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『週刊エコノミスト』10月11日号-次の景気後退時は100万人単位の失業増へ、政府の賃上げ要請の反動

2016-10-07 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集「踊る経済統計」は今一つだった。
ただ、インチキ・アベノミクスが愕然とするほど貧相な結果に過ぎず、
反省すらできない政府や日銀がGDPに責任転嫁したがっていることがはよく分かる


反省できないことでは猿以下のこうした輩は、
民主党政権時には「GDPの値が低く出ているのではないか」と疑ったことが一度もない。
自己洗脳のために認識や思考が歪んで、自分の頭を疑うのではなく数字を疑っているのだ。
惨敗を予見できた「昭和16年夏の敗戦」のエリート達よりも遥かに劣っている連中である。

…メイン特集では「「よいデフレ」だった90年代前半」の着眼点が良かったが、
残念ながら物価上昇率と国民所得、あるいは経済成長率との相関を詳細に分析していないため
アベノミクス支持派の残党やリフレ信者の妄想を叩き潰すだけの威力がないのは残念だ。

そこで当ウェブログとしては、メイン特集より52頁の
「賃金上昇が鈍い背景に雇用の二極化」と題した釣雅雄・岡山大教授の寄稿を推したい。

日本では以前よりも労働分配率と失業率の相関が強まっており、
その原因が2003年以降の非正規労働者の増加にあること、
正規雇用の賃金が相変わらず硬直的なために、
政府の賃上げ要請や最低賃金引き上げが更に問題を深刻化させかねず、
次の景気後退期には100万人単位の失業者が短期間で発生すると予言している。

執筆者は景気後退の影響を受けにくい社会福祉セクターでショックを緩和することや、
セーフティネットの強化の必要性に言及していないが、非常に重要な警鐘である。

『週刊エコノミスト』2016年10月11日号


韓国財界のレポートはタイムリーだったが、まだ早過ぎかもしれない。
韓国は90年代後半の日本と同じく人口動態が老化するターニングポイントにある。
かつての日本と同様、次々と問題が浮かび上がって成長率が急速に悪化するだろう。

それよりも42頁「テロやミサイルに無防備な日本の原発」の方が評価できる。
執筆者が対処法として「周辺国との良好な関係」という無い物ねだりしか出さず、
最も肝心な「小規模分散発電でリスク低減」に言及していないのは残念だが。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊ダイヤモンド』の特集「国税は見ている」も良かった。
メイン特集は人によっては保存版であろう。

34頁「もはや国外に逃げ場はなし」、36頁「国際協調で富裕層補足が加速」など
力の入った素晴らしい記事が次々と出てくる力作特集である。

「娯楽といってもゴルフやカジノしかなく、四季もなく蒸し暑い単調な日」を過ごす
シンガポールのシャイロック達のまるで「流刑」のような生活が分かるし、
相続税の「5年ルール」が「10年ルール」へ変更されるのも確実であり、
日本で稼いだカネをこそこそ持ち出そうとする試みへの、まさに自業自得というものであろう。

当ウェブログが前々から指摘しているように、節税の王道は法人化なのだから
(特集では「自分の手でタックスヘイブンを作るようなもの」とされている)
堂々と国内で公益財団法人を設立し日本社会に貢献すべきなのである。
資産管理会社は国税からも狙われるし下策であろう。

…特集ではここまでだが、他にも法人化の手法はある筈だ。

特集後半では国税の内実もかなり踏み込んで書かれている。
関係者の間でも話題になっているだろう。
(調査のノルマがある筈と睨んでいたが、案の定だった)

『週刊ダイヤモンド』2016年 10/8号 (国税は見ている 税務署は知っている)


サブ特集「ウェブサイト価値ランキング2016」は
企業の担当者にはかなり役に立つ。
今まさに進行中の「SNSシフト」で躍進している企業がある。
フェイスブックはもう完全にビジネスの道具と化していると改めて認識した次第。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』の脳特集は先週に続き、外した感がある。
散漫に過ぎるので、何かひとつに焦点を絞って強く打ち出した方が良かっただろう。
「脳を守れ!」「ゲームは悪か?」「認知症に勝つ」等々。

「スマホは脳を壊す」は興味深い記事だが
この件では幾つかの反論があった筈だ。
これ一つだけでも深掘りすると結構ディープな問題である。

『週刊東洋経済』2016年10/8号 (最新科学でわかった! 「脳」入門)


佐藤優氏の連載コラムは相変わらず良かった。
都の幹部が地下空間への変更を知らない筈がない、
小池都知事はこの問題で権力基盤を強化できるとの的確な見通しである。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンド必見、絶妙なタイミングのリゾート特集。

▽ 旬の瀬戸内を初めとするアート観光の記事もあり

『週刊ダイヤモンド』2016年 10/15号 (百花繚乱 ニッポンのリゾート)


▽ メインよりサブ特集「誰がための労働組合」で労組のダメっぷりを確認できそう

『週刊東洋経済 2016年10/15号』 (大学より濃い校風と人脈 高校力)


▽ 官主導再編が時代遅れなのは自明の理、エコノミストはややお休み感あり

『週刊エコノミスト』2016年10月18日号

サウジ・イランの政策分析やエネルギーの市場分析が欲しかった。
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