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『週刊エコノミスト』12月14日号 - バークレイズの高橋祥夫氏「中国とロシアの成長限界が見えた」

2010-12-06 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「2011年 マーケット総予測」でした。
時期的には先走り気味ですが内容はかなり良いです。

P30で第一生命研究所の田中理氏がユーロ圏を分析されています。
アイルランドの政権交代、悪化する一途のスペイン・ポルトガル財政を挙げ、
EU中核国への危機伝播の可能性に言及した鋭い考察です。





『エコノミスト』2010年 12/14号


今回のエントリーのサブタイトルはP32以降、
バークレイズ・キャピタル証券の高橋祥夫ストラテジストの
力の入った素晴らしい論考からの引用です。

生産年齢人口の増える「人口ボーナス期」に入った成長国として
ブラジル・インドネシア・トルコ・ベトナムが挙げられており、
各国で構造改革が進んでいるだけでなく親日的であるのも注目とのこと。

一方で中国とロシアは2010年前後が生産年齢人口のピークで
「次の10年間は中国・ロシアの経済にとって試練の時期」
と高橋氏は予言されています。(激しく同意)

    ◇     ◇     ◇     ◇

P124の「不都合な高齢化社会」も素晴らしい。
大和総研の神田慶司氏が高齢層の消費実態と
介護分野での供給不足問題を取り上げています。
「高齢世帯は現役世帯に比べて貯蓄残高が格段に多いにも
 関わらず、その割には消費額が少ない」

と本質を真っ直ぐに衝いた指摘が素晴らしい。

NIRAによれば高齢層の過剰貯蓄は総額100兆円以上だそうです。

尚、神田氏は介護労働力の確保に様々な提言をされていますが、
この記事に書かれていない「給付付き税額控除」が一番効きますので。

    ◇     ◇     ◇     ◇

他にもP52の神門(ごうど)善久教授の「農業の"応援団"が日本農業を潰す」や
磯崎哲也氏へのインタビューもあり、今週号はかなりお買い得です!

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊東洋経済』は「為替 大図鑑」でした。
レアル等のマイナー通貨も紹介されています。

ただ為替の見通しというものは当たらないのが普通ですので、念の為。
読み易いのは豪ドルくらいでしょう。





『週刊東洋経済』2010年 12/11号


P9で慶應大の土居教授が、赤字国債まで出して補っている
深刻な社会保障財源の問題を論じられています。
「どの税を増税して補うかという点まで明言してこそ責任ある態度」
という堂々の正論です。

ただ頂けないのがその後で、世代間格差に言及しておきながら
消費税で補うべきとの論旨で、かなり失望しました。

資産課税、退職金課税の適正化、公的年金の控除廃止が先であり、
内需に直接ダメージを与える消費税はその後にすべきです。
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