みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

『週刊エコノミスト』4月28日号 - 日本経済に迫る「スタグフレーション」、高慢なリフレ派の招いた末路

2020-04-23 | 『週刊エコノミスト』より
今週の週刊エコノミストの「首都封鎖」特集は極端なリスクシナリオだった。
先週に「エコノミストは依然として市況に振り回されっ放し」と書いた通りでは。

現実的に予想される推移としては「ダラダラ自粛と経済悪化が続く」だろう。
財界と癒着している自民党政権が首都封鎖を行うとしたら余程追い込まれてからの筈。

メイン特集としては25頁の西濱利廣氏の寄稿が秀逸で、
矢張り先見の明のある少数の論者と同じく、
スタグフレーション(物価高を伴う不況)を予想している。
氏は場を選んでコメントしているようで、「良薬は口に苦し」的な見解は
目立たない状況で語っているような印象である。だから見逃さないのが重要。


マーケット関連としては「どうぶつの森」を取り上げたサブ特集の方が良い。
家庭用ゲーム市場は完全にスマホに圧倒され、任天堂の孤軍奮闘が続いている。
中国では検閲の対象にすらなっていると話題の「どうぶつの森」、
ゲーム関連のエクスポージャーの大きい投資家は見ておきたいところ。



市岡繁男氏の連載は、ゴールドに関するものが非常に興味深い。
これもリスクシナリオだが、もし金本位制に復帰するようなことがあれば
ゴールドは10倍以上に暴騰するとの見解である。

…とは言うものの既にゴールドは急反発しているので早くも「9倍」程度になっている。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

週刊東洋経済はもう完全に不況を想定している特集だが、
V字回復がないという点以外は今ひとつ焦点がボケているような。
インタビュー中心の特集だと個々人の心理を反映して振幅が大きくなり冷静な判断にはノイズとなるものだ。。

『週刊東洋経済』2020年4/25号 (コロナ大恐慌 日本経済はどこまで沈むか)


佐藤優氏の連載は依然として変わらず、
読者より官邸を意識しているのが余りにも露骨に窺える内容だった。
日本政府、有り体に言えば安倍官邸の大失態でコロナ禍が拡大の事実から目を背け、
安倍の人事を賞賛する背後には必ずや隠れた思惑があろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドはマーケット分析としては非常に優秀なのでお薦めしたい!
その点では今週の東洋経済よりも遥かに優れている。

今回のコロナショックでも自らの慧眼を証明した田中泰輔氏は
矢張り円高を想定しておりスタンスは年頭とほぼ変わらない。(素晴らしい!)

さて、メイン特集で一番にお薦めしたいのはREITの記事で、
アイビー総研の関大介氏の執筆だから間違いない。
偶々か当ウェブログと同じ銘柄を取り上げているが、
見方としても当ウェブログとほぼ完全に同じである。

それに対し、不況になると無気味に輝くゴールドの分析はまだまだ。
市岡繁男氏に寄稿を仰いだ方が良いのでは。

『週刊ダイヤモンド』2020年 4/25号 (コロナで激変! 世界経済&投資術)


他に面白い記事としては、経産省による新電力潰しの疑惑だ。
電力自由化がまた一歩進むので、既得権擁護の体質が根深い経産省としては
新電力を叩いておく必要性があった(しかも相当陰険な手段を用いている)のであろう。
彼らは国民や公益を軽んじて既得権勢力を優遇する縁故資本主義の権化である、そう自ら証明しつつあるのだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、但し東洋経済は既得権側や厚労省側に近いバイアスを伝統的に持つので批判的に読みたい。

▽ 明らかに日本よりも成功しているドイツの事例に注目!

『週刊東洋経済 2020年5/2-5/9合併号 (コロナ医療崩壊)


▽ ダイヤモンドは恒例特集だが、今年は里帰りして親世代と顔を合わせて相談できない人も多いのでは。。

『週刊ダイヤモンド』2020年5/2・9合併号 (全部解決! 実家の片づけ・相続・空き家)
ダイヤモンド社


▽ 矢張りエコノミストが最も本格派の内容か。。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする