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みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

伊藤隆敏・東大教授の警告 -「日本も欧米と同じペースで金融緩和をしなければ、さらなる円高は必至」

2010-08-26 | 株式・為替マーケット全般

            直近のドル円の推移(infoseek)頭を抑えられている

15年ぶりの円高が進んでいます。

スズキの鈴木会長は「政争より「日本沈没」回避を」と
痛烈な政府批判を始めました。(全くその通りです)

様々な解説がなされていますが、
評論家のいい加減な放言も多いので、
東大の伊藤教授の指摘を紹介します。

端的に言えば、これは短期的には金融政策の問題です。
かつて日本経済を世界最速で立ち直らせた高橋是清のように、
「金融緩和、通貨安への誘導」を実施しないから、ということです。

/br>


『大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清』(松元崇,中央公論新社)<



円高は止められるか?=東京大公共政策大学院副院長・伊藤隆敏(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/biz/kansoku/news/20100826ddm008070128000c.html

”今月の中旬以降、円高と日本株安が進行している。特に日銀が8月10日の金融政
 策決定会合で金融政策の現状維持を決めたのに対し、米連邦公開市場委員会が同日
 (日本時間11日未明)、金融緩和を打ち出したことが、日米長期金利差の縮小と
 円高につながった。
それが日本の株価押し下げに働いたようだ。
 円高による景気悪化を懸念して、政府は追加経済対策を検討、政府・日銀の協調を
 呼びかけている。菅直人首相と白川方明日銀総裁が23日に電話協議を行ったが、
 面談でなかったことで市場は失望し、電話協議の発表後に円高が進み、株価はさら
 に下落した。
 1ドル=83~85円はどれほどの円高か? 昨年12月17日の本欄で、日米の
 インフレ調整後の実質為替レートでみると、85円は極端な円高水準とはいえない
 と書いた。為替介入が大きな効果を持つのは、為替レートが何らかの投機的な動き
 で極端な円安や円高になっている場合である。実質レートで見る限り、たとえ日本
 が単独で為替介入をしても、円安への反転につながるような極端な状況ではない。
 購買力平価によれば、日本のデフレが継続する限り、名目レートは円高になる。
 では、介入以外の円高是正の方法はあるだろうか。金融緩和が正攻法だ。ただし、
 日本は政策金利がゼロに限りなく近いため、金融緩和の手段が非伝統的なものにな
 らざるを得ない。
量的緩和(中長期国債を買って中長期金利を引き下げる)や、期
 待に働きかける政策(デフレ脱却まではゼロ金利を継続と約束)などが候補である。
 欧米の景気が停滞し、さらなる金融緩和が見込まれるなか、日本も欧米と少なくと
 も同じペースで金融緩和をしなければ、さらなる円高は必至だ。


尚、当ウェブログに記録していますが、
アメリカのFRBだけでなく欧州のECBも緩和策を取っています。
為替介入も非伝統的な金融緩和策も行っていない日本は、
事実上の円高容認政策を自ら選択しているのです。

 ↓ 参考まで、当ウェブログのエントリー

野村證券のジェンズ・ノードビッグ氏「ドルが今後数週間上昇する可能性」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/2f0c732bf30194ed035f64cc7967cd03

”米連邦公開市場委員会(FOMC)では景気認識を下方修正し、MBSの償還分を米
 国債に再投資することを決めたが「これ自体は想定の範囲内」(国内金融機関)。し
 かし、円高/ドル安懸念がおさまらないのは「金融政策に打ち止め感がない。景気の
 一段の悪化があれば、さらなる景気テコ入れ策を打つ可能性がある。ドル安トレンド
 に歯止めはかかっていない」(国内金融機関)ためだ。
 今回の決定はFRBのバランスシートの規模維持だったが、市場では、今後は追加的
 な証券の買い入れによってバランスシートの拡大に踏み込む可能性を指摘する声も出
 ている。
 「米景気の異例な不透明な状況が払しょくされるまでには時間を要する。この間、中
 国景気が減速傾向となれば、リスクは円高方向になるだろう」日興コーディアル証券
 ・国際市場分析部・為替ストラテジスト松本圭史氏は指摘し、昨年11月の安値84.
 82円を割り込む可能性があると述べた。



機関投資家が円売りドル買いに転じた?! - 短期筋の円買いを押し戻す
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/21a4c7598f38ecd654ecdef8d0fbc0ff

”欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのウェーバー独連銀総裁は、ECBは銀行
 への無制限の流動性供給を来年に入っても続けるべきと発言。
これを受けてユーロ
 圏の景気見通しに対する警戒感が高まり、ユーロ/ドルは約5週間ぶりの安値をつ
 けた。”

先週の段階で、いずれ円高に向かうのは明らかでした。
ロイター報道を見ていれば明らかです。


政争より「日本沈没」回避を=円高放置の民主を批判―スズキ会長
http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Deco_30%26k%3D2010082600656

「政争は日本沈没を避ける改革策を立ててからにしてほしい」。スズキの鈴木修会長
 兼社長は26日、日本経済をけん引する輸出企業が円高で苦しむのを横目に、民主党
 が小沢一郎前幹事長の党代表選出馬表明で浮き足立っている状況を批判した。東京都
 内で開いた新型車の発表会見で述べた。
 円相場は15年ぶりに1ドル=83円台を付けた後も高止まりが続いている。鈴木会
 長は「当社の連結営業利益は1円の円高で年間約40億円目減りする」と説明。金融
 危機後にコスト削減策を尽くした後の円高だけに「15年前と異なり、もう一段のコ
 スト圧縮とはいかない。自助努力の限界を超えている」と強調した。
 その上で、政界の現状について「(民主党代表選といった)目先の重要案件もいろい
 ろあるようだが、日本が沈没したらそれもなくなる」と皮肉った。”

鈴木会長の怒りは尤もです。

日本では円高は輸入品の購買力を高めますが
賃金水準の高い輸出産業を苦しめ雇用を悪化させるので
全体で言うと明らかにマイナスとなります。

これから生じる景況悪化によって、
いい加減な円高歓迎論者の嘘が暴かれるでしょう。
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日本の運用会社の利益率は欧米の3分の2、基本給水準は米の1.5倍-商品差別化・インセンティブに課題

2010-07-01 | 株式・為替マーケット全般
NRIの素晴らしいリポートです。

商品ラインナップやパフォーマンスを見ていて
多分そうだろうなと推測はしていましたが、
本当に日本国内の運用会社の多くは存在意義が疑われます。

国内運用会社の利益率が欧米比で低い割に基本給は高いとのこと。
そのような状況下でリスク取りに行くFMは馬鹿です。
毒にも薬にもならないサラリーマン運用になるのも当然でしょう。

運用額の大きい投資家の皆さんは、
自分で個別株式や最近とみに充実しているETFなどに投資し、
「プロ」に任せるのが本当に賢いのかを熟考すべきだと思います。


▽ 下手なプロの話を聞くより、こちらを読んだ方が賢い





『外国人投資家』(菊地正俊,洋泉社)



国内運用会社の利益率は欧米の3分の2=リポート(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201005170075.html

”「日本の資産運用会社の利益率は、欧米運用会社の3分の2」──。野村総合研究所
 (NRI)が米コンサルティング会社と共同でまとめたリポートでこんな結果が明ら
 かになった。
 公募投信ビジネスのコスト負担が大きく非効率なことが要因で、国内運用会社が競争
 力を強化するためには、投信の集約、国内資産に集中するホームカントリーバイアス
 の修正、インセンティブが働く報酬体系の導入が必要と提言している。
 NRIが米Casey Quirkと共同でまとめたリポートによると、国内運用会社の営業利
 益率(08年度)は時価総額加重ベースで20%で、米国の31%、欧州の40%と
 比べ3分の2の水準にとどまった。公募投信ビジネスにおいて、サブアドバイザーへ
 の手数料や販売コストの負担が大きいため
で、「日本の投信の8割はファンドの運営
 費用を賄うだけの収入を獲得していない」という。
 また、国内の運用会社は国内資産の運用に傾注し、外国資産については海外の運用会
 社をサブアドバイザーとして活用するケースが多いため、公募投信収入の45%がサ
 ブアドバイザリーの運用会社に支払われている
。このため「国内顧客のポートフォリ
 オで拡大が見込まれる部分を自社の成長につなげられないほか、海外顧客からの新規
 資金も獲得できていない」という。
 さらに、日本の運用会社は報酬の75%が給与(基本報酬)で米国の50%を大きく
 上回っており、機動的に報酬費用を削減することができないほか、従業員向けのイン
 センティブスキームが欠けている。
   <3つの提言>
 同リポートは国内運用会社が競争力を強化するための施策として3点を挙げている。
 第1点は商品開発プロセスを厳格化し、採算が取れるファンドの販売に注力すること。
 「競合他社の商品の模倣や、販売会社が回転売買させている一過性の強い商品に無駄
 な時間を費やすべきではない」
と指摘する。
 第2点としては、薄利で規模が縮小傾向の日本株・債券運用市場で顧客を奪い合うの
 ではなく、世界の投資家を引きつけるようなアジア地域の株式運用商品を開発し、収
 益性の高い市場への足場を固めることを提言している。
 第3点はインセンティブ制度の改善。グローバルな運用会社を見習い、業績連動型の
 長期報酬制度や従業員持ち株制度に似た株式報酬スキームを構築することで有能な人
 材確保が可能になると指摘している。”

インセンティブは制度があればよいというものではありませんが
現状に問題があるのは明らかです。

最近マーケティングと商品投入タイミングで
絶妙なのは、国内では何と言っても野村だと思いますが、
(凡庸な金融評論家たちは見事に後手に回っていた)
運用ビジネスで成功を収めることが必ずしも
顧客たる投資家の成功を意味しないのも、また紛れもない事実。
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「米調査会社が中国経済指数を下方修正」情報元はどこ??

2010-06-29 | 株式・為替マーケット全般
ひどい日になったものです。
日本時間からユーロ円・ドル円・クロス円が総崩れ。
世界経済の回復は間違いなく遅れるでしょう。

ところで今調べている最中の情報があります。

ロイターが以下のようなタイトルを流しているのですが、

「米調査会社が中国経済指数を下方修正」

確かにありそうな話だと思うものの、
出典と詳細な内容が分かりません。
どこを見ればいいのでしょうか?
記事が途中で途切れているような感じもあります。


ユーロ107.80円まで下落、米調査会社が中国経済指数を下方修正(reuters)
http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnTK042328820100629

”英ポンド高/ドル安水準を更新した。ユーロは対スイスフランは一段安で1.33
 スイスフラン前半とユーロ導入来安値を更新している。
 <12:05>ドル89.10円付近で下げ渋り、ユーロ/円がストップロスつけ終わる
 ドル/円は89.10円付近で下げ渋り。一時は、海外安値の89.06円に顔合わ
 せした。ユーロ/円が109円半ばにあったストップロスをつけて下げ足を速めたこ
 とで、ドル/円にも円買いが波及した。ユーロ/円は109.28円まで下げたあと
 は109.40円付近まで戻して推移している。ドル/円も売り一巡後は下げ渋って
 いる。市場では「ドル/円の89.00円近辺には買い注文が多く、下値を攻めきれ
 ない」(国内金融機関)との声が上がっている。
 ただ「89円割れにはストップロスがある。米金利の低下をみれば売りで攻めたい気
 持ちはある」(国内金融機関)という。米10年債利回り気配は3.01%付近まで
 下げている。
  <11:41>ユーロ109.28円まで下落、上海総合指数.SSECが軟調
 ユーロ/円は109.28円まで下落。24日につけた109.53円を割り込み、3
 週間ぶり安値を更新した。豪ドル/円も77円前半に下落している。上海総合指数や
 ハンセン指数が軟調で、センチメントがじわりとリスク回避に傾いてきた。つれて、
 ドル/円も89.07円まで下落した。
 〔中略〕
 <07:47>今日の予想レンジはドル89.00-89.80円付近、米10年債利回りに関心
 ドルは89.35円付近。きょうのドル/円の予想レンジは89.00―89.80円
 付近。海外市場では、米10年債利回りが3.03%に低下し2009年4月末以来
 の水準をつけたことを受けて、ドル/円は一時5月21日以来の安値となる89.06
 円まで売られた。その後、米国株が下げ渋ったことで買い戻しが入ったが、今日アジ
 ア時間もドル/円は上値の重い展開が予想されており、アジア時間の米債動向が注目
 されている。また、上半期末となる6月末をにらんだフローを警戒する声も多い。”

朝の予想数字を見ると、
これほどの事態急変を予想した人は少ないのが分かります。

私はドル円が89円割り込んだ時点で
すぐさま為替ポジション中立にしました。安全第一です。
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マネックス証券の村上尚己氏「人民元は対ドルで上昇しても限定的」「いずれ中国や米国の利上げも視界に」

2010-06-21 | 株式・為替マーケット全般
今回の人民元柔軟化への市場の反応には驚いた。
株式や資源国通貨は底打ちと見て良いだろう。
(ユーロはまだ分からない)

個人的な注目点は、反応の鈍い商品を後目に原油先物が急騰したこと、
和製資源メジャーこと総合商社が中国株ばりの急騰を見せたこと。

 三菱商事 2,033円 △126(+6.61%)

 丸紅   517円 △22(+4.44%)

これで商社はゆっくり上昇に転じると思います。
東証では建機も急騰しているが、半導体関連が弱い。


円急騰回避で株買い安心感、人民元柔軟化は波乱にならず(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201006210065.html

”中国人民元の柔軟化策で注目された週明けの金融市場は、高金利通貨買い/株買いの
 典型的なリスク志向パターンになった。
 対ドルで元の実質的な切り上げが予想されたが、この日の実際の基準値が前週末と変
 わらなかったことで、元の上昇は極めて緩やかになる、との見方が広がりつつある。
 中国の為替政策による市場の混乱はとりあえず回避された、と受け止められている。
  <人民元めぐり思惑交錯、豪ドルやユーロに買い興味>
 中国人民元の柔軟化策を受けた外為市場では、早朝から主要通貨が乱高下。ドル/円
 は上下1円、ユーロ/ドルも120ポイントの上下動を経て、正午にかけてドルと円
 が下落する展開となった。
 午前の取引でドルと円が売られる一方で豪ドルが1カ月ぶり高値圏へ上昇するなど、
 投資家のリスク選好姿勢が強まる際の典型的な値動きとなった主因は、アジア時間か
 ら米株先物やアジア株が上昇したことだ。
中国人民元を切り上げた際の影響は「多様
 なシナリオを考えることができるが、きょうは株高に反応して豪ドルやユーロに買い
 興味を示す向きが多かった」(外銀)という。中国はこの日の人民元の基準値を据え
 置いたが、きょうの段階で市場は「金融危機で見送っていた人民元の変動を再開する
 ことは、中国が景気回復に自信を持ったことも意味する」(別の外銀)との評価にい
 ったん傾いた形だ。
 三菱東京UFJ銀行の市場営業部シニアアナリスト、内田稔氏は早朝のドル安は元高
 /ドル安見込みに沿ったシンプルな反応だったとしたうえで、中長期的なシナリオは
 数多く描けると指摘。「需給悪化懸念で米長期金利に上昇圧力がかかればドルを支え
 る手掛かりにもなり得るし、元高ペースが速くて中国の輸出落ちればアジア各国の経
 常黒字が減少、アジア通貨安/ドル高にもなり得る。(中国が元を)どの程度のペー
 スで切り上げるか、それで経常黒字や米中間の不均衡がどの程度是正されるかがカギ

 と話している。
 一方、人民元の基準値の据え置きと米政府の反応について、バンク・オブ・アメリカ
 ・メリルリンチの副支店長兼外国為替本部長、ジョセフ・クラフト氏は「柔軟性を持
 たせるシステムが導入された以上、ホワイトハウスも元上昇に向かう環境が整ったと
 評価するスタンスを取るしかない。ここで外交問題にして貿易戦争に打って出ても何
 の得もない。輸出寄与度の高い州の議員が問題を取り上げる可能性はあるが、現在の
 米国の政治問題は中国ではなく、メキシコ湾の石油流出問題にある」として、米政府
 は容認スタンスにならざるを得ないとの見方を示している。
  <円急騰回避で株買い安心感>
 株式市場では日経平均が反発。中国人民元の柔軟化策を受けて円相場が急上昇すると
 の懸念がとりあえず後退、買い安心感が広がった。中国の上海総合株価指数や香港の
 ハンセン指数が上昇して始まったことも好感された。
 「人民元柔軟化はある程度予想されていた。為替が円高に振れなかったため、ショー
 トカバーが先行したようだ。海外勢のフローが引き続き少なく、売買高は低調だ。株
 主総会ラッシュで売りが出にくい需給環境が株高を支えている面もある」(コスモ証
 券本店法人営業部次長の中島肇氏)との声が出ている。
 人民元の対ドル基準値が据え置かれたことに関して、マネックス証券チーフ・エコノ
 ミストの村上尚己氏は「人民元は対ドルで上昇しても限定的だろう。大幅な変動は人
 民銀行が否定しているし、通貨バスケットにはユーロも相当量含まれるとみられるか
 らだ」という。村上氏は「中国が多少なりとも人民元を切り上げることができるのは
 経済が安定しているためで、それは世界経済の安定にもつながる。いずれ中国の利上
 げや、米国の利上げも視界に入ってくる。日本の利上げは一番最後になる見通しであ
 り、金利差予想から円安が進む可能性が大きい。そうなれば日本株にとってはプラス
 の影響が出る」
との見方を示している。
 市場では人民元柔軟化で「台湾ドルや韓国ウォンなどのアジア通貨に対して円安にな
 れば日本株には好材料だ」(大手証券)との指摘もある。
 〔中略〕
 市場には「政治的なポーズの面が大きく、実際の切り上げピッチは穏やかというのが
 市場のコンセンサス」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の長谷川治美シニア債
 券ストラテジスト)との指摘もあり、模様眺めムードも強かった。”

今回の件で質の良い解説を探してみました。
いつものことながらロイターは便利です。

注目箇所は太字にしておきましたので
参考まで。


▽ アジア経済の成長は日本企業の収益に直結します。





『世界不況を生き抜く新・企業戦略』(門倉貴史,朝日新聞出版)

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5月の投資信託への資金流入、2007年以来の最高水準に-中国元・ルピア・ルーブルなど選択通貨も拡大

2010-06-03 | 株式・為替マーケット全般
日本の個人投資家もかなり賢くなってきたようです。
ギリシャ債務危機とユーロ急落で大乱の5月でしたが
円高を利用して国内投資家が割安で資産を買っています。

特に海外債券型の投信へは2400億円もの流入。
為替リスクを取りに行く積極果敢さが目を引きます。

ただ気になるのは通貨選択型の急増。
インドネシアのルピアやロシアのルーブルなど、
為替変動の大きい通貨も増えています。

海外通貨建てはその国の政府と経済を信頼するということでもあり、
知らない国の通貨を安易に買うと強烈なしっぺ返しを受けます。

経済成長を続ける中国の通貨である元建ては
面白いアイディアだと思いますが、過剰なリスクテイクは禁物です。

ハイリターンはハイリスクと表裏一体だという
金融の基本を忘れてはなりません。
高金利だけに釣られるのはとんでもない間抜けです。


目立つ投信へのマネー流入、07年9月以来の高水準(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201006030106.html

”投資信託へのマネー流入が目立ってきた。5月の純流入額が8530億円と2007
 年9月の金融商品取引法施行(2007年9月)以来、最高を記録。

 資産分類別に流入先をみても、この1年間で流入超は1カ月だけと不振だった国内株
 式をはじめ海外株式、海外債券、国内債券など全分類で流入超に転じた。「幅広いフ
 ァンドに資金が流入している。先月までとは少し様相が違ってきている」(野村総合
 研究所、金融市場研究部の金子久・上級研究員)と投信マーケットの“変化”に注目
 する声が広がっている。
  <5月の投信への純流入額は約8530億円、07年9月以降で最高>
 野村総合研究所によると、5月の追加型株式投信への資金の純流入額(含むETF)
 は、4月の3193億円から2倍超に急増した。カテゴリー別にみると、「海外債券」
 の約2407億円を筆頭に、REITファンドやバランスファンドの「海外ハイブリ
 ッド」に約942億円、「海外株式」に約878億円、「国内株式」にも約514億
 円が純流入。すべての資産分類で資金が純流入した。全資産分類でプラスになるのは
 07年11月以来
。 
  <5月の収益率、国内債券を除き全てマイナス>
 大量の資金が投信に流入する一方で、5月の収益率(課税前分配金再投資ベース)は、
 「国内債券」を除き、すべてマイナスになった。最も資金が流入した「海外債券」は
 マイナス7.3%。次いで資金が流入した「海外ハイブリッド」もマイナス8.9%だ
 った。最も収益率が悪かったのは「海外株式」でマイナス11.5%。追加型株式投
 信全体の収益率はマイナス8.8%だった。
 業界関係者からは「個人投資家のリスク許容度が高まってきている上に、株安・円高
 で基準価額が下落したこともあり、リターンリバーサル的な投資目的で資金が入って
 きている」(大手投信)との指摘や、依然として高分配投信が人気のため「分配実績
 の高い投信の基準価額が下がれば買いが入るし、分配金利回りを投資尺度の1つとし
 ている投資家が、基準価額の下がったところで買いを入れてくる」(大手証券)とい
 った声が出ていた。
 5月は法人需要も強かった。「新年度の運用方針が決定した時期に加えて円高だった
 こともあり、法人の買いが通常の5割増と多かった」(大和証券)という。一部には
 株安・円高に乗じた逆張り的資金流入で、一時的なのではとの見方もあるが、これに
 ついては大方の運用会社および証券会社が足元で「戻ってきた感がある」との印象を
 持っている。新規に設定する投信だけでなく、既設定の投信への資金流入が従来より
 太くなってきているためだ

 ただ「基準価額にマイナスの投資環境が続けば、来月から分配金の引き下げを検討す
 る投信も出てくる。その場合、投資家がどの程度まで資金を投入してくるかだ」(国
 内投信)、「リターンリバーサル的投資がいつまで続くか。いずれにしても早期に投
 資環境が改善されることを祈るばかりだ」(別の国内投信)と指摘する声もあった。
  <5月の新規設定額は約2039億円>
 トムソン・ロイター傘下の投信情報サービス会社リッパーによると、5月の新規投信
 の設定額は約2039億円。前月の4500億円を超える新規設定に比べれば、約2
 000億円の設定水準は低いものの、業界関係者の間では「ギリシャ危機から始まり、
 世界的に投資環境が思わしくない中での2000億円を超える新規設定は、悪い方で
 はない」(国内投信)との見方もある。
 設定額トップは「野村グローバル自動車株1005」で約915億円。次いで「野村
 高金利国際機関債投信(毎月分配型)<愛称:グローバルアシスト>」の約265億
 円、3位は「ツインアクセル(ブラジル国債&ベトナム株式)<2017─01>」
 の約262億円だった。
  <200億円以上の純流入の投信、20本超に>
 5月は200億円超のファンドが21本──。個別の投信への資金流入状況をみた場
 合、ネットの流入額が200億円以上になる投信が20本以上/月になるのは07年
 7月以来。同8月以降は減少傾向をたどり、08年はゼロの月もあるなど殆どがひと
 ケタ本数/月。09年後半からは徐々に増え始め10年に入り10本台前半が定着し
 ていた。4月は13本だった。
 5月の純流入ランキングでトップは「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替
 ヘッジなし)」の約985億円、2位は「野村グローバル・ハイ・イールド債券投信
 (バスケット通貨選択型/資源国通貨コース)毎月分配型」で約912億円、3位は
 「短期豪ドル債オープン(毎月分配型)」の約546億円──。一方、純流出額トッ
 プは「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の約633億円。次いで、
 「野村北米REIT投信(ブラジルレアルコース)毎月分配型」の約196億円、3
 位は「ダイワ・グローバル債券ファンド(毎月分配型)」約144億円──だった。”

 → 野村の北米REIT投信からハイ・イールド債投信への
   スイッチングが増えているようだ。
   (損益がマイナスになっていないのだろうか?)
   いずれにせよ資源国通貨に人気が集中する構図が続く。


国内投信の投資対象が多様化、通貨選択型には新通貨も(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201005250098.html

”個人投資家の高分配志向や高成長期待を背景に、国内投信の投資先が多様化している。
 投資対象地域が新興諸国の中でも広がりをみせているほか、通貨選択型には新たな通
 貨が登場。既存のファンドに新たな通貨コースを追加する動きも出ている。 
  <新たな投資先にインドネシアやベトナム、南アフリカ>  
 5月に設定予定の投信には、新たな新興諸国の名前が並んでいる。大和証券投資信託
 委託は27日に「インドネシア株ファンド」を、キャピタル アセットマネジメント
 は28日に「フィリピン株ファンド」を設定する。6月には野村アセットマネジメン
 トが「南アフリカ資源関連株投信」を、SBIアセットマネジメントが「SBIグレ
 ーターチャイナCBファンド」を設定予定。「グレーターチャイナCBファンド」は
 中国本土・香港・マカオ・台湾およびその他のアジア諸国の転換社債(CB)が投資
 対象だ。 
 また大和投信はきょう、ブラジル国債6割と残り4割をベトナム株式あるいはインド
 ネシア株式に投資するファンド「ツインアクセル」2本を設定した。ベトナム株式が
 組み入れられたファンドは募集金額270億円に対してほぼ満額の約262億円が集
 まったほか、インドネシア株式も約240億円を集めた。
 一方、既存ファンドでも投資先は拡がりを見せている。新光投信の「りそなプレミア
 ム・インカム2008─12」や「プレミアム・インカム実績分配ファンド」は3月
 中旬から、さらなる通貨分散を目指し、新たにインドネシアルピアへの投資を開始し
 ている。 
 新興国投資では、先駆けである「BRICs」(ブラジル、ロシア、インド、中国)
 に次いで、「VISTA」(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼ
 ンチン)や「MENA」(中東・北アフリカ)など、いくつかの造語ができたが、最
 近では新版BRICsとして、コロンビア、インドネシア、ベトナム、エジプト、ト
 ルコ、南アフリカの6カ国を指す「CIVETS」や、中国、インド、インドネシア
 を組み合わせた「チャインドネシア」などが登場。投資先はじわじわと拡大中だ。
 足元ではソシエテジェネラルアセットマネジメントが約490億円を集めて3月に設
 定した「アムンディ・チャインドネシア株投信」の純資産残高は約730億円(基準
 価額9024円、24日時点)にまで拡大している。 
  <通貨選択型で追加される人気通貨は、中国元やインドネシアルピア> 
 高い分配実績が投資家の心をつかんで離さない通貨選択型ファンドは、09年に登場
 して以来1年半も経たずに残高が4兆円を突破した(4月末時点)。この通貨選択型
 ファンドでは、新たに中国元やインドネシアルピアなどを追加するファンドが増えて
 いる。
「昨年秋ごろから中国元建てで投資できるものはないか、といった問い合わせ
 が増えてきた」(大手証券)といった声もあり、中国元の切り上げ期待に着目する投
 資家ニーズが背景にあるほか、インドネシアは豊富な人口や消費拡大に伴う経済成長
 などが注目されている。 
 三菱UFJ投信は今月6日、09年4月に設定した「三菱UFJ新興国債券ファンド
 通貨選択シリーズ」(計8本、含マネープール)に、新たに「中国元コース」と「イ
 ンドネシアルピアコース」を追加した。2通貨を追加することで、同シリーズが取り
 扱うのは円、米ドル、ユーロ、豪ドル、ブラジルレアル、南アフリカランド、トルコ
 リラ、中国元、インドネシアルピア──の9通貨となった。
 国際投信投資顧問も3月下旬、昨年9月に設定した「新興国公社債オープン(通貨選
 択型)」(計6本、同)に「中国元コース(毎月決算型)」を追加。円、米ドル、豪
 ドル、南アフリカ・ランド、ブラジル・レアル──に中国元が加わり6通貨が用意さ
 れた。他にもドイチェ・アセット・マネジメントは3月、昨年12月に設定した「ド
 イチェ・グローバルREIT投信(通貨選択型)」(計11本)に中国元とロシアル
 ーブルを投入。ひとつの通貨選択型ファンドで扱われる通貨数は着実に増加傾向にあ
 る。〔以下略〕”

 → マイナー通貨は投信のコストをかさ上げするので、
   ほどほどにした方が良いと思うのですが。

   そんなに分配金が欲しいのなら、
   FXで資源国通貨を低レバレッジで放置しておけばいいのに。
   どうして小銭に釣られ運用会社に高い手数料を払うのか。。

   日本の総合商社も世界経済にベッドしている訳だから、
   丸紅や三菱商事あたりを個別株で持つのも遥かに賢い。

▽ 賢く先を見通している日本企業も多い。





『世界不況を生き抜く新・企業戦略』(門倉貴史,朝日新聞出版)


毎月分配金出る投信が人気=「孫におすそ分け楽しみ」と熟年層-ハイリスクにご注意(時事通信)
http://401k.jiji.com/401k/t-news/back_t-news/100506-3.html

”一定額の運用益が月に1回支払われる分配型投資信託の購入が増えている。投信を
 販売している銀行や証券会社の窓口担当者によると、「孫へのおすそ分けも楽しみ」
 というシルバー世代の顧客が目立つという。ただ、毎月高額の分配金を受け取れる
 ほどの高いリターンは、高いリスクと背中合わせで、注意も必要だ

 いつでも買えるタイプの公募株式投信に占める毎月分配型の割合は拡大傾向をたど
 り、2010年3月末は65%と、リーマン・ショック前に比べて10ポイント以
 上増えた。代表的なファンドは、先進国の国債を中心に運用する「グローバル・ソ
 ブリン・オープン」(グロソブ)だが、最近は、「通貨選択型」と呼ばれる投信の
 急増が目立つ。
 通貨選択型は、金利の高い新興国債券などが投資対象。さらに、ブラジル・レアル
 など相対的に強い通貨に投資するため、円に替えた際の差益も得られるのが魅力。
 通貨選択型投信の中には、100万円を投資した場合、毎月1万3000円程度の
 分配金を受け取れる例すらある。
 孫に小遣いを渡す余裕を持ちたい熟年層の心情はほのぼのとしているが、実は分配
 型へのシフトには別の要因もある。リーマン・ショックで運用資産が突如目減りし
 た苦い経験から、利益を早め早めに確定したいという動機も強いという。”

この記事を見ると、数年後に犠牲者が増えるのが
ほぼ確実に予想できるのではないでしょうか。

よく知らないマイナー通貨は選択すべきでないし、
メジャーな資源国通貨でも世界経済が過熱し過ぎたら
何が何でも売却すべきであることを忘れてはなりません。

目先のことしか見えていない投資家も
かなり日本国内にいると思われます。
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