毎朝更新の携帯ブログ

全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
福地脩悦の毎日更新の携帯ブログです。

和室の部材と歴史…北斗市

2006年09月20日 19時06分03秒 | Weblog
床の間の内側に立つ柱を床柱を言います。この柱は大黒柱のように家に架かる加重を支えるのではなく家宝を飾る床の間に相応しく美しさを強調し、その上に付く落垣(おとしがき)と呼ばれる材料を支えます。
家宝を飾る床の間は少し高くなっているものが多いのですが、この縁に付く材料を床縁(とこぶち)と呼ばれます。

和室への出入りや押入れの下部に敷居(しきい)があり、溝が彫ってあり建具が開閉されます。その建具を上部で受けるのが鴨居と言われる材料です。
畳の周りにの材料を畳縁(たたみぶち)と言い、天井材を受ける壁との突合せ部分に取り付ける材料を天井台輪(てんじょうだいわ)と呼ばれております。

本式の和室の鴨居に長押(なげし)言う板が付いています。鴨居と重なって15センチくらいの板なのですが、本式和室には必ず取り付けられます。位の高い人が使用する和室に用いられたと言われる事から、長押のある和室は本格的な和室と言われるようになりました。
しかし、この長押も付け長押と言われるものと、本長押と言われる二種類があります。

一見では判別できませんが、柱の上から見えないような細い釘で押さえ込んだものを付け長押と言います。本長押は、鴨居の上に長押の裏側を斜めに削いで、その斜めの部分を更に欠き込んで、その部分に上から釘で鴨居に直接落ち込みます。表面から見れば全く変わりませんが、長押の上部が細くなっているので、本長押であることが触って確認できます。
この和室の一つ一つにに武家屋敷の茶室の慣わしなどが定着したと言われるものや、平安時代に遡るような歴史と文化が凝縮されているのだと思われます。

写真は先週、訪れた中越地震の震源地、川口町の小宮山建築事務所さんが施工したファースの家で本長押のついた本物の和室を撮りました。
床柱に鴨居と本長押が取り付き、天井台輪などの細工の難しさを垣間見る事が出来ると思われます。0.1ミリの手先の細やかな作業でこの本核的な和室が出来上がります。
このファースの家の価格が大量生産のハウスメーカーと同じ価格です。

今日は久々に社内業務を行い、断熱材の組成研究や特許案件の検索などを行ないました。
台風一過…秋晴れでしたが肌寒さを覚える北斗市です。北海道で感ずるこの時期の肌寒さには一抹の寂しさが重なります。本州はいまだに残暑が続いていると言うのに…

ファースの家内容を更新しておりますのでご覧下さい。また、下記のコメント欄にご意見、ご提言、ご感想などをお寄せください。