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みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

日本のホームカントリーバイアスは修正へ、国内BRICs投信は4兆円に迫る - 但しGPIFのみ守旧派

2010-04-07 | 株式・為替マーケット全般
昨年10月末に3兆円規模であった国内のBRICs株投信残高が
あっと言う間に4兆円に迫っているようです。

国内投資家のキャピタルフライトはひたひたと進行中、
年金基金も日本株から新興国株へとシフトする動きがある模様。

ホームカントリーバイアスの修正に向かって動いているのは
個人投資家も機関投資家も同じであるようです。

唯一の例外は案の定、GPIFだけのようです。
馬鹿みたいなリスクテイクは不要ですが
ノルウェーやカナダの運用体制を研究して
リターンを0.1ポイントでも上げようという考えはないのでしょうか。

もし想定外の資源高が起きれば資産が減価してしまうのですが。。


3月末国内投資家保有のBRICs株投信残高が4兆円目前(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201004060084.html

”国内投資家が保有するBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)株関連ファン
 ド(国内籍)全体の3月末純資産残高は前月比13.0%増の3兆9565億130
 0万円となった。
 3月はBRICs諸国の株式市場はいずれも上昇したほか、円安も進行。株価と為替
 面のサポートを受け、残高はいずれも堅調に推移した。ただ資金流入面でみると、新
 規の大型設定のあったBRICs株ファンド・カテゴリー以外は、資金流入を牽引す
 るファンドは見当たらず、むしろ価額上昇で解約が膨らむ傾向もみられた。販売会社
 によると、分配型や比較的に短期間でキャピタルゲインを狙えるテーマ型を選好する
 投資家の間では、分配型ではないロシア・東欧株ファンドや以前から保有している中
 国株ファンドなどに対し、保有を見直す動きも出ている。
 3月の資金フローは約505億円の流入超(2月は約1827億円の流入超)となり、
 全体では潤沢な資金流入のようにもみえるが、流入超になったカテゴリーはBRIC
 s株(純流入額は約644億円)と中国株(同約22億円)のみとなった。

 同残高は、トムソン・ロイター傘下の投信情報サービス会社リッパーが集計したBR
 ICs各国の株式に投資するファンド残高と、BRICs2カ国以上の株式に投資す
 るファンド残高をロイターが合算したもの。”

 → 個人投資家の動きを捉えた調査です。
   個人的にはBRICsの中でも
   どの分野に資金が流入しているのかを知りたい。
   野村の外貨建てREIT投信はどうなったのでしょう。


焦点:国内年金基金が日本株離れ、新興国株に一部シフト(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201003290014.html

”企業年金や厚生年金など国内の年金基金が日本株の投資配分を減らしている。
 2008年の金融危機以降に強まったリスク回避姿勢が継続しているほか、新会計基
 準をにらんだダウンサイドリスク抑制策の一環で、株式自体の配分を圧縮するととも
 に、分散効果を高めるために国内株比率を下げ、新興国株に一部シフトする動きが広
 がりつつある。日本企業を母体とする年金の日本株離れがさらに進めば、株式市場に
 とって需給面や心理面でマイナス材料になりそうだ。
  <日本株への執着薄れる> 
 国内年金基金は昨年、金融危機に伴う世界株安で08年度の運用利回りが過去最悪の
 マイナス水準に落ち込んだため、変動が激しい株式の配分を減らし、運用の安定化に
 動いた。年金コンサルタントによると、この流れは継続しており、複数の基金が先月
 開催した代議員会で、新年度以降も株から債券への切り替えを続けるとともに、国内
 株を減らし外株を増やす「ホームカントリーバイアス(自国偏重)の修正」方針を決
 めた

 タワーズワトソンのコンサルタント、窪誠一郎氏によると、約110の同社年金顧客
 の資産構成をみると、株式比率は07年末の43%から09年末の36%に低下した
 一方で、債券は45%から53%に上昇した。今年の代議員会の決定は4月か6月に
 反映される見込みで、株式比率は今後も低下傾向を続ける公算が大きいという。
 一般的な年金資産の株式内訳は国内6割、海外4割。「先進的な基金でも5対5だっ
 たが、この1年で見直しが進み、世界の時価総額比率に近い2対8まで修正しようと
 いう基金も出てきた」(窪氏)。日本の株式時価総額は世界の約1割に過ぎないため、
 6割は高過ぎるとの議論は以前からあったが、最近は「内外株を区別せず、世界株を
 ひとくくりにして運用するところも出てきた」(ラッセル・インベストメントの喜多
 幸之助エグゼクティブ・コンサルタント)。今までのように運用指標を日本株はTO
 PIX、海外株はMSCIコクサイと分けずに、日本と他の先進国で構成するMSC
 Iワールドなどに一本化することを意味する。
 これらの動きを後押ししているのは長期低迷する日本株への失望感。「日本株には固
 執せず、リターンを取れる所に行くしかないとのムードが広がった」(窪氏)とも言
 える。「リターンを取れる所」として投資意欲が高まっているのが新興国株。新興国
 株に特化する指標であるMSCIEM連動型ファンドの導入も増えているという。
 JPモルガン・アセット・マネジメントの投資戦略ソリューション室長、鈴木英典氏
 は「日本経済への不安感が高まる一方で、リーマンショック後の回復具合から新興国
 経済の地盤は強いとの認識が広がり、新興国株への関心が去年後半から急速に高まっ
 た」
と分析する。
  <年金会計制度の変更も株式圧縮要因>
 年金基金が株式圧縮を進めているのは新会計基準の影響も大きい。年金資産の積み立
 て不足を母体企業の貸借対照表に負債として即時反映させる会計ルールが2012年
 3月期に導入される予定で「不足額によっては母体企業が債務超過に陥る可能性もあ
 り、基金にとって運用のダウンサイドリスクをいかにコントロールするかが最大の関
 心事」(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの吉岡俊光・年金営業
 部長)になっている。特に「規模が大きい基金ほど(株式比率の)手直しに動いてい
 る」(マーサー・ジャパンの古宇田義規取締役)との見方が優勢だ。
 厚生年金と確定給付企業年金の資産残高は合計約50兆円と巨大。このため、速度が
 遅いとしても、日本株離れが進むことは株式相場にとってマイナス材料だ。ただ海外
 の年金基金も「ホームカントリーバイアスの修正に動いており、国内基金の日本株売
 りを一部相殺する可能性もある」(業界関係者)と見る向きもある。
 格付投資情報センター(R&I)によると、09年度は4月からの11カ月間で運用
 利回りがプラス9%となっており、年度としては3期ぶりにプラス運用に転じる見込
 み。とは言え、07、08年度のマイナス幅が大きく、積み立て不足は解消されない。
 リスク資産を減らすことは収益率低下も意味するだけに「積み立て不足をどう解消す
 るかが今後の課題」(ステート・ストリート吉岡氏)となりそうだ。”

 → 当然の動きでしょうね。
   個人的には投資スキルの高い人は
   401kの方が良いと思いますが。


インタビュー:GPIFの株式投資、著しい自国偏重はない=理事長(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201003310106.html

”年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の川瀬隆弘理事長は31日、ロイター
 とのインタビューで、現行ポートフォリオにおける株式投資について、海外の公的年
 金と比べ、自国偏重度合いは低いとの認識を示した。
 国内企業年金の間では分散効果の改善に向け、国内株を減らし、海外株を増やす「ホ
 ームカントリーバイアス(自国偏重)の修正」が徐々に広がりつつあるが、世界最大
 の公的年金はこの動きに追随しない見込み。

 GPIFは資産規模が120兆円を超える巨大な運用機関で、基本ポートフォリオに
 おける株式比率は20%。その内、国内株が55%、海外株が45%を占める。日本
 の株式時価総額が世界の約1割に過ぎないことを考慮すれば、年金の国内株比率55
 %は高すぎるとの見方もある。
 現在、企業年金の内外株比率は一般的に国内6割、海外4割と国内株が外株を上回っ
 ているが、自国偏重を徐々に修正する動きが出ている。
 川瀬理事長は、「海外の年金基金も株式投資を開始した際に国内株からスタートした
 経緯があるため、自国の株式比率が高い。英国など他国に比べ、(GPIFの株式投
 資に)著しいホームカントリーバイアスはない」との見方を示した。業界関係者によ
 ると、フランスや英国などの公的年金は株式資産に占める国内株比率が5─6割で、
 各国の株式時価総額が世界に占める割合を大きく上回っている。ただし、今月開催の
 「GPIFの運営のあり方に関する検討会」で野村資本市場研究所が提供した資料に
 よると、カナダやスウェーデンなどは海外株比率は国内株比率の2倍以上で、運用手
 法は国により多様化している。

  <新興国株投資について研究中>
 外資系投資顧問によると、企業年金などでホームカントリーバイアスの修正が続いて
 いるのは「日本経済に対する不安感が高まっていることが最大の理由だが、新興国の
 成長を取り組んで行きたいという意向から新興国に対する関心が昨年後半から急速に
 高まった影響も大きい」。例えば、中国、ブラジル、インドを含む22カ国の新興国
 株で構成するMSCIエマージング・マーケッツ(EM)など、新興国特化型の指標
 に連動するファンドの導入なども増えつつあるという。
 GPIFの川瀬理事長は、外国株に占める新興国株の比率を増やし「成長リターンを
 狙って行くという考え方は一理ある」としながらも、「中国やブラジルなど高成長中
 の新興国の恩恵を日米企業なども十分受けており
、(GPIFの既存の運用が)新興
 国の成長を見逃しているとは言えない」と語った。また「新興国株投資は、カントリ
 ーリスク、為替リスク、財務指標の信憑性リスクなども考慮する必要があり、(投資
 を増やすべきかどうかについては)見方が分かれる」と述べた。
 さらに、日本の高度成長期のように、高成長を続ける新興国では成長が減速した場合
 は不況色が広がり、企業収益も落ち込むため、「GDPの成長率が高い国の企業に投
 資することが必ずしもいいわけではない」との見方を示した。ただGPIFとしては
 新興国株投資について「いろいろな研究をしている」と付け加えた。
 川瀬理事長は31日付けで任期を終えるため、新年度以降の運用方針について具体的
 なコメントは控えた。ただ、2010年度以降の年金給付に必要な流動性確保は重要
 な課題とみており、資産の管理ベンチマークとして採用中のTOPIX(国内株)、
 NOMURA─BPI総合(国内債券)について、「現金化する場合のコストや市場
 へのインパクトなどの観点から、国内株はTOPIXだけでいいのか、国内債券はN
 OMURA─BPIだけでいいのか、ということは引き続き研究課題になるだろう」
 と述べた。
 GPIFは先月、2010─2014年度の中期計画案の中で、上限2兆円の短期借
 入金の活用制度を盛り込む方針を示した。これも年金給付に必要な流動性確保のため
 「市場の価格形成に配慮しつつ、円滑に資産売却を行い、不足なく確実に資金を確保
 するための機能強化」(GPIFの玉木伸介審議役)で、有力な金融機関などを通じ
 た調達を想定しているという。”

一度書きましたが、お役人さんらしいという印象です。
ミスはしないでしょうが大きな成果もないでしょう。

そもそも現代ポートフォリオ理論から見て
GPIFは明らかに安定志向が強過ぎです。

日本企業が新興国市場の成長によって恩恵を受けるのなら、
グローバル企業への投資配分を増やすのが当然です。



尚、BRICs研究所の門倉貴史氏は、
2015年前後に中国の経済成長率が鈍化し
インドの成長率がアウトパフォームするのでは予測されており、
私も全く同意見です。





『週刊ダイヤモンド』2010年 3/27号

根拠は勿論、人口動態です。
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Newly declining country からキャピタルフライト-日本のBRICs投信3兆円超

2009-11-18 | 株式・為替マーケット全般
日本からの静かなキャピタル・フライトが始まっています。

これは金融危機ではなく日本経済への諦めに由来するもので、
一般の人が気づかない間に驚くような水準に達するでしょう。

もし日本経済が従来のままで停滞を続けるのなら、
国内投資家の選択する手段は海外投資しかありません。
投資収益を国内消費に還流させるという
ささやかな抵抗しかないでしょう。

もし日本人投資家の中に第二のソロスが出現すれば、
母国の経済が苦境に陥る際に必ずや手を差し伸べるに違いありません。
(ソロスはかつてハンガリーからの亡命者だった)







さて草野豊己氏が「新没落国」との皮肉たっぷりの言葉を
紹介したのが今月上旬。まさに予言的な一言です。


東京外為市場・15時=ドル90円前半に上昇、海外安から切り返す(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR200911090072.html

”草野グローバルフロンティア代表取締役、草野豊己氏は、ヘッジファンドの
 間で日本を「NDC」と揶揄する声が出ており「それも Newly deveropping
  country ではなく、Newly declining country 。消え行く国ということで、
 つまり日本売りだ」という。草野氏によるとヘッジファンドの間では日本の
 ソブリンリスクが意識されており「リーマンへのカラ売りで知られるヘッジ
 ファンド、グリーンライト・キャピタルのデービッド・アイホーン氏は「日
 本は破たんしたリーマン・ブラザーズと同じ状態とみている」という。長期
 金利はきょう1.475%と約5カ月ぶりの水準に上昇した。
 外為市場にもこうした動きは波及しつつあり、前週末には日本の財政悪化を
 にらんで海外勢が円売り志向を見せていた。しかし、きょうの取引では「市
 場が緩やかにリスク選好に転じる中でのドル/円の上昇で、日本売りという
 テーマでの円売りではない」(大手銀行)という。
 しかし「来年度予算の策定にも財政改善に向けた手ごたえはなく、潜在的に
 は円売りが強まる可能性はある」
(邦銀)との声も聞かれ、長期金利の上昇
 に注目が集まっている。”

 → 長期金利はすぐには上昇しませんが、
   もし日本が無策で時を過ごせばどうなるか分かりません。
   旧ソ連の崩壊も、崩れ出すと一気に加速しました。


10月国内投信騰落率、「コモディティ型」+10.29%=リッパー(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR200911090068.html

”トムソン・ロイター傘下の投信情報サービス会社リッパーによると、国内追
 加型投資信託のリッパー分類別10月月間平均騰落率でトップだったのは、
 「コモディティ型」のプラス10.29%。2位は「株式型ロシア株」のプ
 ラス8.58%、次いで「株式型ブラジル株」のプラス8.32%となった。
 11月5日付のリッパー・データ・リポートによると、分類別騰落率ランキ
 ング(期間内に5本以上のファンドを有する分類が対象)で月間騰落率がマ
 イナスだったのは全55分類中19分類だった(前月は25分類)。
 10月の最下位は「株式型業種別バイオ」分類でマイナス5.14%。2位
 は「不動産型日本」のマイナス4.78%、3位は「不動産型北米」のマイ
 ナス2.02%だった。〔以下略〕”

 → 私は今年春から資源に注目していました。
   ほぼ想定内の推移です。
   特に原油はニッケルと違って、まだ余力がある。
   原油を消費しない新興国内需の成長は、あり得ない。


10月末国内投資家保有のBRICs株投信残高が3兆円突破(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR200911090067.html

国内投資家が保有するBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)株関
 連ファンド(国内籍)全体の10月末純資産残高は前月比6.9%増の3兆
 0962億0300万円となり、3兆円を突破した。
為替が若干、円安に推
 移したことに加え、BRICs諸国の株価もインドを除く3カ国で上昇した
 ことなどが背景。
 同残高は、トムソン・ロイター傘下の投信情報サービス会社リッパーが集計
 したBRICs各国の株式に投資するファンド残高と、BRICs2カ国以
 上の株式に投資するファンド残高をロイターが合算したもの。
 また資金フローは、約1027億円の流入超となった。
 10月のBRICs株式市場は、インドのムンバイSENSEX指数は前月
 比マイナス7.18%と大きく下落したが、他の市場ではロシアのRTS指
 数が同7.49%上昇したほか、中国の上海総合株価指数は同7.79%、ハ
 ンセン中国企業株(H株)指数も同7.68%──など、それぞれ上昇した。
 ただ販売会社や運用会社関係者によると、「個人のBRICs市場へ関心は
 高いが、最近は分配型が人気だ。キャピタルゲイン狙いの(BRICs)株
 式ファンドよりは分配型の債券ファンドの人気が高い」
(国内投信)、「毎
 月の分配実績を確認し、手持ちのファンドの分配金の状況と照らし合わせ、
 高分配実績のファンドに乗り換えを検討する人も見受けられる」(中堅証券)
 との声もでている。〔以下略〕”

 → 投資家は正直です。
   動きが鈍重と言われてきた日本投資家ですが、
   インターネットの普及もあり
   漸く洗練されてきたのだと思います。

投信のブラジルレアル建て資産、初の1兆円突破 7月末(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090904AT2C0201E03092009.html

投資信託を通じて、ブラジルに投資する資産の残高が7月末、初めて1兆円
 を超えた。
ブラジルの金利水準が高いことや、高成長を見込んで、ブラジル
 の株や債券で運用する投信が人気を集めているためだ。一方、ドルやユーロ
 建ての資産は減少傾向にあり、個人投資家は新興国への投資を増やしている。
 投資信託協会によると投信のブラジルレアル建ての資産は7月末、1兆707
 億円になった。6月末に比べ10%増加。投信の外貨建て資産に占めるシェア
 は4%を超え、香港ドルと並ぶ規模になった。7月に最も資金流入の大きか
 った「新米国ハイ・イールド債券投信ブラジルレアルコース」(野村アセッ
 トマネジメント)は月間で1000億円超を集めた。”

中でもブラジル投資熱は強い。

でも皆さん、あくまでも新興国ですからね。
いつでも売りのトリガーを引けるようにしておきましょう。
個人的にはハイイールド債投信は1年、
株式投信は3年以上保有すべきでないと考えます。

世界経済の失速と高金利通貨の下落は同時に起きるからです。


▽ 海外投資のマクロの視点を養うには必携書





『世界不況を生き抜く新・企業戦略』(門倉貴史,朝日新聞出版)

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ウォーレン・バフェット氏「すべては米国経済の将来に対する賭けだ」- 鉄道輸送と資源の時代を予告?

2009-11-10 | 株式・為替マーケット全般
何時まで経っても投資減税しか叫ばないちんけな国内投資家と
まさに器が違うと思います。

この偉大な投資家は、米経済の未来と
コモディティの先行きに画然たる自信を持っているようです。

僅か15分で交渉が纏まったそうですから、
オマハの賢人には一般庶民には見えない何かが
はっきりと見えたに違いありません。


大富豪、大ばくち 米鉄道2位に“賭け金”2.4兆円(産経新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/m20091106030.html

”【ワシントン=渡辺浩生】米国の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏
 (79)が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが4日までに、米大手
 鉄道会社バーリントン・ノーザン・サンタフェの買収を発表した。投資額は
 266億ドル(約2兆4千億円)。バフェット氏にとって人生最大の株式投
 資だ
。米経済の回復や石油価格の上昇を追い風に、車社会の米国で衰退を続
 けた鉄道産業が再び成長軌道に乗る? その投資判断に多くの関心が集まっ
 ている。
  ●すべての株式買収
 「すべては米国経済の将来に対する賭けである」。バフェット氏は声明でこ
 う述べた。バークシャー社はすでにバーリントン社の株式の22.6%を保
 有。今回の投資は、残り77.4%について、現金と株式の交換により1株
 当たり100ドルで買収するもので、全保有株式の価値は440億ドルに相
 当。バーリントン社の債務100億ドルも引き継ぐ。
 同社は米鉄道2位で、穀物や石炭などの貨物輸送では最大手。買収発表後、
 ニューヨーク株式市場は鉄道株が軒並み上昇した。
 世界的な大富豪で慈善家のバフェット氏は、長期投資を基本姿勢とする投資
 哲学で知られる。
 昨秋以降の金融危機では、米ゴールドマン・サックス株を購入して経営危機
 から救ったほか、「今こそ米国株を買いなさい」と奨励していた。
  ●交渉たったの15分
 なぜ今、鉄道会社が買いか。バフェット氏は英紙フィナンシャル・タイムズ
 に対して「経済の調子が良ければ、底堅いビジネスだ。私は経済が良くなる
 と信じているよ
」と語っている。
 米経済は2009年7~9月期に5期ぶりにプラス成長へと回復した。まだ
 景気の足取りは不透明だが、バフェット氏は、米経済が危機を完全に克服し、
 持続的な成長軌道に乗ると確信しているようだ。

 経済活動が活発化すれば陸上輸送の需要は増す。石油価格の上昇や、地球温
 暖化対策の進展で、輸送の主役はトラックから鉄道へ回帰する可能性もある。
 しかも、バフェット氏が支持するオバマ大統領は4月、環境対策と雇用創出
 を兼ねて、米本土の主要都市を結ぶ高速鉄道整備に巨額の予算を投じる計画
 を発表。その追い風も無視できない。
 鉄道は、自動車産業と違い「海外経済からの競争圧力を受けない」(米紙ウ
 ォールストリート・ジャーナル)。競争相手が少ない良好な銘柄を割安なタ
 イミングで購入するのは、長期保有を重視するバフェット氏の投資の極意に
 沿ったもので、10~20年先の利益を見込んだ判断だった。ただ、交渉は
 「15分間」のスピード成立だった
、とCNBCテレビに語っている。”

 → 澤上さんも同趣旨の主張をされていますが、
   トラックレコードを見れば分かるように、
   バフェット氏の方が数段切れが上です。

   ゴールドマンに投資したタイミングも
   やや早めではありましたが流石と言えるでしょう。

   日本国内でもこのような器の大きい投資家が
   出現して欲しいものだと痛切に感じます。
   (いるのは難破船から逃げ出すネズミみたいな人ばかり)


国内では、投資家よりもコンサル系の人の方が
視野が広く日本経済の実態を見抜いているようです。


爆発的に経済成長する法:大前研一 ビジネス・ブレークスルー代表取締役(Voice)
http://news.goo.ne.jp/article/php/business/php-20091010-05.html

”経済成長の原資となるような財源は、かつて自民党政権が行なってきた、税
 金を使って景気刺激のお金をばらまく在り方とはまったく異なるものである。
 時代遅れのケインズ経済でもって自国の子孫から借金を重ね、日本の国を破
 壊した自民党政権の罪は、何度指摘しても足りないほどに重い。そもそも世
 界で繁栄している国を見たとき、自国の税金を使って繁栄しているところは
 どこもない。
 〔中略〕
 日本の場合、地下経済を掘り起こしたり、土地の値上がり益をポケットに入
 れることはできない。そういう意味でも世界で余っている3000兆円の“ホー
 ムレスマネー”をいかに呼び込むか、という点に注力しなければならないの
 だ。これこそ日本が狙うべき1つ目の財源で、道州制にして地域間で産業政
 策を競い、世界企業の呼び込み合戦をする
、というのが税金に頼らない第1
 の目の付け所である。
  「湾岸100万都市構想」
 2つ目の財源は個人がもっている金融資産1400兆円である。日本人は「いざ
 というときの備え」といいながら保険をかけて、さらには年金で足りない部
 分を貯金で補うといいながら、その年金の3割を貯金に回すという非常に変
 わった国民である
。その結果、高齢者には恐ろしいほどのお金がたまり、
 ブル崩壊後、不況だ、不況だ、と騒いでいたうちに、700兆円だった個人金
 融資産はいつの間にか1400兆円にまで膨らんでしまった
。いかにしてその
 お金をマーケットに引っ張り出せるかで、税金を使わない繁栄の道しるべを
 描き出すことができるだろう。
 しかしこの2つの財源は、黙っているだけではけっして日本に流れ込んでこ
 ないし、マーケットに出てくることもない。そこでは投資をしたくなるよう
 な物語(エクイティストーリー)が必要とされるのだ。その物語として私が
 提言したいのが、土地の規制緩和による「湾岸100万都市構想」である。こ
 れはまさに「官僚統制」の打破を訴える民主党の政策に符合するものだ。
 〔中略〕
 湾岸地区を21世紀にふさわしい近代都市として徹底的に作り直す。基礎の部
 分では上下水道や電気・通信などの地下埋設はもちろん、道路を拡張し、立
 体交差にして渋滞が起こらないようにする。さらには災害時に備えた食料の
 備蓄設備をつくったり、地震を想定した液状化対策、土壌改良などを行なう。
 そのような整備を行なったうえ、そこに高層住宅や商業ビルを建てる。容積
 率を現在の3~4倍取れば、その部分は新たに生まれる富となる。再開発で地
 価が高騰するのを防ぐため、その計画を発表したあとは土地を大規模に買う
 行為は禁止し、地価をその時点で凍結すれば、いま汐留などにあるマンショ
 ンに比べて3分の1程度の値段になる。そうすれば通勤が非常に便利な所に、
 廉価で快適な住居が建ち並ぶ。それによって、湾岸地域には100万人が住め
 るようになる。
 〔中略〕
 当座の建設費を賄うため、まずは自治体で債券を発行する必要があるが、私
 の計算ではその債券には4%以上の利息が付く。海外の投資家たちがそれに
 目を向け、それによって、3000兆円の“ホームレスマネー”を呼び込むこと
 ができるだろう。
 そこに免税債を組み合わせる。たとえば品川区が再開発のために発行した品
 川区債を品川区民が買えば、地方税の一部が免除されるようにする。そこで
 個人金融資産1400兆円の一部が流れ込む。
 さらには建物部分の容積率を800%にすれば、そこに移り住む人を除いても、
 その3倍が入居できる見込みになる。そこでもまた、個人金融資産の流入が
 起こるだろう。
 さらには晴海から勝どき、築地の一帯を24時間タウンにすれば、おそらく世
 界中から企業がやって来る。アキバ系のサブカルチャーを売り物にしても良
 い。日本は治安がいいうえに、素晴らしい住環境が整うとなれば、巨大市場
 である中国を目の前にして、アジアの本社を日本に置きたがる企業はたくさ
 ん出てくるはずだ。

 来年には羽田が本格的な国際空港になり、アジア便がさらに離発着するよう
 になる。多国籍企業のアジア本社として、まさに絶好の立地といえよう。
 こうした街づくりを東京だけでなく、横浜や大阪などでも進めていく。この
 ような政策は田舎ではなく都心で実行してこそ意味がある。民主党が自民党
 の方法論と決別できるかは「都市の再開発」を唱えられるかどうかによるだ
 ろう。自民党は「均等な国土の発展」をめざし、田舎の開発を行なった。し
 かし田舎には需要も、金もない。だから結局税金を持ち込んで、工事が終わ
 ったら閑古鳥、というのがこれまでの経済対策であった。
 日本における最大の成長分野は大都市なのだ。しかし日本の大都市は、戦後
 の焼け野原の混沌を引きずっていて、そのなかに乱開発による超高層ビルが
 ところどころ建っている状況である。都市としての景観がまるでなく、その
 一方でサラリーマンは、平均1時間20分の通勤を余儀なくされている。これ
 ではとても近代国家とは呼べない。
 通勤距離20分以内のところにそのような都市をつくるだけで、日本国内はお
 ろか世界中から投資資金が集まってくるのである。経済のパイがどんどん大
 きくなり、20年間、盆と正月が一緒に来たような再開発ブームが続く。結果
 的にはそのことで田舎も潤うだろう。都心に住んで、ウィークエンドハウス
 は郊外に、というかたちになれば、田舎にもお金が落ちるのだ。〔以下略〕”

大前さんいつも通りで剃刀のような鋭い着眼点と
出たとこ勝負のプレゼン的な大風呂敷が混在する論ですが
面白い試論なので、参考まで。

私は僻みの強い国民性を利用して高額年金に課税し、
それを原資として雇用増を図った方が即効性ありと思いますが。
(資産を死蔵するより遥かにましです)

経済的価値以外にも着目した魅力的な投資先も
国内でもっと出てきておかしくない筈。
その方が「湾岸100万都市」よりも受けがいいでしょう。

アジア版ハリウッド、MoMA、パリコレ、MOF、
富裕層リゾートやメディカルツーリズムの拠点、等々。





『最強国家ニッポンの設計図』(大前研一,小学館)


ただ毎回思うのですが、大前さんが政権に入るには
冨山和彦氏のようにより現実的な路線を明示し
実現可能な提言に絞り込み再構築する工夫が必要と考えます。

アイディアが卓抜であるだけでは政治は変わりません。
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エルピーダメモリへの公的資金出資は、最高のPE投資に匹敵 - シリコンサイクルの底打ちが鮮明に

2009-07-09 | 株式・為替マーケット全般
エルピーダメモリへの公的資金投入に反対するのは
経済の素人です。数年後に彼らの愚かさが証明されるでしょう。

その証拠に、反対派はエルピーダの経営がどうであったのか、
どこが良くてどこが悪いのか、全く語っていません。

(彼らは経営について理解していないので、能力の限界なのです)

エルピーダがかつての弱者連合から飛躍し、
ここ数年シェアをじりじり上げているのすら
調べていないのですから、話になりません。

産業再生機構の活躍ももう忘れたのでしょうか。

有権者の負担どころかおつりまで出るのが判明する数年後に、
彼らがどのような言い訳を用意するのか今から楽しみです。

不況期には例外なく寡占化が進行するものです。
ライバルが脱落した後にシェアを高めた勝ち組に
膨大な収益がもたらされるのは当然です。

DRAMは市況商品であり、価値ゼロにはなり得ません。
再度サイクルが上昇した時に、
世界一に接近するエルピーダメモリは資金返済に加え、
莫大な法人税収をもって日本政府に報いるでしょう。


東エレク、4─6月期の半導体製造装置受注額は前期比2.3倍の480億円(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-213054.html

”東京エレクトロンは9日、2009年4─6月期における半導体製造装置と
 フラットパネルディスプレー(FPD)・太陽電池製造装置の連結受注額
 (速報値)が前四半期比約82%増の約490億円となったと発表した。こ
 のうち半導体製造装置の受注額は同2.3倍の約480億円、FPD・太陽
 電池製造装置は同85%減の約10億円だった。”

 → 今週の報道です。
   漸く明るさが見えてきた、というところ。
   この底打ちが見えてきた状況こそ、
   投資家にとっての黄金期なのです。


2010年の世界の半導体製造装置売上高、最大90%増の可能性(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-384928.html?C=S

”国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は10日、2010年の世界の半
 導体製造装置の売上高が最大90%増加する可能性があるとの見通しを示し
 た。2009年は56%減となる見通し。
 半導体製造設備への投資は、2008年以降、四半期ベースで一貫して減少
 しており、現在は過去10年で最低の水準にあるが、米半導体大手インテル
 の投資などにより、米州では投資が増えているという。
 「最新データによると、2009年後半は、半導体製造工場の建設プロジェ
 クトと半導体製造装置への投資がともに増える見通しで、2010年もその
 傾向が続く」と指摘。2010年の半導体設備への投資が最大90%増加す
 る可能性がある
との見方を示した。
 半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が10日発表し
 た5月売上高は、コンピューターやデジタル家電向けメモリーの需要拡大を
 受け、7カ月ぶりの高水準となった。”

 → こちらはひと月前の報道。
   90%増は幾ら何でもと思いますが
   勿論、可能性ゼロではありません。
   

エルピーダメモリは自力再生できないなら潰れる方がいい|山崎元のマルチスコープ (diamond.jp)
http://diamond.jp/series/yamazaki/10086/

”率直に言って、苦しい企業があまたある中で、どうしてエルピーダメモリ社
 が支援対象になるのかが疑問だ。「グループで6000人弱の従業員を抱え、雇
 用への影響も大きい」と記事にあるが、従業員10人の零細企業600社でも雇
 用には同様の影響があるわけで、エルピーダメモリ社が「大きい」ことは、
 支援の正当な理由として納得しがたい。
 「日経」は、エルピーダメモリ社の「経営が不安定になれば半導体供給など
 にも影響を及ぼしかねず」と1面の記事には書いているが、11面の解説記事
 には「仮にエルピーダから製品が供給されなくても、韓国勢から代替調達す
 ることは可能だ」とはっきり書いている。思うに、日経の記者は、「エルピ
 ーダへの支援はやっぱりヘンだ!」と感じながら、読者がよく読めば分かる
 ように皮肉を書いているのではないか。
 あわせて読むとこれは皮肉だろうという箇所がもう一つある。産業革新機構
 については、これが「先端企業などに資金支援するため15年の時限措置で設
 立される株式会社」だと1面に解説されているのだが、11面にはDRAMが
 「高機能を競うシステムLSI(大規模集積回路)と異なり、メーカー間の
 技術差が乏しく」、「需給で価格が騰落する汎用品になっている」と書かれ
 ている。エルピーダメモリ社は「先端企業」ではないのだ。
 そもそも、企業は「先端」であることが尊いわけではない。加えて、先端企
 業を支援するのが目的だという組織が、汎用品の相場商品を作っている企業
 を支援するというのは納得し難い。エルピーダメモリ社への支援は二重にお
 かしいのだ。
 しかも、記事によると、この会社の経営者は次のように言っている。
 「3年後には世界で2~3社に集約され、DRAMは安定したビジネスになる」。
 続けて記事本文に「坂本社長は市場の寡占化で市況を回復させ、収益を上げ
 る将来像を描く」とある。要は、公的支援を使った体力勝負で寡占を目指し
 て頑張るという話だ。〔以下略〕”

山崎氏は残念ながら投資判断に関しては
凡庸な部類に含まれるので、
先が見えないのも致し方ない所でしょう。

このように短期的な視点しか持てないと、
エルピーダメモリへの出資のメリットが
理解できないのも当然です。

新生銀行の件からも分かるように、
不況期はプライベートエクイティ投資型の戦略にとって
まさに黄金時代に他なりません。

▽ PE投資について、丁度ダイヤモンドで紹介されています。





『週刊ダイヤモンド』2009年 7/11号


政策投資銀行がいつの間に復活したのは解せませんが
多分、天下り先の欲しい高級官僚の皆様の策動でしょう。

エルピーダは良い出資先ですが、
監視していないとどさくさに紛れておかしな出資が
紛れ込んでくる可能性も充分にあり、そちらの方が問題です。

官僚の皆様も頭が切れますから、公的資金第1号に
おかしな案件を持ってくる筈がありません。
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BRICsの時代が本格到来 - 世界経済を牽引する新興国

2009-04-17 | 株式・為替マーケット全般
ゴールドマンの若手社員が造語してからもう5年が過ぎましたが、
愈々「BRICs」の時代が本格到来したようです。

BRICsは近い将来の新しい主役ではなく、
既にして世界経済の回復を牽引しつつあります。


南米最大の自動車市場ブラジル、世界に先駆け販売回復(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/JAPAN-374450.html

”南米最大の自動車市場であるブラジルは、過去4カ月連続で自動車販売台数
 が増加しており、世界各地で自動車メーカーが不景気による販売不振に苦し
 む中、一足早く最悪期を脱したとの見方が出ている。
 ブラジルの自動車業界団体は、2009年の生産台数を前年比11.2%減
 の286万台と予想しているが、減少分のほとんどは輸出需要の減退が要因
 とみられる。
 一方、大きな潜在能力を秘めるブラジル国内市場は、消費が堅調であること
 に加え、自動車購入時の約10%減税措置が功を奏し、3月の自動車販売台
 数が前月比36.2%増と大きく伸びた。3月は前年比でも16.9%増加し
 ており、米国が37%減、スペインが39%減、日本が25%減だったのに
 比べると、ブラジル国内市場の好調ぶりが際立つ。イタリアのフィアットや
 独フォルクスワーゲン(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)やフォー
 ド・モーターといった同国に進出した自動車メーカーの期待も大きい。
 3月の実績は、減税による前倒し購入によって底上げされたとの見方もある
 が、アナリストらは、政府の素早い行動と自動車への潜在需要が、他国の先
 駆けて一足早い回復につながったとみている。
 〔中略〕
 元GMの幹部でサンパウロでコンサルタント会社を経営するアンドレ・ビア
 氏は、ブラジルの自動車産業はさらなる世界的な危機が訪れない限り、最悪
 期は脱したとの見方を示す。
 先進各国に比べて自動車産業を楽観視できる主な理由についてビア氏は、ブ
 ラジル国内の自動車への潜在需要を挙げる。先進国では2─3人に1台の割
 合で自動車が普及しているが、ブラジルの自動車1台当たりの人口は約8人。
 この数字はメキシコの同4.7人、アルゼンチンの同5.2人と比べても高い。
 自動車業界団体のジャクソン・シュナイダー会長は今週、2009年の販売
 台数は前年比3.9%減となり、2003年以来の前年割れになると予想し
 たが、2010年については2008年の水準を上回ると強気の見通しを示
 した。堅調な需要や自動車メーカーの国内市場への注力を背景に、アナリス
 トもこの見方を支持する。
 ブラジルで操業する主要な自動車メーカーは、向こう数年で需要増に対応す
 るための設備拡張に総額約200億ドルを投資する計画。
 PwCのシオッフィ氏は、ブラジルの自動車生産台数について、2009年
 は前年比6%減の269万台に落ち込むが、それでも韓国を抜いて世界第5
 位の自動車生産大国になると予想。また、2010年に前年比5.9%増の
 285万台、2011年には同6.3%増の303万台と右肩上がりを予想
 している。”

 → 地球の裏側なのでなかなか接点が持ちにくいのですが、
   もっと日本企業が浸透しても良い筈のブラジル市場です。

   ブラジルでの日系人への敬意は大変なもので、
   (日系人は非常に教育熱心で、成功者が多い)
   中韓とは雲泥の差があります。

   日本が製品輸出・南米向けの生産拠点移転を行い、
   食糧やエネルギーを輸入するという関係が深まるでしょう。


世界不況の波に飲み込まれなかったインド経済のたくましさ(Economic News)
http://www.excite.co.jp/News/economy/20090408/Economic_eco_k090407_006_1.html

”アメリカが火種となって、世界に飛び火した金融危機。しかし、そんな世界
 同時不況の影響をあまり受けなかった、たくましい国が存在する。それは、
 ここ4年でGDPが年9%ベースという高い成長率を維持しているインドだ。
 外需が落ち込んだ今でも、7.5%と依然として高い水準を維持している。
 アメリカの証券化商品等のリスク資産をほとんど保有していなかったとみら
 れることなどから、世界金融危機による直接的な損失は比較的少なかったと
 いわれている。
 インドの08年3月時点における国内商業銀行の投資資産の内訳をみると、
 投資資産全体のうち大半(78.2%)が安全性の高い政府証券で占められ
 ている。この背景の一つには、商業銀行は預金総額のうち24%を国債やそ
 の他政府指定債券で運用しなければならないという法定流動性比率の規制が
 ある。また、インドの金融機関は、アジアの通貨危機を乗り越えた経験から、
 システムの健全性を高めており、証券化商品などの複雑な金融商品にはほと
 んど投資していなかった。数年前、不動産価格が高騰した時に、その異常さ
 に気づいたインド準備銀行(中央銀行)は、国内の銀行にこれらの商品を手
 仕舞いするように勧告したという。よって、アメリカのサブプライム問題が
 表面化し、欧米の金融機関は大きな打撃受けるなかで、インドの銀行はその
 損失を最小限に食い止めることができたのだ。
 さらに、人口が11億人を突破したインドは、内需が強く、国際経済に影響
 を受けにくい。中国やNIEs、ASEANなど他のアジア諸国の成長は輸出指向
 型の経済発展によるものだが、インドの場合は内需の拡大を基本として成長
 を遂げてきた。貯蓄率も35%と高く、国民の所得水準も向上しており、日
 本の高度経済成長期における「三種の神器」と言われるような工業製品の消
 費は、現在でも伸びている。都市部の中流階級は自家用車を保有するのは当
 然で、2台・3台と所有する人も多くなってきたようだ。さらに、インドの
 人口構造は日本と正反対で、65%が25歳以下と若い。経済活動を支える
 若い層が多いということで、今後さらにインド経済は成長していくことが予
 測されている。
 高い自己資本比率と低い不良債権比率を誇る金融機関の健全な金融システム、
 IT産業を中心としたサービス業の拡大、所得水準の向上による内需の拡大な
 ど、独自の成長を遂げるインド経済は、不況でも揺るがない針の強さがある
 ようだ。外需主導の経済構造により、アメリカを震源地とする金融危機の激
 震に飲み込まれたカタチとなった今の日本も、たくましく成長し続けるイン
 ドの経済から学ぶことが多いのではないだろうか。”

 → こちらはインド経済のコンパクトなリポートです。
   内容的にはやや褒め過ぎだと思いますが、
   人口構造から考えれば中国の次は確実にインドの時代です。
   (中国の高齢化は日本よりも深刻になる可能性あり)

   日本としては安全保障の観点から言っても
   ベトナムと並んでアジアで最も重要な国と言っても
   過言ではありません。
   軍事的に膨張する中国を封じ込む際の要の一つです。


中国需要拡大で液晶・半導体など生産・受注底入れ(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-375112.html?fr=rk

”液晶パネルや半導体、電子部品などエレクトロニクス製品の主要デバイスの
 生産や受注の底入れが広がってきた。中国での需要拡大などを背景に、シャ
 ープではテレビ用液晶パネルの生産が急回復している。
 また、半導体・電子部品メーカーからは受注が下げ止まり、小さく反発して
 いるとの声が聞かれる。ただ、足元の動きは昨年末以降の急激な生産調整の
 反動の色合いが濃いとみられ、本格回復につながるかどうかは不透明だ。
  <亀山工場がフル稼働>
 シャープの片山幹雄社長は8日の記者会見で、液晶パネルの主力工場の亀山
 第2工場(三重県亀山市)がフル稼働に入ったことを明らかにした。1-3
 月は操業率が半分程度に落ち込んでいたが、片山社長は「この2週間から1
 カ月でびっくりするくらい市場は動き始めた」と強調。従来から取引のある
 テレビメーカーからの注文に加え、中国メーカーからの引き合いが旺盛だと
 いう。
 同社は2010年3月までとしていた大阪・堺市に建設中の液晶パネル新工
 場の稼働を今年10月に前倒しすると決定。「この秋に(堺工場を)動かさ
 ないと、(パネルは)全く足らない状況になる」(片山社長)としている。 
 ソニーの石田佳久・業務執行役員テレビ事業本部長は15日の薄型パネル展
 示会での講演で、テレビ用液晶パネルの市況について「今年1―3月は供給
 過剰状態が続いたが、(今年)前半のうちにその状況は急速に緩和され、後
 半にはパネル業界は需要回復に向かうと予測している」と指摘。シャープと
 同様の見方を示した。
  <中国需要に期待>
 米調査社のディスプレイサーチによると、2009年の液晶テレビの世界需
 要は前年比で約14%増の1億2000万台の見込み。同社は、世界不況の
 影響で「2009年は需要予測が最も難しい年」とした上で、1890万台
 (前年比41%増)としている中国の液晶テレビの需要は「2000万台を
 超える可能性がある」としている。 
 中国での需要拡大は、従来からの経済成長に加えて、農村部での家電普及を
 目的に実施されている「家電下郷」という政策の下支え効果も大きい。テレ
 ビやパソコン、携帯電話、洗濯機、エアコンなどを対象に購入金額の一部を
 国や各省が補助する仕組み。テレビの場合、補助対象となる製品の金額上限
 は2000元(3万円弱)のため、日本など外国メーカーの製品は対象にな
 りにくいが、沿岸部など所得水準の高い地域で、より高額な商品への需要拡
 大に効果が波及している可能性が高いとみられる。
 〔中略〕
 みずほインベスターズ証券・アナリストの石田雄一氏は足元の動きについて
 「著しい生産調整、販売調整をやって品薄状態になり、それを戻そうとした
 動きが出た」と語る。本格回復については「4月以降で(出荷額などが)前
 月比でプラスが続くかどうか」が見極めのポイントだとしている。ただ中国
 以外に好調な地域が見つからないとして、石田氏は「4月以降で前月比プラ
 スが続くかというと難しいと思っている」と指摘している。”

 → 半導体関連の株価が語っている通りの結論です。
   完全に底入れしたと考えざるを得ません。

   市場でのコンセンサスが既にできあがっているように、
   消費市場としての中国の存在感は漸増しており
   厄介な特質を持つ市場ではありますが
   注視していかざるを得ません。


マツダ、1─3月期の中国販売が過去最高(reuters)
http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-375088.html

”マツダは15日、2009年1─3月期の中国販売が前年比22%増の3万
 7217台だったと発表した。中国政府が1月から自動車取得税を引き下げ
 た効果などで過去最高となった。
 マツダは09年の中国販売を前年比33%増の17万台と計画。全面改良し
 た主力中型車「マツダ6(日本名アテンザ)」を近く投入するほか、08年
 初めに156店だった販売網を今年末までに250店以上に増やし、拡販を
 図る。”

広島の雇用が中国市場によって支えられている構図です。

BRICs関係の報道に注目しつつ、
改めて研究しなければと思いました。

▽ これは基本ですね。




『BRICs 新興する大国と日本』(門倉貴史,平凡社)


▽ 門倉さん、このような本も出していました。




『BRICs富裕層―爆発する巨大市場を攻略せよ』(門倉貴史,東洋経済新報社)


▽ 近刊。歴史研究者の著作のようです。




『BRICsの底力』(小林英夫,筑摩書房)


今年から私は401kを開始し、(税の優遇が凄い!)
BRICs株式の比率を極端に高くしたので
それなりに勉強しなければと考えています。
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