風のたより

つれづれに

桜を愛でつつ(その5)   古都奈良

2011-04-29 | 桜を愛でつつ西日本の旅



                 旅の最後の奈良にやってきました。
                 朝からこの旅行中ただ一日だけの傘の出番となった雨の奈良となりました。
                 奈良は高校時代に修学旅行に来て以来の場所です。

                 奈良と言えば鹿、早速たくさんの可愛い鹿さんのお出迎えです。









                 駅前のホテルに一泊した翌日、早速奈良の街へ。
                 興福寺の五重塔を過ぎて猿沢の池の傍にやって来ました。
                 ここから見る興福寺の五重塔は良い眺めです。

                 池の中の石の上には、まるで置物のように並んでじっと動かないカメ、カメ、カメ!!





                 更に進んで、案内板に沿って行くと「浮御堂」に出ました。
                 浮御堂は春日大社の御手洗川の水が流れ込んだ池とか。
                 六角形のお堂がシンボルです。

                 池には鯉が、そして周りには鹿がたくさん。
                 浮御堂の周りも満開の桜でした。





                 更に歩を進めて春日大社へ。





                 神社入り口には、こんな大きな鹿の像が、、、、
                 奈良では鹿が神の使いとされ保護されているようです。





                 小雨にぬれた玉砂利を踏みながら本殿を過ぎていくと、、、、

                 ここは春日大社の中で写真のベストポイントだとか。
                 本殿回廊に並ぶ釣り灯篭は見事です。
                 外の団体を案内しているガイドさんの声に思わずパチリ!!





                 この後、春日大社を北に進むと有名な若草山に出ました。
                 ここでも小雨降る中たくさんの鹿が、春の雨に濡れていました。


             






                 若草山を右に見ながら歩いて行くとやがて法華堂として有名な三月堂に出ます。





                 更に進むと春を告げるお水取りで有名な二月堂に、、、、
                 ここが有名な二月堂なんですね。





                 毎年テレビ放映されるお水取りの行事はここからだったんですね。
                 階段を登り回廊へ。
                 二月堂の回廊を一巡りし、ここからの奈良の街を眺めました。
                 小雨に煙る古都奈良の街も風情がありますね。

                 斜めに長い階段を下りて、振り返ってみると二月堂の高さが分かります。





                 二月堂を見た後は、いよいよ奈良で有名な大仏様との御対面へ。
                 東大寺方面への小道をたどると、、、、





                 やがて満開の桜越しに東大寺が見えてきました。





                 やっぱり大きな建物ですね。
                 正面から眺めると、その大きさに圧倒されそうです。





                 近づいてみると本堂前に長蛇の列が、、、、
                 何かと訪ねると、今日は御釈迦様の誕生日とか!!!
                 すっかり忘れていましたが、今日は4月8日でした。

                 長い列の先には金色に輝く御釈迦様の像があり、皆さんお祝いの甘茶をかけているのです。
                 早速私達も列に加わり、甘茶づるから出したというお茶を頂きました。





                 その後ひとりづつ御釈迦様に甘茶をかけさせて頂きました。
                 大仏様にお会いする前に、お釈迦様にもお会いできるとはなんとラッキーなことでしょう。
                 日本人でもなかなか巡りあえない行事に加われた娘は幸運ですね。





                 そしてやっと奈良の大仏様にお会いできました。
                 正式名称は東大寺盧舎那仏像。
                 高校の修学旅行以来の御対面です。

                 大仏様は今日も大きな御心で私達を見守っていて下さっているようでした。
                 盧舎那仏に向かって右側に大仏の脇仏として如意輪観音が立っている
                 ことを初めて知りました。





                 奈良の旅の最後は東大寺よりすぐの正倉院へ向かいました。

                 東大寺大仏殿の北西に位置し高床式の校倉造(あぜくらづくり)で有名な正倉院は、聖武天皇や
                 天平時代の多数の美術工芸品を収蔵している倉庫です。

                 正倉院の前にはボランティアの方がいていろいろ説明してくださいました。
                 今までは正倉院全体が校倉造と思っていたのですが、良く見るとまん中の部分は板造りとのこと。





                 シルクロードの東の終点ともいわれる奈良の街は、どこかゆったりとして古都京都とは違う
                 落ち着いた趣がありました。
                 正倉院を出て都大路に向かう道にも満開の桜がお見送りしてくれました。

                 桜の広島から始まり桜の奈良で終わった娘との旅も無事終了となりました。
                 長らくお付き合いいただきありがとうございました。

                 季節はすっかり桜の時期から新緑の時期に入りました。
                 今日からはゴールデンウイークです。
                 皆様どうぞよい休日をお過ごしください。


  







桜を愛でつつ(その4)   岡山後楽園

2011-04-23 | 桜を愛でつつ西日本の旅



            桃太郎伝説で有名な岡山にやってきました。
            駅前には犬と猿を従えた桃太郎の銅像が立っています。






            先ずは駅前の桃太郎大通りを歩き岡山城へ。
            岡山城は街中をゆったりと流れる川幅の広い旭川をバックに現れました。






            別名「烏城」とも言われる岡山城です。
            黒い外観が烏城と言われる由縁でしょうか。
            どっしりとした外観ですが、建物は意外に新しい感じでした。






            お城を見た後は旭川にかかる月見橋を渡り今日の目的の後楽園に入ります。
            岡山の後楽園は江戸時代を代表する大名庭園で、水戸の偕楽園、金沢の兼六園に並び
            日本三名園の一つです。


            芝生に覆われた広い園内には、能舞台や茶室、築山などが園路や水路で結ばれ、歩きながら
            ゆったりと周りの景色を眺めることができました。


            幸いにも金沢の兼六園、梅で有名は水戸の偕楽園、そしてこの岡山の後楽園と日本の三名園を
            見ていますが、私はこの広々とゆったりとした岡山の後楽園が好みです。






            時の藩主の池田公が好んだと言われる廉池軒までやってきました。
            この廉池軒からの眺望を池田公は大変好まれ、遠来の客もきっとこの廉池軒からの
            眺めを楽しんだことでしょう。






            この廉池軒の前の池では、年に数回しかしないという珍しい池の掃除に出会いました。
            その風景をアマチュアカメラマンがあちこちから撮っていました。






            池の中には大きな立派な鯉がたくさん泳いでいます。
            池を竹ほうきで洗った後、池の水を替えるようです。
            桜をバックに池を掃除する光景は、春先の風物詩になっているのかもしれません。






            満開の桜の下では三々五々たくさんの人がお花見をしていました。
            どこで見ても桜はやっぱり綺麗ですね。

            時折吹く風に桜の花びらが風に舞い桜吹雪が、、、、、






            園内のあちこちではこんな光景も見られました。
            ここで式を上がられたのか、それとも記念写真を撮りにわざわざこの後楽園まで
            こられたのか、、


     



            白い打ちかけ姿の花嫁さんは、まるでモデルさんの様と思っていたら、どうやら
            もともとモデルさんだった方らしいのです。
            さすが立ち姿も顔の表情も決まってました。(小さい画像をクリックしてください。)





            春の暖かい日差しと桜をバックに若いカップルがあちこちに、、、
            春の良き日、末永くお幸せに!!





            岡山駅に戻る街中のショーウインドーに並んだ備前焼につられお店の中に、、、
            ここ岡山は備前焼の本場でもあるんですね。

            話好きな店の店主から備前焼の良しあしを教えて頂き、楽しいひと時が持てました。
            もっとゆっくりお話伺いたかったのですが、電車の時間が迫り残念でした。

            旅もいよいよ最後の奈良を残すだけになりました。
            午後は郊外に足を延ばした後、再び岡山駅に戻り奈良への電車に乗り込みました。











桜を愛でつつ(その3)  坂の街、尾道

2011-04-18 | 桜を愛でつつ西日本の旅



            山口県の親類のお墓参りを済ませ、午後3時近くの電車に乗り尾道に着いたのは夕方6時過ぎでした。
            ホテルに荷物を預け桜祭りのライトアップが始まったという山の上の千光寺公園に着いた頃には、
            日もとっぷりと暮れ瀬戸内の夕景を眺めることができました。





            翌日、いよいよ尾道散策の始まり。
            坂の街、尾道は噂にたがわず細い路地裏の階段がくねくねと曲がりながら、上まで登っています。





            階段の途中で襖を運ぶ数人の人に出会いました。
            この上の住宅の襖の張り替えのようですが、一人一枚づつ担いで持ち上げているところでした。

            車が入れない階段の多い尾道は、こうしてものを運ぶのですね。
            こうして運び上げても、料金は同じだそうです。





            更に上り坂を進むと天寧寺の五重塔に出ました。
            ここから眺める尾道の街もいいですね。
            振り返って眺めると、大分登ってきたことがわかります。





            坂道、細道、曲がり道、更に階段を登ってやっと鼓岩に出ました。
            鼓岩は別名ポンポン岩といい、NHKの朝の連ドラで有名になった場所だそうです。
            一枚岩のまん中あたりを叩くとポンポンという音がするところから付いた名前だとか。

            残念!ドラマを見てなかったので感激がいま一でしたが、ここ尾道は映画やドラマの舞台になる
            ことが多く、つい先日も撮影があったそうです。





            (小さい画像をクリックしてみてください。)

            路地裏を歩いているとよく猫に出会いました。
            尾道は猫が多いようで、観光客が通るせいか割合人に慣れているようです。
            ここにもごろんとお腹をひっくり返している人懐っこい猫ちゃんがいました。

            ゴールデンレトリバのーこのワンちゃんも、この階段を毎日お散歩するのだそうです。
            飼い主さんも大変ですね。

            でもこのワンちゃん、階段を毎日お散歩の割には結構肥っていて獣医さんからは
            もっとやせるようにと言われていると飼い主さんが言っていました。(笑)





            更に登って展望台まで、、、
            ここからは尾道の街が一望できます。





            坂道の途中であちこちのお寺に寄ったので、実はこの写真どこのお寺で撮った桜だったか???
            たぶん御袖天満宮の桜だと思うのですが、、、とにかく満開でした。           






            仁王門で有名な西国寺。
            この仁王門と仁王尊像はともに安土桃山時代のものだそうです。

            大きなわら草履がなんとも印象的なお寺でした。
            西国寺を最後にここからは下り坂。





            坂の途中では、今日が退院と言う生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこした若いお母さんにも出会いました。
            お宅は坂の途中にあるとのこと。
            毎日この坂道を大きなおなかを抱え登ったり下ったりされたのでしょうね。











            尾道散策の最後は、登りしなに見落とした「天寧寺のしだれ」を見ようと再度立ち寄りました。
            道で出会った人の言葉どうり「天寧寺のしだれ」は、それはそれは見事はしだれでした。

            初めて行った尾道は坂道、細道と入り組んだ路地裏に、ここで生活されている方々の息づかいが
            感じられるような不思議な魅力を持った街でした。

桜を愛でつつ(その2)   安芸の宮島と錦帯橋

2011-04-15 | 桜を愛でつつ西日本の旅



            宮島口からフェリーに乗り厳島神社へやってきました。
            瀬戸内海に浮かぶ赤い鳥居の厳島神社は、今日も真っ青な空に映え美しい姿で
            海の上に建っています。

            この朱塗りの大鳥居は、奈良の大仏と同じ高さで16mあり、主柱は樹齢500~600年のクスノキの
            自然木で作られているのだそうです。
            安芸の宮島と言うとやっぱりこの赤い鳥居ですね。





            厳島神社にはたくさんの鹿がいて、観光客のかわいいモデルになってくれています。
            この鹿さんも鳥居の手前にいてじっと動かず“一緒に撮って!”と言わんばかりに
            良いモデルになってくれました。





            いよいよここから海に浮かぶ厳島神社の回廊に入ります。
            この厳島神社は現在はユネスコの世界遺産になっており、創建は12世紀の時の権力者である
            平清盛の造営とか。





            海に浮かぶこの社殿造りはいかにも優雅で、青い空と海の間に浮かぶ赤い社殿はまるで
            竜宮城の中に紛れこんな様な、なんとも不思議な空間です。





            海中の大鳥居に向かって平舞台が広がっており、中央に一段高い高舞台があります。
            本殿左には古い能舞台もありました。







            回廊の全面は瀬戸内海に、後ろには神が降臨すると言われる弥山が控え、海と山の自然の
            中にぽっかりと浮いた別天地の感じでした。






            桜の下でのんびりとくつろぐ鹿、桜とマッチしてますね。





            この後は本殿裏の階段を登り、護国神社と言われる千畳閣まで上がり、上からの瀬戸内の海を
            眺めました。





            安芸の宮島のシンボル的存在のこの海の上の大鳥居は、干潮時には陸続きとなり、徒歩で
            鳥居の下まで歩くことができるのだそうです。
            また満潮時には鳥居をくぐる参拝遊覧船なども運航されているようです。





            厳島神社を見た後は、ここからさほど遠くない山口県の岩国まで足をのばし錦帯橋へ。
            日本三名橋のひとつ「錦帯橋」 は、日本を代表する木造橋です。
            山の上には岩国城があります。





            錦帯橋は五連の反り橋が特徴で、1673に造られ1922年 (大正11年) には国の名勝に
            指定されています。

            橋の長さは、210m、幅5m、橋台の高さ6.64mで、継手や仕口といった組木の技術によって
            造られているのだそうです。





            この錦帯橋周辺も桜の名所で、錦川沿いにずらっと桜並木が続いています。
            この日も河原から桜見物をする人が大勢いました。





            橋を渡り反対側から見た錦帯橋です。





            こちら側に渡りロープウェイで岩国城に上がり、上からゆったりと蛇行しながら流れる錦川と
            それにかかる錦帯橋など上からの眺めを楽しみました。


桜を愛でつつ(その1)  原爆ドームと縮景園

2011-04-10 | 桜を愛でつつ西日本の旅



             一週間ほど家を空け戻ってみると、庭の白もくれんやシデコブシは終わりかけていましたが、
             代わりに土佐ミズキが黄色い花房をたくさん付けて咲きだしていました。


             東北関東大震災から早くも1カ月が経ちました。
             被災地の状況はいっこうに改善されず、福島原発の先の見えない状況も進展が見えず
             不安といらだちの日々が続きます。

             こんなさなかオーストラリアから仕事のオフを利用して娘が帰国しました。
             原発の問題は海外でも大きな話題となり、今のこの時期になぜ日本に行くのと周りの
             方々から声をかけられたそうです。

             今回の帰国は、休みを利用して主人の古里山口のお墓参りが一番の目的でしたが、
             ついでに広島や岡山、さらに奈良へも足をのばした旅となり、丁度桜の時期と重なり
             娘とふたり思いがけない日本の美しい春を味わうことがでました。






             まづは広島に着いて一番先に行ったのが平和公園と広島を代表する原爆ドームでした。
             ここは今までにも何度か来ています。

             毎年開催される平和式典の会場となる広い公園の記念碑の前は、いつもお花がいっぱい。
             記念碑越しに原爆ドームが望めます。





             広い平和公園を過ぎ、元安川沿いにそっていくと、右手に原爆ドームが見えてきます。
             今や世界遺産にもなり、ヒロシマのシンボルともいえる原爆ドームです。

             川沿いは少し寒かったのですが、桜は丁度五分から八分咲き位でした。





             更に川沿いを進んで、上空からの標的になったというT字路になっている相生橋を渡り原爆
             ドームに近づきます。

             原爆ドームとなったこの建物は、もとは広島県物産陳列館だったもので、爆心地はここから
             南東約160メートル、高度約600メートルの位置で炸裂し、建物内にいた人は全員即死し建物内は
             熱線による火災で全焼しました。

             1945年 8月6日午前8時15分、原爆炸裂。
             爆風の圧力は1平方メートルあたり35トン、風速は440メートルだったとか。
             一体どんなだったのか、想像することさえできません。








             原爆ドームを見た後に平和記念資料館に行きました。
             この館内に展示されているすべてが当時の惨劇を物語っています。

             被ばく直後の惨状のこの光景は、、、、、
             どこかで見た光景に似ていると思ったのですが、、、

             そうです、今回の大震災の惨状とそっくりでは、、、、
             あまりの光景に息をのみました。





             この写真は被ばく当日のものだそうです。
             被ばくした人々が哀れな姿で並んでいる光景、、、、、
             今回被災された方々の姿となぜか重なり言葉が出ません。
             出るのは、ただため息ばかりでした。

             想像を絶する光景は、65年以上たった今でもその当時の惨劇のすさまじさを物語っています。
             状況は違っても繰り返される悲劇、一つは人間が、、、一つは大自然が起こした惨劇です。





             重い気分を変えて、、、ここからさほど遠くない縮景園に行ってみました。
             桜が見ごろとなった縮景園にはたくさんの人が桜を楽しんでいました。

             縮景園は広島藩主浅野長晟が、入国の翌年1620年から別邸の庭園として築庭したものとか。
             園の名前の由来は、たくさんの景勝を集め縮して作ったものと言うことですが、一方には
             中国の西湖を模して縮景したともいわれています。





             満開の桜の下では賑やかなお囃子が催されていて多くの観客がおり、その義捐金が今回の
             東北関東大震災に送られるということでした。

             日本中が沈みがちなこの時期には幾分不似合いな光景ではありますが、あえてアップしてみました。

             







             園内では運よく野点も催されていて、華やいだお着物姿の方々を拝見できました。
             起伏に富んだ回遊式日本庭園を巡りながら、丁度見ごろの桜を愛でながらゆっくり散策を
             楽しみました。