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みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

被災地の女性の貧困が深刻化、自営業者・パートの約7割が失業中 -「国土強靭化」で復興できる筈がない

2014-04-30 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
矢張り恐れていたことが起こった。
被災地、特に福島県内での貧困が深刻化しているとの報告が出ている。

元々、東日本大震災の被災地は過疎に苦しんでいた地域が多く、
多くの識者が当該地域からの人口流出が起きると予想しており
「復興」どころか「復旧」すら困難であることは予想されていた。

加えて原発事故による壮烈な風評被害で
福島とその近隣の第一次産業・観光業が凄まじい打撃を受けており、
深刻な影響は後々まで残ることになる。

知られているように被災地支援の熱意と活動は漸減するものである。
被災地での日常回復も個々の状況や資質によって「まだら模様」となり、
被災による打撃が甚大であった人々、復興の動きに取り残された人々は
経済的にも心理的にもより苦しい状況に追い詰められつつある。

寄付金でも「買って応援」でも彼らの苦境は改善されない。
まして、自民党が票田にカネをばら撒き、選挙に勝つための方便である
「国土強靭化」では復興が永遠に不可能なのは明白である。
(せいぜい彼ら利益共同体の「利権回復」でしかない)

更に事態を深刻にしているのは、旧来の家族観に基づいた
機能不全の日本の社会保障政策と雇用政策であり、
この国では大切な家族や生活インフラを失うことで、極貧に転落することが多々ある。

▽ 日本は「家族格差」を拡大させる社会システムを維持している

『なぜ日本は若者に冷酷なのか: そして下降移動社会が到来する』(山田昌弘,東洋経済新報社)


福島の場合、「原発倒産」に続いて「原発事故貧困」の問題が生じつつある。

 ↓ 参考

大震災関連の倒産の最多は原発事故要因、経済の害悪であるのは明白 - 双葉町長も「許せぬ殺人的行為」と
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6ac992a8ce4d3f144d12d9829df7f01e

▽ しかも日本は、先進国で最も社会的弱者に対して冷淡である

『脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる』(飯田泰之共著,自由国民社)


東京ガールズコレクション:復興支援で東北初開催 郡山(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20140430k0000m040084000c.html
”国内最大級のファッションイベント「東京ガールズコレクションin福島2014」が29日、福島県郡山市のビッグパレットふくしまであった。東日本大震災からの復興を支援しようと、東北で初開催となった。オーディションで選ばれた県内の小学生13人がモデルと一緒に夢のステージに立ち、福島の元気を発信した。人気モデルやアーティストを見ようと県内外から延べ約9800人(午後5時現在)が詰めかけ、会場は歓声と熱気に包まれた。
 午後3時開演。いわき市出身の松井愛莉さんをはじめ、土屋アンナさん、香里奈さん、道端アンジェリカさんらが大音量の音楽に乗ってランウエーに登場。若い女性を中心に満員となった会場にペンライトが揺れ、歓喜の声が上がった。ステージの合間には根本匠復興相や佐藤雄平知事、品川万里郡山市長も登壇し、「このイベントの開催が復興そのもの」とあいさつし、復興への加速を誓った。
 小学生モデルには県外避難者を含め555人の応募があった。書類選考を経て58人がオーディションに挑み、13人が晴れ舞台を踏んだ。
〔中略〕
 屋外には、福島の食や観光をPRするブースも出展され県の魅力をアピール。郡山市の女子大生(21)は「香里奈さんのスタイルとファッションに注目しています」と話していた。【浅田芳明】”

このこと自体は良い話であるが、
「復興」をアピールする政治的道具に堕している側面は無視できない。
大学生のコメントから見て、福島が以前より一層首都圏の影響を強く受けるようになり、
若年層の人口流出を加速させる可能性も充分にあろう。

…そして、そうした華やかなステージの裏では「復興格差」も拡大している。


被災地の貧困「女性が深刻化」研究者が報告(毎日新聞)
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20140424k0000m040025000c.html
”東日本大震災被災地の支援団体や研究者が現地の貧困問題を報告する「震災から3年被災地の生活困窮者支援を考える」(実行委主催)が23日、東京都千代田区の参院議員会館であった。福島大の丹波史紀准教授が基調講演し「被災地の女性の失業が深刻化している」と指摘。
〔中略〕
 「反貧困ネットワークふくしま」の共同代表でもある丹波准教授は「震災から4年目に入っても、福島県内の災害公営住宅の建設はわずか1割で、被災者が安定して生活する環境にはない」と指摘。また、震災前後の被災者の職業の変化のデータを示し「震災後、自営業者、パート従業員の約7割が失業しており、パート従業員の多くは女性。除染作業などで有効求人倍率は上がっているが、代替できるものではなく、女性により影響が出ている」と述べた。
 また、福島で子供、若者の支援を行う「ビーンズふくしま」の中鉢博之さんは、福島県外避難世帯のアンケートから「福島に残って父が働き、県外で母と子が暮らすという二重生活者が非常に多い。そうした中で生活資金の不足を抱える世帯が多く、母親たちのメンタルにも問題が出ている。子供たちに向かうケースも報告されており対応が必要だ」と話した。【垂水友里香】”

反貧困の運動家の主張は、科学的な調査と言うよりも
公共資源を分配させるための政治的意図の強いものであるので
言う迄もなく検証は必要だが、他の報道や調査から見て概ね正しい主張と思われる。

二重生活は個々で事情が異なり、どこまで公費でカバーすべきか論が分かれるところだが、
問題は自営業とパートである。公共事業のバラマキでは絶対に彼らは助からない。
実態調査を行った上で、精神的な影響なのか雇用のミスマッチなのかを明らかにし、
公費に依存しない自立的な、かつ以前の職種に代替可能な雇用が必要である。
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甘利経済再生相は、東電がカネと労力をかけて育てた族議員 - 「長年にわたって洗脳された」との証言も

2014-02-03 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
あるライターがカネと政治力を振り回していた頃の
東電と甘利経済再生相を筆頭とする政界、メディア界との
実に興味深い癒着と裏取引の実態を記している。

「20年かけて育て上げた“族議員”」との証言も出ており、
これまでの言動と見事なまで完璧に符合していて興味深い。

この記事で甘利氏側から訴えられる可能性もあるが、
隠れた癒着の証拠がぞろぞろ発覚する可能性も同時にあるので
それはそれで日本社会にとっての利益かもしれない。

ただ一方で、東電総務部に骨抜きにされたメンバーに
メディアの要人も(噂されてきたように)大勢入っているようで、
今後のメディア界の自浄努力と奮起を促したい。

かつて我が国の原子力利権勢力のカネと政治力の勢威は絶大で、
殆どのメディアはその前にひれ伏していた。

例えばオール電化営業で苦情が相当数出ていたのに
メディアでは取り上げられていなかったのもその一例だ。

リクルート事件に匹敵するような規模は間違いなくあるし、
それ以上かもしれない。今追及できなかったら、永遠に好機はない。
我が国のジャーナリズムの真価を証明するため、
たとえ返り血を浴びても突き進んで貰いたいものである。
大手メディアが一人のフリーライターに負けているのだから。

▽ 国会議員や大学教授の地位すら、カネを出して実質的に買ってきた原子力利権勢力

『原発のコスト――エネルギー転換への視点』(大島堅一,岩波書店)


▽ 現役官僚の小説は、不都合な真実を暴いた徹底したリアリズム作品

『原発ホワイトアウト』(若杉冽,講談社)


当ウェブログの言葉が厳し過ぎるのではないかと思うことも時にはあるのだが、
続々と発覚する事実から見て寧ろ適切だったのかもしれない。

「我が国の中枢には脳内がカルト的教義で汚染されている輩が多数おり、
 かつて終戦間際に昭和天皇に弓を引いたクーデター軍人と同類で、
 こそこそと裏で動いて国民を欺こうとする独善の固まりなのである。
 国民は断じて彼らの情報操作に騙されてはならない」

「誰がどう見ても福島原発の過酷事故において重大な責任がある経産省が、
 原発広報を再開するそうだ。恥知らずにも程がある」

「経産省はこれまでの原子力推進において重要な役割を果たしたにも関わらず、
 何一つとして責任を取っていない。同胞を悲惨な死に追いやったにも関わらず、
 のうのうと生き延びた太平洋戦争時の大本営参謀と全く同じである」

「経済産業省に「科学的な情報提供」などできる訳がない。
 「信頼性が揺らいでおり」ではなく正しくは「全く信頼されていない」だ」

「もし本当に科学的な情報公開ができると言うなら
 まず原子力関連業界への天下りを全面禁止するがいい。
 どうしても関係者との面会や情報交換が必要なら全て録音して公開するがいい。
 経産省が信頼されているかどうか世論調査してみればすぐ分かる。なぜ調べないのか」

経産省でも電力自由化を推進するなど異なる動きもあるのは承知しているが、
そうではない勢力が隠然たる影響力を維持しているのは明白である。

 ↓ 参考

原発は海亀やクジラを大量殺戮していた! - 懲りない経産省は原発広報を再開、不都合な事実を直視せよ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/f27ebfad7ac4852733b302d3d3b5ded7‎

「気温40度を期待」「昔のように金で世論操作できない」- 原子力利権勢力の本音、公益より再稼働を願う
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e47039874adf99ed08ab2ec713967d9d

▽ 日本の原子力は、旧ソ連に酷似した社会主義・計画経済

『新版 原子力の社会史 その日本的展開』(吉岡斉,朝日新聞社)


東電に骨抜きにされるメディアと政治家~高級料亭接待、パーティー券購入…体験者が明かす(Business Journal)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140202-00010001-bjournal-bus_all
”原発再稼働を訴える甘利明経済再生相のパーティー券を、2006年に甘利氏が経済産業相に就任して以降、原発を持つ電力会社9社が分担して購入していたと1月27日付朝日新聞が報じた。
 東京電力を筆頭に関西電力、九州電力など原発を持つ会社が政治資金規正法上の報告義務がない20万円以下に抑えて購入しており、11年の東電福島第一原発事故以降、東電はさすがに購入をやめているが、その他の電力会社は分担購入を続けていたという。法の抜け穴を利用したパーティー券の購入という名の「献金」のやり方は、いかにもかつて隆盛を誇った東電総務部のやり方だと妙に納得した。
 商工族の大物議員でエネルギー政策に強い甘利氏の取り込みは、89年に旧通商産業政務次官に就任した時から始まったとみていい。「次世代を担う商工族議員に育てようと旧通産省がまず目をつけ、資源エネルギー庁に代わり日本のエネルギー政策を実質的に牛耳っていた東電が、旧通産省・エネ庁官僚と歩調を合わせて、囲い込みを始めた」と、当時を知る元通産官僚は言う。
 甘利氏は当初、新自由クラブで出馬し当選している。その頃は、まったく眼中に入れてもらえなかったが、新自由クラブの解党に伴い自民党に所属することで、商工族議員の道を歩き始める。「まさに、20年かけて育て上げた“族議員”です。カネと労力を最もかけたのは東電総務部です。甘利さんも長年の恩義がありますし、原発をなくすという発想が出てこないほど長年にわたって洗脳された」と、前出の通産官僚は明かす。
 こうした東電総務部の工作活動は、政官界のみならず、メディアにも広がっていたことはよく知られた話だ。
 筆者もかつて東電総務部から接待を受けたことがある。フリーランスで大して名前の売れていない筆者を接待したのは、将来的に“族ライター”に育てたいという意識があったからだと推察される。当時の東電には、そういうことができるだけのカネも力もあった。
〔中略〕
●高級レストランでの接待
 最初の接触は、絶対に断れない筋から来た。事前に人間関係や政治的立ち位置、嗜好などは念入りにチェックされていたのだろう。東京・溜池山王にある高級中華レストラン「聘珍楼」の個室に招待を受けたのは、甘利氏のパーティー券の極秘購入が明らかになったのと同じ06年だったというのは、なんとも奇遇である。フカヒレのスープや海老、鮑などの高級食材を使ったお料理のコースだったので、恐らく一人1万5000円は下らなかったはずだ。驚くのは、中華レストランなので紹興酒が出てくるのかと思いきや、「ワインに造詣が大変深いそうで」と、ドンペリで乾杯。その後も、ブルゴーニュのグランクリュ(90年代ビンテージ)という豪華さであった。帰りには、お土産の紙袋を渡され、タクシーが表で待っているという用意周到さ。しかも、お土産の中身は遊園地のチケットとアロマテラピーセットという、女性相手でも決して気を抜かない芸の細やかさには、感心を通り越して怖くなったのを覚えている。
 翌日、お礼状とお菓子を送ったところ、再びのお誘いがあったが、多忙を理由にお断りした。そのあたりの相手の出方を窺う機微にも優れており、その次に声が掛かったのは、豪華接待から半年後ぐらいだったように思う。
 東電総務部から「持ち寄りでワイン会をしませんか?」という連絡が来た。前回のこともあり心苦しさを感じていた私は、「持ち寄りなら」と1万円程度のワインをセラーから選び、指定の場所に向かった。聖路加タワー内の「明石施設」とだけ書いてあったので、普段着でワイン片手に出かけると、タワーのほぼ最上階にあったその接待用飲食施設は、エレベーターが開いた途端、和服の女性からお出迎えを受ける、東電役員専用の豪華料亭であった。
〔中略〕
 他の出席者は大手新聞社や通信社の経済部の記者やデスクで、手ぶらで来ている人がほとんどであった。だが、机上には、最低でも数万円はするワイン・オーパスワンがずらりと並ぶ。他の出席者らはオーパスワンのグラスを片手に、「最近、(東電)広報の対応が悪い」「もう少し記事になるような話はないのか」とご馳走になりながらも注文をつける姿をみて、ものすごく“新鮮”な気持ちになったのを覚えている。
 確かに食事もお酒も美味しかったが、後ろめたさを感じた筆者は翌週、少し高めのワインを送った。すると、数日後にはその約3倍の値段はするワインが宅急便で届き、「個人でこれ以上の抵抗は無理だ。ヤクザと一緒で一度関係を持ったら逃れられない」と、自分自身を納得させた。

●政治家のパーティー券を購入
 その後、07年に新潟県中越沖地震が起きて東電柏崎刈羽原発の使用が停止。再稼働の働きかけを行っている内に自民党から民主党への政権交代が起き、「お願いルート」に変化が生じた。
 筆者のところに久しぶりに東電総務部から連絡が来たのは、その頃だ。「新潟県選出の某民主党議員を紹介してほしい」と、名指しで仲介を頼まれ、過去の経緯があるので、私はその議員と東電の会食をセットすることにした。
 了承がとれた旨を連絡すると、指定されたのは、銀座の超高級フレンチ「アピシウス」。豪奢なエントランスに絵画とシャンデリアが眩しい個室に、ひとり最低3万円はするコース料理がしずしずと運ばれてくる。「紹介のお礼に、今夜はいいワインを用意しました」と、出てきたのは、「ラ・ターシュ」(推定価格 10万円)。もう楽しもうと腹を括って飲み食いを始めた筆者の耳に、驚くべき会話が飛び込んできた。
「パーティー券ではお世話になりました」と、頭を下げる民主党議員に対して、「いえいえ、あの程度しかお手伝いできずに」と、総務担当者が応じているではないか。「了承がとれました」と伝えた翌日には、その議員の部屋を訪れ、近くパーティーがあると知った彼らは、20万円以内でパーティー券を購入していたのだった。
 その手腕と素晴らしい料理の味わいに感動していると、さらに耳を疑う会話は続くのだった。「今度、柏崎刈羽原発の視察にご家族の方とも一緒にどうぞ。ホテルも食事もこちらで手配します」という東電サイドの申し出に対して、その民主党議員は「よろしいんですか? いやあ、申し訳ないなあ」と喜んで受けただけでなく、「1日も早く再稼働できるよう、お力になれれば」と、頼まれてもいないのに自ら再稼働の約束をしていたのだった。
 その後、11年に東日本大震災が起き、筆者と東電総務部が接点を持つことはなくなったが、今回の甘利氏のパーティー券問題は恐らく電力会社と政界との関係を明らかにする「始まり」にすぎないだろう
〔中略〕
 東電が政官界だけでなく、マスコミにも抜かりなく手を打っていたこともまた事実だ。東電問題が電力会社と政界との関係を暴く端緒になるかどうか、メディアの姿勢が問われている。 (水谷茉莉花/フリーライター)”

勇敢なライターによるこの記事を、熟読されたい。
完璧な内容であり、読売や産経の記者が書いたら退職確実の「不都合な真実」である。

アゴラあたりでエネルギー問題など理解してもいないライターが
電力大手や原子力に奇妙なほど都合の良い記事を書いている背景にも、
こうした実質買収行為が隠れていると疑った方が良いであろう。

当ウェブログからこの記事に付け加えることは殆どない。
集めた情報から予想の範囲内ではあるが、ここまで悪質だったとは。
原子力利権勢力の反社会的本質が証明されたと言えるだろう。
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東京ガスが家庭用電力小売への参入決定、割安エネルギー供給へ - 世界で続々供給量の増えるガスの時代が

2014-01-21 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
都知事選を一気に盛り上げた小泉元首相であるが、
最大の功績は「エネルギー問題における論点の創出」である。

これまで反原発勢力には経済に無知な「反成長」派が多かった。
従って原子力利権勢力は「日本経済のため原発再稼働」という
噴飯もののプロパガンダを展開してきたのである。

リテラシーのある者なら既に分かり切った話であるが、
実は両者とも日本のエネルギー問題を全く理解していない。
「原子力なしで日本経済が成長できる」ことが決定的に重要なのだ。
寧ろ、日本経済を停滞させる原子力など経済成長に不要である。

日本の原子力の実態は単なるレント(政治利権)に過ぎない。
特定の層が政策を盾に多額の税収と政治力を占有しており、原子力がいかに
投機的で稼働率は不安定であるか、非効率的なエネルギーであるかを一切認めようとしないのだ。

だから利権勢力は、プラウダや人民日報といった独裁国家のメディアのように
ドグマに基づいてあらゆる情報操作を実行し洗脳行為を正しいと確信している。

当ウェブログが「原子力の赤い貴族」と呼称して彼らを批判してきたのは、
社会主義的計画経済を信奉する彼らが日本経済を停滞させているからである。

石油ショック以降、国策と称して原子力比率を引き上げてきた日本では、
対照的に経済成長率は低下してきた。これは議論の余地のない明白な事実である。

利権にしがみついて努力しない怠惰な経済に成長はない。
原発再稼働を執拗に叫ぶ企業経営層は全くエネルギー問題を理解していない。
原発再稼働はエネルギー消費の多い一部企業だけの利権あるいは恩典であり、
原発ゼロは全ての企業に省エネと新規投資を迫る。
どちらが日本経済に資するかは余りにも明白である。

…先週の『週刊エコノミスト』では、JPモルガンの西山雄二氏が
シェールガスよりも安いFLNG(洋上天然ガス液化)を取り上げている。

これは海底ガス田から低コストで天然ガスを採掘し洋上で液化するもので、
陸地までパイプラインを敷設する必要がなく設備は移動可能なためコスト優位性がある。
しかも日本企業が開発から参加することが容易で、三井物産・三菱商事・大阪ガス等が
既にFLNGプロジェクトに関わっている。

これまで採算性の問題で採掘を断念していた中小規模ガス田も利用できると言う。
東南アジアでの開発余地がかなりあり(親日的なインドネシアの近辺だろう)、
早ければ2017年には日本が輸入できるとのことで、大いに期待できる。

▽ こちら参照

『エコノミスト』2014年 1/21号


かつて「古い自民党」と対決した小泉元首相は、
今度は「古い自民党のエネルギー政策」つまり原子力利権との癒着を「ぶっ壊す」であろう。
ガスコージェネレーションとFLNGの出番である。

「原子力利権・電力利権と癒着している自民党と洗脳されたメディアは
 コージェネレーションの威力を全く理解せず日本経済の成長を妨害している。
 彼らこそ「抵抗勢力」であり、排除しなければ日本の省エネ市場は成長できない」

「日本国内の大嘘つきどもは「省エネ余地は少ない」「時間がかかる」とほざくが、
 利権勢力に洗脳されている彼らを絶対に信用してはいけない」

「我が国の省エネには膨大な成長余地がある。
 電力大手のダブルコンバインド・ガス火力発電の比率は驚くほど低い。
 原子力利権を脅かすから意図的に投資をサボタージュしてきたのである」

「熱源を必要とする施設や家庭のコージェネ導入比率も非常に低い。
 高齢化している我が国で、貴重な成長分野なのである」

「真に被災地復興に資するのはLNG輸入基地である。
 何故なら福島沿岸から中通り地方、仙台方面へとパイプラインを伸ばすことで
 住民や企業が格安のガスを利用してエネルギーコストを引き下げられるからだ。
 目敏い企業が続々と福島への投資を増やすのは間違いない。
 (当然、電力利権勢力はパイプライン敷設をあらゆる手段で妨害しようとするだろう)」

原子力利権からガス利用へのシフトが必要である。
それでこそ日本経済が成長し、被災地復興にも資するのだ。

 ↓ 参考

福島でガス火力・LNG基地の建設計画、石油資源開発が発電事業参入-被災地復興に石炭火力の数倍の効果
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/3b784aea4bb23998794203803a2607be‎

ガス会社が原発を抹殺し、東電を圧倒する日 -「2030年には1000万kW分のコージェネ導入」と宣戦布告
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/416259413bd719c5f3987882f1720897

▽ 安全な天然ガスは原発と違って観光被害・風評被害は皆無、しかも低炭素

『天然ガスが日本を救う 知られざる資源の政治経済学』(石井彰,日経BP社)


▽ 日本のガスコージェネレーションの技術は世界最高水準である(コピー技術の原子力とは大違い)

『原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論』(広瀬隆,集英社)


LNG、東アフリカが新供給源に 欧米勢が開発主導(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0605G_X01C13A2FF8000/
”【フランクフルト=加藤貴行】東アフリカが天然ガスの新たな供給源として注目を集めている。タンザニアとモザンビークの沖合で世界最大級のガス田の発見が相次ぎ、2010年代後半に液化天然ガス(LNG)の輸出が始まる見通しだ。豊富な埋蔵量に加え生産コストの安さやアジア市場に近い点も強み。欧米石油大手が開発を主導し、近年はアジア勢も権益の取得に動き出した。〔以下略〕”

新規ガス田は続々見つかっている。
原子力利権勢力はすぐホルムズ湾がどうのこうのと騒ぐが、
彼らはもう時代遅れの無用の長物になった自分自身に気付いていない。


東ガス、家庭に電力・通信も一括提供 16年から(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD240PB_U3A221C1TJ2000/
東京ガスは2016年に家庭向けの電力小売りに参入する。来年4月に戦略立案の専門組織を発足し、販売体制など詳細な事業計画づくりに着手。家庭と密接につながる通信会社との提携も検討し、ガス、電力、通信を一括して割安で提供する独自サービスの開発を目指す。石炭火力を含む発電所の増強も急ぐ。東ガスの小売り参入で首都圏の電力競争が激化し、利用者の選択の幅は広がりそうだ。〔以下略〕”

これは朗報だ! コージェネレーション促進になるだけでなく、
小型分散型の熱供給が進むことで国民のエネルギーコストが低下することになる。

▽ 日本の電力会社は膨大な熱のロスを生み出し、捨てている

『エネルギーを選びなおす』(小澤祥司,岩波書店)


具体的には、病院・宿泊施設・福祉施設・集合住宅等に安価な熱と電力を供給する
コージェネレーション事業の伸長が見込める。
原子力を締め出すことによって投資増とコスト低下が実現するのは確実だ。
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米NSC元高官、日本の特定秘密保護法案を厳しく批判 -「幅広い意見聴取をせず、急いで策定された」

2013-12-09 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
共同通信調査では、安倍内閣の支持率が急落し50%を割り込んだ。
民主党の大失策と米経済回復という二重の幸運に恵まれているから
2015年あたりまでは何とか生き延びるのではないかと思っていたが、
意想外に早く馬脚を現すことになった。

世界経済回復に助けられていてもこの始末だから、
2014年の内にレイムダック化する可能性すら出てきた。
権力大好きな議員ばかり揃っている自民党だから、
またぞろ醜い権力闘争が内部で始まるだろう。

日本国民は必ずしも特定秘密法案そのものには反対ではなかったのだが、
自らの案を押し通そうとする自民党の傲慢さと外部の意見を取り入れない独善性が
国民の反発を買ったのである。本当に学習能力が低いとしか言いようがない。
また選挙で大敗しないと目の覚めない輩である。

当ウェブログは尊大・バラ撒き・民意無視という三つの症例を挙げて
「自民病」と名付けたが、矢張り病気が再発したと見てよいだろう。
慢性病なので根治不可能であるものと思われる。

▽ この「沖縄密約」時も自民党政権で、結党以来ずっと有権者を見下し欺く体質は変わらない

『沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟』(西山太吉,岩波書店)


当ウェブログが予見した通りに事態が動いている。

「自民党の学習能力の低さは本当に驚愕すべきものである」

「自分が理解してもいない分野で
 有権者を見下した質の低い発言が政権や与党の政治家から相次いでいる」

「何しろ二世ばかりの政党だから或る種の「遺伝病」だろうが、
 それにしても調子に乗るのが余りにも早過ぎる。
 ほんの数年前にあの民主党に対し選挙で惨敗したのをもう忘れたらしい」

「安倍首相は外交分野だけで発言して経済は余計なことを言わない方がよい。
 石破幹事長は安全保障分野だけ発言して他は黙って分かっているような顔をした方がよい。
 何故これから苦境が待っているにべらべらとお調子者の発言をし始めるのか」

「まさに今、口を滑らせている軽率な一言一言が、次の選挙で
 自民党候補を叩き落とす原因を作り上げているのである」

「政党や政権の本質が全く変わっていないのだから、
 一時的な雰囲気に流されて投票した有権者にも重大な責任があると言わざるを得ない」

次は有権者が「一時の気の迷いで自民党に票を与え過ぎた」ことを反省し、
その反動が徐々に強まってゆく時期に入る。

 ↓ 参考

尊大・バラ撒き・民意無視、矢張り出てきた「自民病」- 有権者を朝三暮四の猿扱いする病気は治療不可能
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e45381db60bc1ecce3a4b9787a1a27cb

時代錯誤の自民党議員の家族観、司法をも軽んじる独善 - 西川文部科学副大臣は公然と政府に反抗か
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/c23c46a20f937447f97287bdb9223599

秘密法「修正・廃止を」が82% 内閣支持率急落47%(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201312/CN2013120901002123.html
”共同通信社が8、9両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、6日成立の特定秘密保護法を今後どうすればよいかについて、次期通常国会以降に「修正する」との回答は54.1%、「廃止する」が28.2%で合わせて82.3%に上った。「このまま施行する」は9.4%にとどまった。法律に「不安を感じる」との回答も70.8%を占め、「知る権利」侵害への懸念が根強い現状が浮き彫りになった。
 内閣支持率は47.6%と11月から10.3ポイント急落。50%を割ったのは、昨年12月の第2次安倍内閣発足以来、初めて。

世論の多数派は修正を求めていたのであって、廃止を求めていた訳ではない。
それを無視し開き直って強行成立させた自民党のミスは重大である。
これは安倍首相が後になってから言い訳したところで取り返せるものではない。


秘密保護法案:「ツワネ原則」策定の米財団「深い憂慮」(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20131207k0000m040049000c.html
”情報公開と国家機密のバランスをとるための国際的な指針として注目されている「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(ツワネ原則)の策定を主導した米国の「オープンソサエティー財団」が5日、特定秘密保護法案に「深い憂慮」を表明した。
 発表文によると、同財団の担当者は法案について「国家安全保障についての市民の知る権利を厳しく制限しており、国際的な標準を逸脱している」と指摘。同財団顧問で米国家安全保障会議(NSC)の元高官、モートン・ハルペリン氏は「市民や国際的な専門家を含む幅広い意見聴取をせず、急いで法案が策定されたことも憂慮している」と見解を示した。【日下部聡】”

このようにNSC元高官からも批判されている始末である。
当ウェブログが書いたように、特定秘密保護法案は
我が国の原子力と同じくアメリカの「劣化コピー」でしかない。


朝日・毎日は特定秘密保護法案に反対するほど取材しているか!(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131207-00000522-san-pol
”このコラムで、朝日新聞と毎日新聞の主張に対する反論を、集団的自衛権などをテーマに2回にわたって書いてきましたが、その度に多くのアクセスをいただきました。これまでもそうでしたが、安倍晋三政権が本格的な保守政治を進めてきていることから、とくに最近は産経、少なくとも私と、朝日、毎日両紙の見解は大きく異なるようになりました。
 私としては安倍政権の重要課題が進むのか、後退するのかは、国家、国民の将来を大きく左右すると思っているので、座視することはできません。そこで、今回は朝日、毎日両紙がことのほか熱心な特定秘密保護法案について、両紙の主張に対する私の見解を述べたいと思います。個別具体的な論点は、各紙面で詳細に報道されていますから、ここでは法案に対する基本的な考え方と、特定秘密に対する記者の姿勢のあり方に絞って論じます。
 まず、新聞各紙をごらんになっている方はご存じだと思いますが、この法案について「賛成」は産経・読売、「反対」は朝日・毎日とくっきり分かれています。私の見解はもちろん賛成です。ただ、特定秘密も歴史的に検証される必要がありますから、一定期間後は原則公開すべきです。そのための仕組みも作られることになりましたので、後はこれらを確実に実行してもらいたいと思います。
 これに対して、朝日、毎日両紙は相変わらず、猛烈な「反対のための反対論」を掲げ、それに沿った紙面づくりをしています。しかし、この主張には国際的な現実という視点が決定的に欠けています。
 産経、読売両紙が何度も書いているように、現在そして今後の国際的な安全保障、つまり国民の安全にかかわる外交、軍事の分野においては今や、「情報戦」が最も重要になっています。どんなすばらしい兵器をもっていたとしても、情報で後れをとったら外交、軍事の分野で優位に立つことはできません。それが国際社会の現実です。
〔中略〕
 しかし、朝日、毎日両紙は、そうした国際情勢を踏まえた法案の必要性にほとんど触れず、「国民の知る権利」という国内の観点のみを強調して反対論を展開しています。それも、いろんな例を挙げて「こういうこと、ああいうことをしたら逮捕されてしまう『おそれ』がある」と、不安ばかりをあおる紙面作りをしています。これでは「バランスを欠いた現実無視の反対のための反対論」といわざるをえません。
 また、両紙は世論調査をやっては「反対」が「賛成」を上回っていることを掲げて、「国民は反対している」と強調しています。しかし、私はこの問題は一般の方には分かりづらい問題なのではないかと思います。政府に秘密があった方がいいか、ない方がいいかと聞かれたら、当然、多くの方は「ない方がいい」と答えるに決まっています。政府に秘密があるのは「当然」または「仕方がない」と答える方は、かなり国際情勢や外交、軍事の事情に精通されている方です。
〔中略〕
 日本に情報を提供したら表沙汰になると思われたら、機密情報を他国から得ることはできません。しかし、その機密情報が得られなければ、世界各国が激しい情報戦を行っている中で、現在、そして将来にわたって、国家、国民の安全を守ることができません。
 朝日、毎日両紙が強調するように、国民には「知る権利」があり、それは憲法で保障されています。そのこと自体に私も異論はありませんし、われわれマスコミの存在理由もそこにあります。ただ、「国民の知る権利」は、国民自身の安全を守るために、時と事案によって一定の制限を受けるのはやむをえないと思います。
 次に特定秘密に対する記者の姿勢のあり方について論じたいと思います。外交や軍事などの分野の機密情報は、法案が成立したら突然できるわけではなく、過去も現在もあります。実際、私は外務省も防衛省も長く取材してきましたので、機密情報には頻繁に接触してきました。その度に私は報道することが国家、国民にとって利益、つまり国益になるかどうかを考え、伝える必要があると判断した事案はスクープという形で報道してきました。一方、国益に反すると判断した時は控えてきました。
 たとえば、外務省にはその内容から「機密」に指定される文書が存在します。私は何度もその文書を入手して、スクープしてきました。しかし、その機密文書が外部に流出することは許されることではありませんから、私は入手しても、入手していないように配慮して、記事を書いてきました。たとえば言葉の順番を入れかえたり、意味が変わらないように表現を変えたりしてです。
〔中略〕
 ここで、西山記者事件について詳しく述べる余裕はありませんが、彼の取材手法や、入手後、報道をせずに国会議員に機密文書を渡したことを考えれば、有罪となるのは当然だと私は考えています。少なくとも私は、これまでの取材において記者としての矜持(きょうじ)は保ってきたつもりですし、機密文書を入手して国益にかなうと判断すれば堂々と報道し、彼のような他人に手渡すなどということをしたことはありません。
 それを踏まえて、朝日、毎日両紙の反対論に「記者としての姿勢」という観点から反論します。まず、両紙の記者は「国民の知る権利」を振りかざすほど、きちんと取材して応えていると言えますか。胸に手を当てて考えてみてください。私は最近の各紙を読んでいて国家の機密に触れたスクープが少なすぎると思います。わが産経新聞も含めて、今の若い記者は「国民の知る権利」に応えるだけの取材をしていないのが現状ではないでしょうか。
 私は今年5月まで、政治部記者として永田町、霞が関で取材してきましたが、今の若い記者のほとんどはサラリーマン化してしまっていて、機密情報を入手するほど取材先に食い込めていないのが現状です。しかし、記者にとって情報は「与えてもらうもの」ではなく、「取材先に食い込んで自ら取るもの」なのです。
 普段は自分がそこまで取材していないにもかかわらず、特定秘密保護法案に対して目の色を変えて反対論を展開するというのは、記者の姿勢としていかがなものでしょうか。自分自身のが「国民の知る権利」に応えられていないサラリーマン記者には、法案に反対する資格はないと思います。
 ただ、朝日、毎日両社の中にも、機密情報を得ながら国益に反するという理由で報道していない記者が、少なからずいることを私は知っています。そうした「できる記者」ほど、特定秘密保護法案の必要性を実感していると思いますが、おそらく社内事情で主張できないのでしょう。しかし、それもまた「サラリーマン記者」であることを反省してほしいと思います。
 私が考えるに、記者は特定秘密保護法があろうとなかろうと、報道することが国家、国民の利益になるという情報を得たときは報道すべきなのです。それで罪に問われるなら、裁判で堂々と「自分は正しい」と主張して戦えばいいだけです。自分の体を張る覚悟がなければ「国民の知る権利」に応えるべき記者、ジャーナリストは務まりません。特定秘密保護法ができたら萎縮してしまうような記者は今すぐ、仕事を変えるべきです。
 朝日、毎日両紙の記者、とくに社説を書いている論説委員に問います。あなた方はそういう覚悟を持っていますか。国家、国民のためよりも、会社の中で何とかうまくやっていきたい、出世したいという根性でやっていませんか。会社の方針に安穏と従って特定秘密保護法案にも反対していませんか。
 もうこれ以上、「反対ありきの反対論」で国民を誤った方向に導くのはやめてほしいと思います。「国民の知る権利」が守られるかどうかは、特定秘密保護法案ではなく、われわれ記者の気概と姿勢にかかっているのです。(高橋昌之)”

出た産経クオリティ。これだけ多弁を弄しても元NSC高官の一言に及ばない。
読売は事実と意見をある程度峻別するが、産経はそれすらしない記事もあるのが特徴だ。
イデオロギーが混じらなければ良い記事もあるのだが、これでは質の悪い読者を集めるだけだろう。

この記者が「本格的」と称える安倍晋三政権など
民主党の失策と米経済界回復の二重の幸運に恵まれた単なるタナボタ政権であり、
早ければ2014年、遅くとも2016年には支持率が急落し確実にレイムダックとなる。
先見性が乏しいからこのような軽率な発言をしてしまうという典型である。

「バランスを欠いた現実無視の賛成ありきの賛成論」を唱えるこの記者は、
なぜ米国がNSCやCIAを擁していながらイラク戦争の泥沼に陥ったか全く理解していない。

「この問題は一般の方には分かりづらい」「国民を誤った方向に導く」といった文言は
自分は国益を理解できるが愚かな一般国民は分からないという高慢な意識を露呈させている。

自ら外務省や防衛省の情報リークの片棒を担いだという事実を明らかにし、
実質的に政府の御用記者の役割を果たしたことを明言している訳だから始末が悪い。

社会心理学を専門とする釘原直樹・大阪大教授は

「集団浅慮に陥った集団は、外集団に対して不正確で否定的な認識を持つ傾向がある。
 これは敵に対するステレオタイプやイデオロギーに基づいている」

と書いているが、偶然にもこの産経記者が身をもって実例を示している。
自ら格好の反面教師となって公衆に知らしめた点で寧ろ賞賛に値するのかもしれない。

▽ こちらを参照

『人はなぜ集団になると怠けるのか -「社会的手抜き」の心理学』(釘原直樹,中央公論新社)


辺野古容認:「有権者だます公約違反」自民県連党員も批判(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20131202k0000m010075000c.html
”米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設を公約としていた自民党沖縄県連が1日、同県名護市辺野古への普天間移設を正式に容認した。「普天間の固定化を阻止するため」と強調するが、県内の党員からも「有権者をだます公約違反」と反発が収まらない。
〔中略〕
 「県連が県民との約束をほごにし、辺野古移設容認に転じると思わなかった」。県連顧問で元県議会議長の仲里利信さん(76)は批判する。抗議の意思を示すため、県連顧問の辞表を出した。「ヤマト(本土)に屈して辺野古への移設を認めてしまえば、沖縄は永遠に基地の島になる」とも指摘する。
 県連は2009年、「最低でも県外」を掲げた民主党政権の誕生を機に「県外移設」に転じた。以降、辺野古移設を進める党本部に反し、今夏の参院選を含む3度の国政選挙で「県外」を主張。県全体に強まる「県外」の声を代弁してきた。
 それだけに、党本部に迫られての方針転換は内部にも強い反発を生んでいる。
県連所属の那覇市議14人も衆院沖縄1区の支部役員の辞表を提出。1区副支部長の安慶田(あげだ)光男市議会議長は「公約破りは問題。党本部と違う政策を圧力で変えさせるのは独裁的だ」と憤る。
 執行部の説明は歯切れが悪い。辺野古容認を決めた1日の総務会後の記者会見。県連トップの翁長(おなが)政俊会長は「県外にこしたことはない」と釈明しながら、「沖縄からの基地分散をお願いしても、都道府県のどこも手を挙げてくれない」と苦悶(もん)の表情を浮かべた。さらには「県外を主導してきた会長として辞任を決意している」と言い出し、同席した照屋守之幹事長が慌てて会見を打ち切った。
 翁長会長の進退は役員会に一任されたが、照屋幹事長は記者団に「突然でびっくりした。頭が混乱している」と驚きを隠さなかった。普天間問題の行方を左右する来年1月の名護市長選にも影響しかねない。
〔中略〕
 移設反対グループ「ヘリ基地反対協」の安次富浩共同代表は「有権者への裏切りは会長辞任だけで決着がつく問題ではない。自民党の国会議員や県議の辞職を求める県民の声は強まる一方だ」と冷ややかに話した。【佐藤敬一、福永方人、井本義親】 ”

このように自民党の「嘘つき体質」は明白である。
世論の反発を受けると口先で丸め込み、後になってから平然と言を翻す。

日の丸君が代の問題の際にも有権者を口先で誤摩化して欺き、
公正な立場での正々堂々の議論と説得を怠った「実績」がある。
こうした「前科」を持つ嘘つきを信用する方が間違っている。
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特定秘密保護法『権利や報道に配慮』は大嘘、現役官僚が証言-核燃サイクル推進派「原発まるごと秘密」画策

2013-11-25 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
今まさに悪評だらけの特定秘密保護法案だが、
国連人権理事会に「深刻な脅威」として名指しされても
平然と法案を通そうとする自民党の独善ぶりは治療不可能である。

日の丸・君が代の件でも証明されたように
自民党は元々公正明大な論議から逃げて見解の異なる人々を説得する努力も怠り、
己の価値観やイデオロギーを強要する悪しき体質を持つ。
(説得する能力が極端に低いので他の選択肢がないのである)

第三者機関の設置を「検討」などと見え透いた言い訳で逃げる
みっともない首相に抗議して自民を離党する議員が何人も出ても当然の事態だが、
民主主義を全く理解していない傲慢な秘密主義の連中か、
「寄らば大樹の陰」で保身に走る恥ずべき「選良」ばかりであるようだ。

こうした事態を喜んでいるのは、メディアや世論の追及を恐れる
既得権勢力や、国民に隠れて策謀を巡らす連中ばかりである。

事実、因果応報で窮地に立たされた核燃料サイクル推進派の官僚が
原子力すべてを「特定秘密」に指定できるよう策動している。

▽ 我が国の原子力は、手厚い政府の保護と莫大な公費を受けても情報隠蔽・不祥事を続出させてきた

『新版 原子力の社会史 その日本的展開』(吉岡斉,朝日新聞社)


特定秘密保護法案は、日本の原子力と同様の末路を辿ることになろう。
つまり「アメリカを形だけ真似した劣化コピー」に堕落する、ということだ。

「原子力「業界」は実によくかつてのソビエト連邦と似ている。
 「組織を維持すること自体が自己目的化」しているからである。
 福島事故がなければこうした醜悪な実態を広く国民が知ることはなかったであろう。
 原子力は最初から強権的な「自己宣伝」の歴史であったのだから驚くべきことではない」

「毎日新聞が鋭い取材で腐敗した原子力利権勢力の本性を暴いている。
 こうした買収行為が彼らにとっては「常識」「当然の業務」だったのである」

と当ウェブログは主張してきた。
利権勢力や国民を洗脳したい連中は、特定秘密保護法案に万歳三唱している筈である。

 ↓ 参考

「原発再稼働すれば30億円出す」- 全く変わっていない原子力ムラの体質、傲慢・金権・天下り広報機関
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7a03b05ddb9b112915be0ee3f3ce3322

「こういう組織の存続を許すこと自体が問題」-杜撰なもんじゅ点検漏れ問題、日本原子力研究開発機構に鉄槌
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/7a03b05ddb9b112915be0ee3f3ce3322

▽ 薄汚い原子力業界のカネの流れ、日本国内で買収された工作員どもが暗躍中

『原発の深い闇』(別冊宝島 ノンフィクション)


報道への深刻な脅威=秘密保護法案に懸念―国連報告者(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013112300013
”【ジュネーブ時事】国連人権理事会のフランク・ラ・ルー特別報告者(表現の自由担当)は22日、声明を発表し、日本の特定秘密保護法案は「秘密の範囲が非常に広範で根拠が不明確」と指摘、秘密情報を扱う報道関係者や内部告発者の人権に対する深刻な脅威だと懸念を表明した。
 ラ・ルー氏は「透明性は民主主義の根幹」と強調。秘密扱いにすべきかどうかは、秘密漏えいが国民全体の利益を損なう場合に限られるべきであり、「独立機関が判断すべきだ」と訴えた。”

極めて適正な見解だと思うのだが、
安倍内閣や自民党のレヴェルはここにすら至っていないのである。
その程度の政党に投票した連中は、軽挙妄動の報いを受けることになろう。


特集ワイド:特定秘密保護法は霞が関を劣化させる 覆面官僚作家が警告(毎日新聞)
http://mainichi.jp/shimen/news/20131119dde012010003000c.html‎
”「知る権利」を揺るがす特定秘密保護法案は今週、衆院を通過する見通しが強まっている。情報を独占する霞が関からはどう映るのか。9月に原発行政と電力業界の闇を描いた小説「原発ホワイトアウト」(講談社)を出版した現役キャリア官僚の覆面作家、若杉冽(れつ)さんに聞いた。【吉井理記】
〔中略〕
 「特定秘密保護法案に『知る権利や報道に配慮する』との条文がありますね。これで喜んでいるメディアがあるなら、相当おめでたいなあ」。記者を見据える。「だって、僕らがいろんな法案の説明で議員を説得する時にやる手と同じなんですよ。『配慮』『尊重』『勘案』は独特の官僚語。僕らは事前に『この規定は慎重派の公明党さん用』『この条文は反対野党のねじ伏せ用』と、空手形のような拘束力のない努力規定・条文をカードとして用意しておき、議員の反応を見ながら切っていく。例の条文も、その程度のもの。『配慮をするつもりはない』と言っているのとほとんど同義ですね
 法案は▽防衛▽外交▽テロ防止▽スパイ防止--の4分野について、「特に秘匿を要するもの」を大臣ら行政機関の長が「特定秘密」に指定し関連文書や情報を秘密にできるようにするものだ。特定秘密にタッチできる公務員は、情報を漏らす恐れがあるかどうかを調べる「適性評価」で決める。特定秘密を漏らせば最長で懲役10年、共謀したりそそのかしたりしても5年以下の刑罰が科される。
 秘密の範囲もあいまいだ。条文には「その他安全保障に関する重要なもの」など「その他」が次々に出てくる。役所にとって不都合な情報は適当な理由をつけてあれもこれも「特定秘密」にしてしまうのでは、と懸念されている。
 かねての疑問をぶつけた。現行の国家・地方公務員法にも「職務上知り得た秘密は漏らしてはならない」との「守秘義務」がある。こちらは1年以下の懲役、特定秘密保護法案は最長で10年だから文字通り桁違いの厳しさではあるが、逆に言えば、刑の重さ以外はそう変わらず、むしろ官僚にとってはメディアや国民に騒がれず事を進められる便利な法案なのでは?
 「とんでもない」。語気を強めた。「今の守秘義務は何が秘密か、事実上、個々の公務員の判断に委ねています。不必要に秘密を漏らせばアウトですが、仕事で必要なら他の官僚や議員とほぼ何でも相談できる。よく『役所は縦割り』と批判されますが、それを補う風通しの良さは担保され、結果的に国民への還元につながっていました」
 ところが特定秘密保護法が成立してしまえば、「これは特定秘密だ」と絶対的な指示が降ってくる。「問答無用、個々の公務員に判断の余地はない。そこが最大の違いです。良い仕事をするには組織の柔軟さが不可欠。実務に携わる身としては『まともな仕事ができなくなる』という不安だけが募ります」
 具体的には、霞が関で何が起こるというのか。
 「政策を立案する時、部署や省庁の垣根を越えて意見を聞いたり『今こういう状況だが、当時はどうだったのでしょうか』と前任者やOBにアドバイスを求めたりすることがよくあります。政策は、多角的なクロスチェックを経てこそ磨かれますから。この法案はそれを不可能にする」
 原発ムラに切り込んだ自身の小説に沿って語ってくれた。ある官僚が、原発に外部電源を送る送電鉄塔の安全基準を向上させる政策立案を担当したとする。「テロに利用される恐れのある特定秘密情報だから漏らすな」との厳命付きだ。鉄塔は山の中にもあるから、林野庁や環境省との情報交換が必須だ。現行基準が設けられた時の担当者に経緯を聞いたり、技術的な助言を得るために旧知の研究者や企業に接触したりもしたい。だが--。「お互いに公務員といってもキャリア、ノンキャリア、精通分野など千差万別。相手が特定秘密を扱う資格のある人物なのか、いちいち確認しなければならないし、外部の人たちとなると、なおさら相談しにくい。その結果、役所のごく狭い範囲の人間だけで作る独りよがりの政策になる。今の例でいえば『より安全な鉄塔』という本来の目的からも遠ざかります」
 政策や法律をつくるのは官僚だけではない。官僚の腰が引ければ、普段から官僚を交えて勉強会を開き、必要な知識を蓄えている国会議員の動きも鈍る。「議員との勉強会の中から、官僚だけでは考えつかない斬新な議員立法のアイデアが生まれることがあるのです。しかし、その機会は確実に減るでしょうね」。国会は政府の提出する法案を審議するだけの場所に成り下がりかねないというのだ。
 第1次安倍晋三政権時の2007年、安全保障や外交上の秘密などのうち、重要項目を「特別管理秘密」とすると定めたが、その数は41万2931件(昨年末)。政府は「絞りをかけるから(特定秘密の件数は)より少なくなる」(11日、衆院特別委での森雅子特定秘密保護法案担当相の答弁)と説明している。若杉さんはこれにも疑いを持つ。「実は昨年6月、『原子力の憲法』と言われる原子力基本法が改正され、『我が国の安全保障に資する』ことも目的にする、との文言が滑り込みました。それを根拠に原発情報を丸ごと特定秘密化することが可能になった。核燃料サイクル推進派の官僚の入れ知恵ですが、事程左様に秘密が『少なくなる』保証なんて何もないんです」
 隠された「不都合な真実」を明るみに出すのは、心ある公務員とメディアの共同作業のはずだ。その際、やはり厳罰化がボディーブローのように効いてくるのは避け難いとみる。「元からまともに取材に応じない官僚は『それは懲役10年もの』とか言って記者を蹴散らすだけでしょうが、このままでは話せることは話す誠実な官僚までが怖がって何も言わなくなる。僕だって正直、ビビりますよ。特定秘密は外国からもらった情報だけにすべきです」〔以下略〕”

様々な害悪が生じると予想されるのだが、まずは原子力分野である。
今迄も独善・情報操作・癒着・買収紛いの公金バラマキ・果てしない不祥事と
国民の不信を自ら招き寄せる体質が骨の髄まで浸透しているのだから
特定秘密保護法案に小躍りして「絶好の煙幕」として利用しようとするのは驚くにあたらない。
寧ろ彼らの習性と行動様式から見て当然の策動である。


内閣府特命担当大臣 森まさこ -「苦労人」の強さと弱さ(プレジデント)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131123-00011230-president-bus_all
”1964年、福島県生まれ。東北大学卒業後、95年に弁護士登録。ニューヨーク大学客員研究員、金融庁課長補佐を経て、2007年参議院選挙初当選。昨年12月より現職。
 父親が大きな負債を抱え、苦労して大学まで進んだ。借金返済に協力してくれた弁護士の姿に魅せられ同じ道へ。1995年に独立。消費者問題に強い人権派弁護士として活躍する。結婚し、2女の母親だ。家族の協力もあってアメリカに留学。帰国後は金融庁に入り、貸金業規制法の改正に奔走した。「弱者救済」がモットーだという。
 こんな活躍が自民党の目にとまり、福島県知事選に出馬。落選するも、2007年の参院選で初当選を果たす。東日本大震災以降は、被災地代表として支援を訴え、民主党政権を責め立てた。その迫力も買われて第2次安倍政権では当選1回ながら少子化対策・消費者担当大臣に抜擢。少子化支援の軸を育児から婚活へ大転換した。「子供を生むにはまず結婚。結婚した人への援助を厚く」という発想は興味深い。
 一方で、苦学して成功した反動か、他人に厳しい。また時として苦労は人から品性を奪うというが、政治家としてまだ駆け出しながら、「威張る、怒る、怒鳴る」の3拍子。かなり怖い。国会やテレビ出演で想定外の質問が出ると、スタッフの役人を「聞いていない。準備不足」と責めて人前でも大声で怒鳴り上げる。
〔中略〕
 そのくせ9月に特定秘密保護法案の担当大臣に就任してテレビ各局から番組出演の依頼が来ると、それを拒否する弱い一面も見せる。役人に聞くと「予期せぬ質問には答える力がない」。
〔中略〕
 「頭はいいが人望がない」とは政治家全体の傾向だが、このままでは女性登用をアピールしたい安倍総理の人身御供で終わってしまう。人間力アップのために、もう一苦労お願いしたい。”

辛辣だが興味深い記事だ。
ただ政治家は「頭はいい」のではなく「政策への理解は狭いが口はうまい」が正しい。

密約を暴いた西山事件を「不当取材」とする歪んだ認識を示した新人の担当大臣は、
このような人物であると報じられている。苦労人だろうが何だろうが
権力に取り込まれるとたたの歯車になるという好例である。

自ら進んで歯車になるだけなら兎も角、
それで無実の国民を木っ端微塵に粉砕する「手先」となるわけだから
現代史に黒々と忌まわしい刻印を残す以外に道はない。因果応報である。

……あと、「子供を生むにはまず結婚。結婚した人への援助を厚く」との主張は
事実上「離婚したシングルマザーなど知ったことか」という差別主義に直結することも分かっていないようだ。
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