風のたより

つれづれに

             ミュンヘン滞在記 その20     ハルシュタット

2013-09-28 | ミュンヘン滞在記




ザルツブルグからバスで東に1時間ほど走った所に、山と湖にかこまれ古くから
王侯貴族の避暑地として栄えたザルツカンマーグートといわれる場所があります。

この辺りには美しい山々の合間にいくつかの湖が点在しているのですが、その一番
奥にあるのが世界遺産にもなっているハルシュタットです。

バスはこの湖に着きました。
バスを降りて目の前に広がる光景にみなさん、お!と歓声が上がりました。







ザルツブルグも、特にこのハルシュタットは雨が多いと聞いていたので傘を持参したのですが
この日は数日ぶりの気持ちの良い晴天となりました。

湖沿いの道を歩きガイドさんと一諸に高台をめざします。







道沿いに並んだお店には、こんな綺麗な瓶に詰められた塩がいっぱい、、、
ザルツブルグもここハルシュタットも実は塩の採れる産地として有名とのことです。







ザルツブルグのザルツは塩を、ブルグは城を意味し、塩の城として古くから塩の交易で栄えた
場所だったとか。
ここハルシュタットも13世紀オーストリアの支配者となったハプスブルグ家の塩の直轄地でした。







細い道と階段の多い坂道を上をめざし歩いていきます。

ここハルシュタットは人口750人ぐらいの寒村でしたが、1997年この一帯がユネスコの
世界遺産に登録されると訪れる観光客も増え、以前に比べると少々観光地化しているようです。







街の中心のマルクト広場に来ました。
小さい広場ですが周りにはホテルやレストランが数件軒を並べています。







さらに階段を上って、、、、高台の教会をめざします。







やっとカトリック教区教会に着きました。
狭い敷地にはびっしりとお墓が並び、各墓地にはお花が添えられています。







よく見ると墓地そのものも小さいように思いました。
それもそのはずで、ハルシュタットは切り立った岩山の間をぬうように家々が点在し土地も少ないため
墓地も小さく、その墓地の遺骨も数十年たつと掘り起こされバインハウスとよばれる納骨堂に収めるという
風習があるのだそうです。

この納骨堂に怖いもの見たさで入ってみると、、、、







、、、、、ちょっと息をのむ光景でした。

以前イタリアのローマでも教会のカタコンベといわれる納骨堂を見たことがありますが、それ以来の
経験でした。







気分を変えて、、、
高台の教会からの眺めは、息をのむほどの美しい光景でした。

手前に見えるのはプロテスタントの教会で、近い場所にカトリックの教会とプロテスタント(新教)
の教会が立っているというのは珍しい場所でもあるようです。







湖面に映る家々、、、







高台からの風景を楽しんだ後、来た道とは違う道を下りていきます。
途中にはこんな小さい教会が、、、日本でいえば街角のお地蔵さんというところでしょうか。







さらに曲がりくねった細道を下りていきます。







山にへばりつくように並ぶ家々が印象的です。







途中にはこんなアート的な展示をしている家がありました。
これも観光客を意識したものでしょうか?







さらに下がって来たところで上を見ると、、、、せり出した家にびっくりです。
土地の狭い場所ということがよくわかる場所でした。







やっと下まで降りてきました。
ここからの湖岸の風景も綺麗ですね。







湖岸沿いの道には家を覆うように大きな木が植えられているお店がありました。

近づいてみると洋ナシのような実がいっぱいついていました。
こんな植栽の仕方は、ほかでも見たことがありました。







街を一巡りして戻ってきました。
ここから眺める風景がハルシュタットとしてよく紹介されているようです。







湖面には数羽の白鳥とアヒルがが戯れていました。
絵になる光景ですね。







いつまでも見ていたい光景とは、、、、、こんな光景を言うのかもしれません。







訪れたハルシュタットは、旅の終わりにふさわしい心に残る風景でした。



☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆



二人目の孫の誕生を機に訪れたドイツ、ミュンヘンでの2か月半に及ぶ滞在も
明日で終わりとなりました。

無事に生まれたMちゃんも、やっと1か月が過ぎて今健やかに育っています。
お姉ちゃんになったRちゃんは、ますます健気なお姉ちゃんぶりを発揮しています。
このミュンヘンで二人とも健やかに大きくなってほしいと思っています。

ミュンヘンで撮りためた写真やビデオは日本に戻ってからまたしばらくはアップ
したいと思っています。

長い間お付き合いくださった方々、またわざわざコメントをくださった方々
本当にありがとうございました。

         ミュンヘン滞在記 その19       ザルツブルグ&ハルシュタット

2013-09-27 | ミュンヘン滞在記



いよいよミュンヘン滞在も残り数日となりました。
ミュンヘン滞在中できたら行きたいと思っていたオーストリアでしたが、今回ミュンヘン発のオーストリアの
「ザルツブルグと世界遺産のハルシュタット」を訪ねる日帰りバスツアーがあることが分かり事前に予約を入れ
先日現地ツアーに参加してきました。

ミュンヘンからオーストリアのザルツブルグまではバスで2時間半、電車なら2時間弱の距離にあります。

写真はザルツブルグにあるミラベル宮殿で「サウンドオブミュージック」の撮影地として有名になった所です。





ミュンヘン中央駅に集合した参加者は全員で12名。
今回はドイツからオーストリアに入るためパスポート持参ということでした。
バスは一路ザルツブルグをめざしアウトバーンをひた走ります。





途中ガイドさんお奨めのキーム湖が見えてきました。
島の中央にはルードビッヒⅡがフランスのベルサイユ宮殿をまねて作らせたというヘレンキーム城が
あるということでした。





さらに走ること1時間ほどで、いよいよドイツとオーストリアの国境に近づいてきました。
陸路で国境を超えることは初めての経験です。
国境を超えるってどうなるのだろうと思っていると、、、、





ガイドさんから右側の標識を見るようにとのこと、、、
星のマークの入ったEUの標識がオーストリアに入ったことを示しているようです。

「え、これでもうオーストリアに入ったの??」
あっけない入国で、持参したパスポートも出すことはありませんでした。





オーストリアに入って初めてトイレ休憩となった場所です。
綺麗なトイレは入る手前に0.5ユーロを投入する機械が設置されていました。
ヨーロッパはどこへ行ってもトイレは有料が多いです。





今回使用したツアーバスです。





その後バスはいよいよザルツブルグ市内に入りました。
ミュンヘンとは違ったどこか地味な印象の街でした。





バスを降りて一番先に案内されたのが、お花が咲き乱れるミラベル宮殿でした。
遠くにホーエンザルツブルグ城が見え、その手前に大聖堂が望めます。

ここは映画「サウンドオブミュージック」の撮影された場所として有名になったようです。





現在この宮殿は市役所として使われているということでした。





ザルツァッハ川の手前には、指揮者として有名だったカラヤンが住んでいたという建物がありました。





この橋を渡りいいよ旧市街へ、、、





細い路地裏のお土産屋の並んだパッサージュのような道を通り抜けると、、、





ちょっと開けた路地に出ましたが、結構狭い道でした。





この狭い道をさらに進むと右側に黄色い建物が見えてきて長い旗が下がっていました。
ゲトライデ通り、旧市街の一番の目抜き通りです。
この建物の4階部分がかの有名なモーツアルトの生まれた場所ということでした。

あのモーツアルトがこの場所で生まれたと思うとなぜか感動です。
この日はなぜか黒いたれ幕でした??





モーツアルトの住んでいたという住宅の1階部分はマーケットになっていました。
モーツアルトが住んでいた頃もそうだったのでしょうか??





中に入ってみると、、、
けっこう綺麗なお店でいろんなものが並んでいました





この通りは鉄細工の装飾看板が綺麗なことでも有名なようです。





こんなゴージャスなマックの看板を持つお店はここだけでしょうね。





この建物は大聖堂。






中は荘厳な雰囲気が漂いヨーロッパ最大級のパイプオルガンがあるということでした。
この教会でモーツアルトもきっとオルガン演奏をしたかもしれませんね。





大聖堂の中にはモーツアルトが誕生の翌日洗礼を受けたという洗礼盤がありました。
またこの教会でカラヤンの葬儀も執り行われたということでした。





ザルツブルブといえば音楽祭で有名ですが、そのメイン会場となるのはどうやらこの祝祭劇場といわれる
この会場のようです。
大きな岩場をくりぬいて建てられているとか。





フリータイムに街を散策。
この道向こうの鉄製の看板が下がっている所がモーツアルトチョコレートの本店フュルストで一つ一つ
手作りで味もおいしく銀紙に包んであるのが商品登録のようです。





音楽の街らしく街角には楽器を奏でる人たちが、道行く人を楽しませてくれていました。





通りから一本入った狭い路地裏にも風情があり、お土産屋さんもいっぱい並んでいました。
初めて訪れたザルツブルグはドイツ、ミュンヘンとは違う小さい町でしたが、モーツアルトの
生まれた土地ということでとても親近感が出た町となりました。







ザルツァッハ川沿いを観光客を乗せて走る馬の姿もなぜかスマートに見えてきました。(笑)

バスはこの後、湖畔を巡りザルツカンマーグートといわれる湖水地方の一番奥のハルシュタット
を目指しました。

             ミュンヘン滞在記  その18      オクトーバーフェスト

2013-09-26 | ミュンヘン滞在記




ミュンヘンでは今世界最大のビール祭りといわれる「オクトーバーフェスト」が9月21日より
10月6日まで行われています。
巨大テントが設営され世界各地から詰めかけたビール好きな人々が会場を埋め尽くしています。







勇気を出して会場に入ってみると、、、、
会場内を埋め尽くす人々に圧倒されそうです。







期間中は広い敷地に大小14の地元ビール醸造所のテントが張られ、いろいろのビールを楽しめるようです。







このビール祭り期間中には、700万リットルのビールが消費され、50万羽以上の鶏が食べ尽くされるとか。
凄いですね!!











初日にはビール醸造所によるビア樽を載せた馬車のパレードがあり、次々に各醸造所の馬車がやってきます。















パレードに参加する馬達もそれぞれの祭り衣装に着飾って綺麗です。



















二日目にはドイツの各地やヨーロッパ諸国からご自慢の民族衣装を着た人々によるパレードもありました。
総勢九千五百人にもなるパレードの長さはおよそ7キロにもなり、2時間以上の観覧となりました。











広い会場内にはメリーゴーランドやジェットコースターや観覧車など親子ともども楽しめる施設も多く
初日にはRちゃんも伝統衣装の可愛いディアンドルを着てお父さんと三人で会場の中を巡りました。







ずらっと並んだ伝統衣装のディアンドルを着た美女達。






そしてこれがお祭りの伝統の焼き菓子です。
オクトーバーフェスト名物のハート型のお菓子でレープクーヘンといい、香辛料と蜂蜜を入れて焼いた
大きなクッキーです
お店の軒先にたくさん下がっていました。
色取りが可愛いですね。







会場を女神バヴァリア像のある高台の上から見ると、、、、、、
凄い人出です。

会場のテレージエンヴィーゼは東京ドーム9個分の広さとか。
毎年開催期間中には650万人もの来場者があるといわれています。

ミュンヘンにいたからこそ本場のオクトーバーフェストを味わうことができました。

              ミュンヘン滞在記  その17     ノイエピナコテーク

2013-09-18 | ミュンヘン滞在記




アルテピナコテークの道を隔てた所には、ノイエピナコテークがあります。
ちなみにアルテピナコテークのアルテは古絵画館の意味で、それに対しノイエピナコテークは
新美術館になるようです。

ノイエピナコテークに出かけた日は日曜日で、入館料は1ユーロですみました。
ヨーロッパの美術館の多くは日曜日に行くと普通の日より安いか、あるいは無料なんてところもあるようです。
日曜日はお店はほとんど閉店ですから美術館へ行くには絶好の日かもしれません。







こちらにも大きな絵画が多く後ずさりして眺めるほどですが、日曜日は見学者も少なくゆったり
鑑賞できます。







どこかで見かけた光景?と思ったのは、、、、、ミュンヘンのビヤガーデン風景を描いた一枚でした。
きっとヴィクトアリエン市場のビヤガーデンだったのかもしれません。
風景がよく似ています。







もっと近づいてみると、、、、、着ている物や人々の様子はちょっと違っても今もこの場所では
同じような光景が見られました。







この風景もミュンヘン市内を描いたものですが、今でもほとんど同じ風景でヨーロッパ建築の石の文化を
感じてしまいます。
きっと日本のように地震のある国ではないからこそ残っているのかもしれません。







どこかで見たようなといえばこちらも、、、、、教科書に載っていたような??
若きウェルテルの悩みやファーストを書いたドイツの作家ゲーテでした。







私が今回ピタッと足が止まったのはこの作品でした。
豊かな髭を蓄えた老人を描いたものでしたが、その精密な描写は絵とは思えないほど。






さらに近づいて、、、、、髭の一本一本までまるで生きているような。
思わずじっと見入ってしまいました。







足が止まったといえば、この絵もそうでした。
絵の精密さというのとは違い、光線の加減か絵の中に出ているひびのような線が気になりました。







近づいてみると、、、、ひびのような線がはっきり浮き出ています。
絵の中にこの美術館のガラス窓の天井も映り込んでいます。







いくつかの部屋を巡っているうちに出会ったのは、なんとなく見覚えのある絵です。
セザンヌの静物画、「「整理タンスのある静物画」です。






そしてセザンヌの「自画像」もありました。







また睡蓮の絵で有名なモネの「睡蓮」も見ることができました。

結構荒いタッチのようにも見えるところは、後年目が見えなくなりそれでも描いたという話を
聞いたことがありますが、この絵もそんな時代の睡蓮かなとかってに想像してしまいました。







各部屋の展示を回りながら、いよいよ今日の一番の目的の部屋に近づきました。
あの有名なゴッホのひまわりです。







まっすぐに目が行ったのは、やっぱりこれ、「ひまわり」でした。
ここミュンヘンのノイエピナコテークにあるゴッホのひまわりは12本。

ゴッホは生涯にひまわりを7作描いたといわれています。
その一つがまぎれもなくこの絵だと思うとなんだか感動してしまいました。






さらに近づいてみると、ゴッホの筆のタッチまでありありと見て取れました。
しばらく近づいたり、離れたり、、、、






ここ美術館にはこの「ひまわり」の絵の左右には、ゴッホの絵が2点展示されています。
明るい色遣いでおよそゴッホとは思えない「オーヴェル近郊の平原」を描いたこの絵と、、、







もう一つはこの絵です。
どちらも今までに見たことがない絵でした。

そしてゴッホの絵にしては二つとも全体が明るい色彩で、私はむしろこのうちの「オーヴェル近郊の平原」を
描いた絵に惹かれました。







ゴッホの絵の後ろにはゴーギャンの「神の子」が絵がありました。







最後の部屋には20世紀の世紀末芸術作品のコーナーがあり、これはレゴンシーレ。







そしてこれはクリムトの「音楽」
色遣いがいかにもクリムトという感じがします。

クリムトの作品はこのほかに、、、







怪しげな美貌の女性を描いた「マルガレーテ・ストンボロ」の2点が展示されていました。







そしてこれがクリムトのサインです。
さすが芸術家のサインという感じです。







館内の入り口には絵画を題材にした絵葉書やグッズがたくさん揃っていました。

さすがノイエピナコテークは19世紀のヨーロッパ絵画を扱った展示が多いだけに、ゴッホをはじめ
セザンヌ、モネ、ゴーギャン、クリムトなど名だたる画家の作品を目にすることができたことは
幸いでした。

特にゴッホの絵をこんなまじかに見られたことは感動でした。
監視員が近くにはいましたが特に特別に展示されているということもなく、ごく普通に並んでいたことは
驚きでした。
時価何十億もするであろうこのゴッホの絵が、、、、、、???

またミュンヘンの美術館やレジデンツ、教会内部などはみなフラッシュなしならば撮影がOKということも
カメラを持っている人間にとってはとてもラッキーなことでした。

               ミュンヘン滞在記 その16     アルテピナコテーク

2013-09-17 | ミュンヘン滞在記




ミュンヘンに来て早2か月が過ぎました。
その間にミュンヘンの気候もいつしか夏から秋の風情になりました。
ミュンヘンの夏は聞いていた通り短かったようです。

今までに撮りためた写真はたくさんあるのですが、なかなか写真の整理ができず
延び延びになっています。
こちらにいるうち、印象が薄れないうちにと思うのですがままなりません。







そんな中ミュンヘンに3つある美術館のうち2つを尋ねる機会がありました。
一つは世界の6美術館の一つとされるアルテピナコテークと19世紀のヨーロッパ絵画と彫刻を
集めたノイエピナコテークです。

まずはアルテピナコテークへ。







この階段を上っていよいよ会場へ~~







重い扉の先には、ワインレッドの壁に並んだ名画の数々が圧倒的な迫力で現れました。







最初に目にした見覚えのある絵画は、、、、ポンパドール夫人でした。
ソファーに腰かけ優雅にたたずむ姿はまさに貴婦人ですね。







大きな絵画が連なる部屋ですが、それ以上に広い会場でゆったりと鑑賞する人々。







見上げるほどの大きさの絵画を見るには、やっぱり広い会場が必要ですが、ここなら全体が見渡せます。







一段と人だかりのする絵画が、、、、
ニュルンベルグ出身のドイツの画家デューラーの自画像でした。







今回美術館の中であちこちで見かけた光景です。

熱心に解説を聞く人々。
芸術に対する関心が高いのでしょうね。







誰の作だったか忘れましたが、、、、、16世紀の聖母子像。







そしてこちらは印象に残った一枚で、時代はちょっと違ってもこちらも聖母子像かもしれません。








アルテピナコテークの中には、こんなエレガントなカフェがあり休憩するにはぴったり!!
高い天井から差し込む柔らかな光の中でゆったり休憩できそうです。


次は道を隔てた19世紀のヨーロッパ絵画を収めたノイエピナコテークへ。