『なぜ日本経済はうまくいかないのか』(原田泰,新潮社)


当ウェブログの警告した通りの情けない状況である。

「当ウェブログは原理主義的な反格差・格差是正派を批判し、
 互いに助け合わず他人にカネを出させようとする低所得層にも責任の一端があること、
 また、日本が元々平等を好まない、格差肯定の社会である事実を指摘した」

「多くの日本人には非常に悪い癖があり、立場や状況が変わると主張も180度変わる。
 かつて佐藤俊樹・東大教授がいみじくも指摘したように
 「勝てば自分のおかげ、負ければ社会の責任にしたい」のである」

「私立大よりも国公立大の方が格差が大きい。
 つまり高所得者の方が多額の税金を利用して高等教育を受けているということだ」

「もしこれが本当であれば、国公立大学の学費を親の所得によって決めるか、
 所得税を数%引き上げて給付型奨学金に充当する政策が必要である」

「他人に責任転嫁する低所得層にも格差拡大を助長する要因がある。
 反格差論の一層の退潮と再度の経済格差拡大は不可避であり、
 派遣問題のような「火薬庫」が必ずや肥大して炸裂するであろう」

「反貧困運動の通弊として「経済リテラシーがない」
 「根本問題を糊塗した責任転嫁が多い」ことが挙げられるが、
 大学奨学金批判もお決まりのコースを辿りつつあるようだ」

「奨学金批判でも、大竹文雄・阪大教授が何年も前に指摘した
 「弱者と既得権層の政治同盟」が生じつつある」

「何故なら、奨学金批判の先鋒が私立大学の教員で、
 公費投入によって利益を得る集団の一員だからだ」

「日本の私立大学は、人口減と文科省の失政でこれから確実に消滅・破綻が増える。
 今ですら生徒の集まらない大学の教員が募集に駆り出されてふうふう言っている状況だ。
 公費を投入して貰わないと大学職員は厚待遇を失い、路頭に迷う可能性が高い」

「更に、官公労がこの奨学金批判を取り上げるのは「自爆」行為に近い。
 正規公務員が実質的に大企業並みの待遇であるのは公然の事実であり、
 非正規公務員と比較すると「差別」としか言いようのないフリンジベネフィットを得ている。
 一般国民から見れば限りなく特権層に近い」

「官公労が、利権化している退職金の税控除を大幅縮小して、
 給付型奨学金に予算移転して欲しいと主張するのなら素晴らしいが、
 断言してもいい。彼らはそうしない。行動するとしても言い訳程度で終わる」

「当ウェブログは給付奨学金の必要性は認めるが、
 公費濫用を避けるため成績や成果へのコミットが絶対に必要と考える」

「就職パワーが弱い文系大学院に進んで奨学金を借りるといった、
 費用対効果の著しく低い事例には非常に危機感を覚える。
 直接雇用を生み出す資格関連への給付の方が遥かにましである」

「また、大内教授は「自分の子どもさえ良ければ」以上の大問題である、
 致命的な「福祉給付ばかり求めるシルバー民主主義」を理解していない」

「しかも医療でも教育でも、日本は格差に肯定的な社会である。この事実は動からない。
 今の日本は一部の高齢層に異常に資産が偏在しており、彼らは教育にカネを出さない」

「日本人は転落した弱者に冷淡だ。自分の家族をより優先する傾向が非常に強い。
 弛緩した独善的な「上から目線」の奨学金批判では、この「岩盤」はびくともしないであろう」

エキタスは根本的に社会保障制度を理解していない。
欺瞞的な日本のリベラルと同じく、バラ撒きを求める無責任でしかない。

▽ エキタスは社会保障に無知で、高齢層向けに異常に偏った公費給付が元凶だと分かっていない

『中間層消滅』(駒村康平,KADOKAWA/角川マガジンズ)


日本では研究者や識者も自己欺瞞に陥っているので、
エキタスが愚かで欺瞞的な運動を繰り返すのも無理はない。

「武蔵大学の千田有紀教授がYahooニュース個人で熱く語っているので、
 新時代の旗手登場かと思って期待したら、全然違っていた」

「寧ろ、カッとなって言い争いをしているだけなので、失望させられた次第だ。
 ロジックとしても従来のリベラル或いは反貧困派と同じで、重大な論点が抜けている」

「何故か日本のリベラル或いは反貧困派は
 自分達の論が正義で誰か悪役が弱者を苦しめているかのように語り、
 他者に責任転嫁してばかりいる」

「おまけに、彼らが称揚する北欧や独仏が逆進的な重税である事実を黙殺し、
 負担に触れず恩恵だけを強調して幻想を植え付ける始末だ」

「日本は民主主義国であり、「我々有権者」が今の社会のあり方を決めたのだ。
 税負担を嫌がり、我が子にだけ教育投資を行い、他人の窮状を見ないふりをした。
 巨額の公的債務は子孫にツケ回しして、負担してもいない多額の年金給付と医療給付を受け取っている。
 この社会の未来ではなく、豊かな高齢層を更に豊かにするために借金を増やしている」

「だから、ただ日本の奨学金を批判するだけの論者は偽善者である。
 真に有権者としての責務を理解しているなら、
 「私達がより多く納税するから、給付奨学金を増やして欲しい」
 「豊かな高齢者への公費投入をせず、若者の教育に使って欲しい」
 と主張しなければならない。そうでなければモラルハザードになる」

「まず、「ヨーロッパの多くの国」は日本より租税負担率・国民負担率ともに重いので、
 千田教授は(恐らく年間で100万円以上は可処分所得が下がるだろうが)
 「私達に課税して教育予算を増やして欲しい」と主張すべきであろう」

「次に、教育そのものに「階層再生産の側面がある」ことを苅谷剛彦教授が指摘されているが、
 それについてはどう考えているのだろうか」

「本当に「社会的正義の観点」から語るなら、
 富裕な家庭の出身者が多いことで有名な東大の同窓生に対しては、
 「世帯収入が多ければ高額な学費を支払い、給付奨学金に充当すべき」
 と主張し、彼らを説得しなければならないのではないか」

エキタスのような自己欺瞞が蔓延るのも、こうした識者の無責任と独善が影響している。

 ↓ 参考

千田有紀教授は、欧州並みの納税をしなければ「偽善者」になりかねない - 負担なき奨学金批判は無意味
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/eacea6a60a713d786b220a40a0c6cba5

欺瞞と利益誘導に堕しつつある「奨学金批判」- まず大学職員や官公労がカネを出さなければ、単なる偽善に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e98ae1255b8b6ccb25658d6aa48719ee

高所得家庭の国公立大進学率が上昇、私立大学以上に大きい格差 - 再び格差軽視・拡大の時代に入った
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/720b00effe9b7fa7a169d762e4b8c6db

▽ 適用範囲の狭い最低賃金より、給付付き税額控除の方が遥かに公平で効果がある

『日本の景気は賃金が決める』(吉本佳生,講談社)


宅配便、27年ぶり値上げ=収益改善へ、他社追随も―ヤマト(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017042500269
”宅配便最大手のヤマト運輸が9月をめどに、27年ぶりに基本運賃を引き上げる方針を固めた。背景には、インターネット通販の急拡大により宅配便の取扱量は急増したものの、荷物1個当たりの単価が安く、かえって収益が悪化したことがある。ヤマトは収益改善に向け基本運賃を5~20%程度値上げする方向で、他社が追随する可能性もある。
 親会社のヤマトホールディングスの2017年3月期連結決算は、純利益が190億円と前期の394億円からほぼ半減する見通し。従業員約4万7000人の未払い残業代190億円の支給が主な減益要因だ。
 ヤマトはネット通販による取扱量急増を受けてドライバーを増やしているが、補充が追い付かずサービス残業が常態化。昨年は労働基準監督署から残業代の未払いがあったとして是正勧告を受けており、過去2年分のサービス残業代を支払うことにした。
 また、年末など繁忙期は荷物をさばき切れず、赤字覚悟で配送を外部に委託。これも業績悪化の一因となっている。
 このため、大幅割引を適用してきたアマゾンジャパン(東京)など大口顧客に対しては、個人向けの上限(20%程度)を超える値上げ率にすることも検討。〔以下略〕”

このように、相対的に低賃金の労働集約的産業では、賃上げは値上げに直結する。
エキタスはこの程度のことも理解できないのだから、自滅運動と言うべきであろう。


「最低賃金、時給1500円なら夢ある」若者らデモ(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASK4H46FSK4HUTIL00T.html
”労働者の最低賃金を時給1500円に引き上げることを求めて運動している若者のグループ「エキタス」が15日、東京・新宿でデモをした。東京都庁近くの公園を出発し、高層ビル街や新宿駅南口、歌舞伎町などを巡りながら、「最低賃金いますぐ上げろ」「税金つかって貧困なくせ」と訴えた。
 エキタスは2015年秋から活動し、20代の若者が多く参加している。
〔中略〕
 今回のデモでは、既存の労働組合にも連帯を呼びかけた。「若い人が参加しやすいように、見た目を重視して遠慮してもらっていた」というのぼりや旗の持ち込みも初めて歓迎したところ、連合(日本労働組合総連合会)や全労連(全国労働組合総連合)などの傘下組合のメンバーも多く集まった。主催者の集計では約1500人が参加したという。
 都道府県ごとに定められている最低賃金は現在、最も高い東京都でも時給932円で、最低の宮崎、沖縄両県は714円と目標の1500円の半額以下。仮に時給1500円で週40時間働くと、4週間で24万円になる計算だ。
 若者たちは「1500円は『健康で文化的な最低限度の生活』に必要な最低限の金額です」「1000円じゃなくて1500円と言うのは、ちょっと夢があるから。夢があるというのは(生活の)リアリティーがあるということ」と訴えた。(吉沢龍彦)”

「税金つかって」というのだから実態は「カネ寄越せ」デモであり、
「夢」と「リアリティー」を混同している典型的な妄想でしかない。
日本より大幅に貧困の少ない北欧の重税や高失業率をまず理解すべきである。


エキタスが新宿で「最低賃金1500円デモ」敢行 雨宮処凛氏も「路上生活への直結を防ぐには、最賃向上が最短」と激励(キャリコネ)
http://news.livedoor.com/article/detail/12940676/
”最低賃金1500円を求め、「エキタス」は4月15日、新宿駅周辺でデモを行った。ラップのリズムに合わせて「税金使って格差を無くせ」「学生バイトの賃金あげろ」「貧困叩き絶対反対」などとコールし、新宿中央公園から柏木公園まで、約1500人(主催者発表)が1時間かけて休日の新宿駅周辺を練り歩いた。

「最低賃金が1500円あれば、3食とって8時間眠れる」
 エキタスは労働問題解決を訴え結成された団体で、大学生など若い世代が中心となっている。これまでも最低賃金1500円の実現を呼び掛けてきた。
 デモはエキタスメンバーの栗原耕平氏の挨拶で始まった。働いている人に「最低賃金が1500円になったらやりたいこと」を募ったところ、「病院に行きたい」「将来の不安を払しょくするために貯金したい」「3食とって8時間眠りたい」などの声が集まったという。そして、
「理不尽な社会で、路上の怒りの声こそが僕らの希望だ」
と呼びかけると、集まった参加者から拍手が沸き起こった。応援に駆け付けた日本労働弁護団の嶋崎量弁護士は
「現行の最低賃金制度では、額の決定の際に企業の支払い能力を考慮している。これは国連からもおかしいと指摘されている。そんなことを考慮していたらいつまでたっても最低賃金は上がらない。まずは上げることが先だ。上げた後も中小企業がきちんとやっていけるようにするための方法は、税金を下げたり、下請け方法を厳しくして大企業に搾取されないようにするなどいくらでもある」
と、現状の制度の問題点を指摘する。デモの応援に駆け付けた作家の雨宮処凛氏も、「日雇い労働者たちは貯金もままならない。ゴールデンウィークなどの長期の休みで仕事が無くなると、路上生活に直結するケースもある。この問題を変える最短の方法が最低賃金の向上だと思う」と、活動の重要性を訴えていた。

労働組合の旗を解禁、最賃向上は世代を超えて共有すべき問題
 今回のデモで今までと異なっているのは、労働組合の旗が多数見られたことだ。これまでのエキタスのデモでは、組合の旗を掲げることを禁止していた。解禁した理由について、先頭でラップの指揮を執っていたエキタスメンバーの小林俊一郎さん(大学3年生)は
「今まで最低賃金の向上は若い人たちだけの問題と捉えられがちだった。労働組合の人たちが旗を掲げて組織として参加することで、街の人に、世代を超えた問題だと認識してもらえるのではと思った」
と説明した。実際、今日の参加者には社会人や年金受給者などが多く、老若男女が問題意識を持っていることがうかがえた。
 参加者の一人で大学院に通う女性は「防犯面を考慮して住居を選ぶと、生活費も合わせて月々15万円くらいの出費が必要」と現在の出費状況を語り、「最低賃金が1500円になれば、労働時間も短くなって勉強に集中できる」と希望を訴えた。

沿道の反応は「上げたっていい」「高すぎる」など賛否両論
 一方で、沿道で見ていた人たちの反応は芳しいものばかりではない。「上げたっていい。今が安すぎる」という60代の路上生活者の男性がいるかと思えば、
「1500円はちょっと高すぎる。上がるに越したことはないけれど、その分、国も豊かにならなければいけないし、難しいと思います」
と話す50代女性もいる。20代の社会人男性は「こんなことする暇があったら働けばいいのに」と、冷ややかだ。
 こうした声に対し小林さんは
「問題の認知が足りていないのは僕たちの責任。デモを見て、賛成でも反対でも、何かしら意見を持った人には、エキタスのツイッターやホームページを訪れてほしい。そこではこれまでの主張の背景もまとめてある」
と、対話への意気込みを見せた。
〔中略〕
 冒頭であいさつした栗原さんは今回のデモを
「前回と比べて参加人数も増えたし、若い女性が途中で沿道からついてきてくれたり、反応がすごくよかった。自分の問題として集まってくれた人が多かったのでは」
と振り返り、手ごたえを感じているようだった。”

「問題の認知が足りていない」のではない。
「問題の理解と対策が根本的に間違っている」のである。

「将来の不安の払拭のための貯金」などという高所得層に有利な主張をしたり、
「税金を下げる」などという根本的に間違った提案をしたり、
弁護士等の高所得層に増税してその予算で貧困対策した方がよっぽど効果がある
根本的に社会保障と経済政策のリテラシーのないので教育を受け直した方が良い。


埼玉で人並みの生活、月収50万円必要 県労連が調査(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASK4J3VPPK4JUTNB004.html
”埼玉県内で人並みに暮らすには月約50万円の収入が必要で、子供が大学に入ると支出が急に増え、奨学金がないと成り立たないとする調査結果を、県労働組合連合会(埼労連)と有識者がまとめた。
〔中略〕
 調査は、昼食を食べる場所や日ごろの買い物の場所や支出など、日常生活でのお金の使い方を聞く「生活実態調査」と、生活に必要な持ち物を聞く「持ち物財調査」のアンケートを、昨年1月に埼労連の組合員など3千人に依頼し、3カ月で597人(有効回答率約20%)が答えた。
 その分析で、回答者の7割以上が持つ物を「必需品」とし、それを持つ生活を「普通の生活」と定義。回答者がよく買い物をしている店などで実際の価格も調べた。
 こうした積算で、次の各モデルの結果が出た。いずれも夫は正社員で妻はパート勤務、車はない設定。
 【30代夫婦で小学生と幼稚園児】さいたま市郊外で月5万5千円の賃貸住宅(2LDK、約43平米)で暮らす1カ月の生活費は▽食費約10万8千円▽交通・通信費約3万8千円▽教育費約2万7千円などの計約43万円となった。
 たとえば洗濯機は約6万円のものを国税庁の決まりをもとに耐用年数を6年として割り算し、月額を836円とするなどして、家具・家事用品の月額負担は1万8356円と積算した。
 08年の前回調査と比べ、教育費と教養娯楽費が合計で3万円近く増えたほか、交通・通信費も1万円余り増えるなど、約6万8千円増えた。この支出のためには、税や社会保険料を加えた額面で、約50万円の月収(年収約599万円)が必要だ。しかし、厚生労働省の調査によると埼玉県内の30代男性の平均年収は約411万円と、200万円近い開きがある。
 【40代で中学生と小学生】30代より食費と教育費がそれぞれ約1万円増える一方、教養娯楽費は約1万3千円減るなどした結果、額面の月収は約54万円(年収約647万円)が必要。平均の485万円との差は少し縮まる。
 【50代で大学生と高校生】東京の私大に通わせる前提で▽教育費が40代よりも約9万円多い約13万円▽交通・通信費も同1万1千円多い約5万円と大きく増える。教養娯楽費を30代より1万7千円余り少ない約2万8千円に抑えるが、全体の支出は約58万円で、税などを加えた額面は約68万円(年収約821万円)と、平均の545万円を276万円上回る。
 調査をまとめた静岡県立大学短期大学部の中沢秀一准教授は「妻のパートでは足りず、子供は奨学金を借りる。無償の奨学金や住宅補助の制度を充実させないと子供の将来はさらに厳しい」と指摘している。(松浦新)”

労組もひどいもので、埼玉県は明らかに不動産価格が東京都より安いのだから、
妻がパートではなくフルタイムで働けばすぐ状況が改善することを全く書いていない。
(埼玉は婚姻率も合計特殊出生率も低い地域なので、本当に「働けない」者はごく一部である)

妻が労働時間を伸ばせば年間100万円以上の増収は容易である。
日本女性の就労率は北欧どころかドイツよりも低い。
労組に社会保障と経済政策のリテラシーがあれば、
「妻が働けるように配偶者控除ではなく育児関連の現物給付に転換し、収入増を図るべき」
と主張するのが正しい。そうしたリテラシーがなく保守退嬰だから責任転嫁の主張になるのだ。
欧州並みの給付奨学金が欲しいなら、欧州並みの重税を認めてから口を開くがいい。
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