最近朝起きたら新聞が届いている。
一週間無料お試しの京都新聞。
新聞は好きだが、新聞代を出す心持ちに余裕がないので取っていない。
だから月に2度くらい入る無料のリビング新聞を楽しみにしていた。
でもこの一週間、新聞とそれより分厚いチラシの束をチェックしながら「ミロ」を飲むのがいい時間だったので明日から新聞こないと思うと寂しい。
最近パンを焼くおもしろさを知った。
2度の発酵に時間がかかるのが今まで気の進まない理由だったが、発酵の為の40分や30分、イースト菌たちがいい働きをしているとおもえばこちらも掃除洗濯なんかをいい感じでやってしまえるものだ。
捏ねるのも膨らむのも非常にたのしい。捏ね→1次発酵→形成→2次発酵→焼きでちょうどお昼の時間になる。
今はまだ基本の丸い食事パンしか作ってないが、ぶどうパンとかクルミ、あんぱん、かぼちゃ 。。
今日は午後から個人口でもう2年ほど通っているT氏のところで仕事。
T氏は67歳未婚で独居で体に障害がある。本人いわく難産で半身不随になったそうだ。
時々言葉が口の中に引っかかったようになったり、描く線は短く薄く揺れている。
足を連れて歩く といった印象の、足の裏の外側に力をかける独特の歩き行をする。
週に一度ヘルパーが来る以外はどうにかしてひとりで暮らしているようで、バスにのって公民館のクロッキー会にも頻繁に訪れる。2年前、よく描きに来ているT氏とは顔見知りだった。ある日帰り際に、個人でモデルお願いできますかと言われ、それから仕事に行くようになった。
私の家から自転車で15分ほど。
親兄弟が居なくなった広い一軒家。
一階だけで台所を別にして4部屋ある。
家の中には紙類が散乱している。絵を描く為の画用紙、新聞、写真、チラシ、雑誌の類。
T氏はいわゆる画家ではないが何十年も裸婦を描き続けている。
油絵などの作品はなく、常に画用紙に鉛筆で描き、色を付ける事もほとんどない。前に色鉛筆を使ったところを一度だけ見た。
私より前にもモデルを家に呼んで描いていたらしく昔のモデルの浴衣姿の写真などがあちこちに飾られている。
穏やかな人柄で、時々みかんやバナナ、プッチンプリン、桜餅などを休憩中に出してくれたりする。
月の初めの1日のこと事を「おついたち」と言う。
若い頃は図書館で働き本の研究をしていたそうだが、現在床に落ちている本は、裸婦のポーズの本、大河ドラマのガイド、杉本彩の小説、キネマ美女図鑑 など。
新聞やチラシに載ってる女の子で気に入ったのがあると切り抜く癖があるようで、古いポーズの本の間に一体昭和何年のものだろうと思う切り抜きが挟まっていたりする。
おそらく家族が使っていたであろう長方形の卓袱台が今はモデル台になっている。
ポーズ中、天井の木目をぼーっと見ながら、いくつもある洋服箪笥の中には誰の衣類が入っているのか、二階はどうなっているのか、この人今日何食べるんやろう と考える。
台所の床には炊飯器がおいてあるのでお米は炊くようだ。
冬に食べ物のことを話した時に、
「冬場は毎日水炊きやなあ」
ポン酢ですか
「あじポンやなあ」
ゴマだれもいいですよ
夕方になると隣から小学校低学年くらいのピアノの練習が聞こえてくる。
毎回そんなにたくさんのことをしゃべる訳ではなく、気候や次の予定のことの他は大してしゃべらず休憩中、私はずっと毎日新聞を読んでいる日もある。
なぜ女性を描き続けるのか、どんな恋愛をしたのか、決して裕福そうな暮らしぶりではないがモデル代はどこから捻出されているのか、聞いてみたい事もあるが。
最近知ったことだが、T氏は日記を付けている。
それも欠かす事無くおよそ半世紀分。
すべて二階の部屋にあるらしい。
日記の他にも撮った写真や描いた絵もそこにあるという。
見てみたいと思った。
日記の内容ではなく半世紀分の日記の摘んである様子。
「俺が死んだら全部灰になるだけやけどなあ」
とT氏はいう。
彼の死後、親戚は日記と大量の女の裸の絵に出くわすだろう。
発見されるそれらはなんだかT氏の一世一代の仕掛けのようだ。
頼めば上げてくれそうだったが今日はいわないでおいた。
一週間無料お試しの京都新聞。
新聞は好きだが、新聞代を出す心持ちに余裕がないので取っていない。
だから月に2度くらい入る無料のリビング新聞を楽しみにしていた。
でもこの一週間、新聞とそれより分厚いチラシの束をチェックしながら「ミロ」を飲むのがいい時間だったので明日から新聞こないと思うと寂しい。
最近パンを焼くおもしろさを知った。
2度の発酵に時間がかかるのが今まで気の進まない理由だったが、発酵の為の40分や30分、イースト菌たちがいい働きをしているとおもえばこちらも掃除洗濯なんかをいい感じでやってしまえるものだ。
捏ねるのも膨らむのも非常にたのしい。捏ね→1次発酵→形成→2次発酵→焼きでちょうどお昼の時間になる。
今はまだ基本の丸い食事パンしか作ってないが、ぶどうパンとかクルミ、あんぱん、かぼちゃ 。。
今日は午後から個人口でもう2年ほど通っているT氏のところで仕事。
T氏は67歳未婚で独居で体に障害がある。本人いわく難産で半身不随になったそうだ。
時々言葉が口の中に引っかかったようになったり、描く線は短く薄く揺れている。
足を連れて歩く といった印象の、足の裏の外側に力をかける独特の歩き行をする。
週に一度ヘルパーが来る以外はどうにかしてひとりで暮らしているようで、バスにのって公民館のクロッキー会にも頻繁に訪れる。2年前、よく描きに来ているT氏とは顔見知りだった。ある日帰り際に、個人でモデルお願いできますかと言われ、それから仕事に行くようになった。
私の家から自転車で15分ほど。
親兄弟が居なくなった広い一軒家。
一階だけで台所を別にして4部屋ある。
家の中には紙類が散乱している。絵を描く為の画用紙、新聞、写真、チラシ、雑誌の類。
T氏はいわゆる画家ではないが何十年も裸婦を描き続けている。
油絵などの作品はなく、常に画用紙に鉛筆で描き、色を付ける事もほとんどない。前に色鉛筆を使ったところを一度だけ見た。
私より前にもモデルを家に呼んで描いていたらしく昔のモデルの浴衣姿の写真などがあちこちに飾られている。
穏やかな人柄で、時々みかんやバナナ、プッチンプリン、桜餅などを休憩中に出してくれたりする。
月の初めの1日のこと事を「おついたち」と言う。
若い頃は図書館で働き本の研究をしていたそうだが、現在床に落ちている本は、裸婦のポーズの本、大河ドラマのガイド、杉本彩の小説、キネマ美女図鑑 など。
新聞やチラシに載ってる女の子で気に入ったのがあると切り抜く癖があるようで、古いポーズの本の間に一体昭和何年のものだろうと思う切り抜きが挟まっていたりする。
おそらく家族が使っていたであろう長方形の卓袱台が今はモデル台になっている。
ポーズ中、天井の木目をぼーっと見ながら、いくつもある洋服箪笥の中には誰の衣類が入っているのか、二階はどうなっているのか、この人今日何食べるんやろう と考える。
台所の床には炊飯器がおいてあるのでお米は炊くようだ。
冬に食べ物のことを話した時に、
「冬場は毎日水炊きやなあ」
ポン酢ですか
「あじポンやなあ」
ゴマだれもいいですよ
夕方になると隣から小学校低学年くらいのピアノの練習が聞こえてくる。
毎回そんなにたくさんのことをしゃべる訳ではなく、気候や次の予定のことの他は大してしゃべらず休憩中、私はずっと毎日新聞を読んでいる日もある。
なぜ女性を描き続けるのか、どんな恋愛をしたのか、決して裕福そうな暮らしぶりではないがモデル代はどこから捻出されているのか、聞いてみたい事もあるが。
最近知ったことだが、T氏は日記を付けている。
それも欠かす事無くおよそ半世紀分。
すべて二階の部屋にあるらしい。
日記の他にも撮った写真や描いた絵もそこにあるという。
見てみたいと思った。
日記の内容ではなく半世紀分の日記の摘んである様子。
「俺が死んだら全部灰になるだけやけどなあ」
とT氏はいう。
彼の死後、親戚は日記と大量の女の裸の絵に出くわすだろう。
発見されるそれらはなんだかT氏の一世一代の仕掛けのようだ。
頼めば上げてくれそうだったが今日はいわないでおいた。
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