風のたより

つれづれに

                   ウィーン  オペラ座ガイドツアーに参加して

2015-12-05 | 中央ヨーロッパ4か国の旅



約束の3時になるとオペラ座のエントランスホールには、もう世界各国からのたくさんの見学者の姿がありました。

このウィーンのオペラ座の正式名称はウィーン国立歌劇場と言い、ミラノのスカラ座、アメリカ、
ニューヨークにあるメトロポリタン歌劇場とともに世界の「三大歌劇場」と呼ばれているようです。

建物は1863年5月20日に着工し、1869年5月25日に完成したのだそうです。





さっそく中央入口ホールから中央階段を上って、、、ガイドツアーが始まりました。

このガイドツアーは、ドイツ語、英語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ロシア語、日本語、
中国語など様々な言語で案内されています。
さすがウィーンですね。

劇場の中はどんなだろうとわくわく気分が高まります。





階段を上がりすぐに劇場の中に入りました。

おー!!ここが、、、、
突然現れた素晴しい劇場の雰囲気に飲まれそうになりながらキョロキョロと会場を眺めまわして
しまいました。(笑)

馬蹄形に並んだ5層のボックスシートがなんと言っても圧巻です。





興奮もさめやらぬうちに劇場の案内が始まりました。

日本語のガイドツアーは日本人の方かと思ったら、上手な日本語を話す現地オーストリアの女性でした。





5層のボックスシートの中に一段と目立つ場所が、、、
これはロイヤルボックスでしょうね。





この劇場の座席は座席数1709、立見席が567もあるのだそうです。

座席は予約が必要ですが、立見席は当日券を買えば予約要らずで気軽に入れるようです。





ボックスシートを始め、このシートには着飾った紳士淑女達が並ぶのでしょうね。
そんな雰囲気も一度味わってみたいですが、、、、





座席の一番前の席の先には演奏者が入るオーケストラピットがあり、多い時には110人位まで
入ることができるのだとか。

ここに入るのは勿論ウィーンフィルの皆さんだそうです。

座席の前の小さい四角い物は、開くとディスプレーになっていて、当日行われる出し物の解説や
オペラの歌詞が英語など各国語に翻訳されて流れるようですが、残念ながら日本語はありません。





舞台上では、たくさんのスタッフが今日の出し物の準備に忙しげに動き回っていました。

オペラ座で働くスタッフは1100人、そのうちアーチストは500人もいるのだそうです。





出し物は毎日変わるため、毎回毎回こんな準備が繰り返されているとか。
スタッフの方も大変でしょうね。





階段を上がり「マーラーの広間」といわれる広間に入ってきました。

ここは、2階の休憩所でかつては「コブランの間」と言われ、今でも立派なコブラン織が飾ってありますが
総監督だったグウタフ・マーラーを記念してマーラーの広間と言われるようになったとか。





館内案内の移動中の折ちらっと見えたロイヤルボックス!!
さすがに一番の観客席で、まっ正面に舞台が見えるのですね。

ここから見ることができる人は王侯貴族、一般庶民は座ることは出来ないボックスです。





ロイヤルボックスに続くこちらは、王侯貴族の休憩場所であるティーサロンがあります。
左のドアは、ロイヤルボックスに繋がっていて、幕間に貴族達がこの部屋でお茶をされる場所
だそうです。

ガイドツアーでないと一般には見られない場所のようです。





次に「シュヴィントの間」 といわれるロビーにやってきました。
元々は貴族達の待合場所でしたが、次第にこのオペラ座を訪れる人々の社交場になっていったようです。

またこの「シュヴィントの間」は第2次世界大戦の戦災を免れた場所で、国立オペラ座完成時のままの
照明で、シャンデリアも電気ではなく当時はガス灯が使われていたなごりが残っています。

オペラ座見学は大体こんなコースで行われていて、所用時間は約1時間でした。
ふだんではなかなか見れないオペラ座の中を隈なく見れて大満足でした。





尚、1月から3月の冬のシーズンにウィーンでは王宮や市庁舎などの歴史的な建物を中心に、
多くの舞踏会が開催されますが、その中で最も有名な舞踏会は、このオペラで行われる座舞踏会で、
世界中から約7000人もの人々が訪れるウィーン最大の舞踏会になるのだそうです。

その時には座席を全部取り外して会場をくつるのだそうです。
写真ははネットからお借りしたオペラ座の舞踏会の様子です。
さぞや素晴らしい華やかな舞踏会でしょうね。 
 

ウィーンでのオペラ座の見学を最後に、今回の中央ヨーロッパの旅も無事終わりとなりました。


★  ★  ★  ★  ★


旅は行く前と、実際に出かけた時と、そして旅から戻ってから三度楽しめるといいますが、今回の旅は
お陰さまで個人的にも十分楽しんむことができた旅となりました。

長い間の個人的な旅のつれづれにお付き合いいただき、ありがとうございました。


(完)
  

                     ウィーンの街歩き  ( ケルントナー通り )

2015-12-02 | 中央ヨーロッパ4か国の旅



ウィーンの一日フリーの日には、ホテルからの移動は市内を走っているこのトラムで。
前日現地ガイドさんが切符の買い方まで親切に指導してくれとても助かりました。





ウィーン市内には、あちこちに立派な像がたくさん建っています。

これは美術史美術館前のマリア・テレジア広場にあるハプスブルグ帝国を築いたマリア・テレジア像。
下々にたくさんの女王に関係した人々が、、、、
マリア・テレジアは16人もの子供を産んだということですから、その子供達も入っているのでしょうか?

大人の中にまじった可愛い小さな子は、6歳のモーツアルトだということです。





街中の通りに面した一角には、どこか見覚えのある顔が、、、??

銅像下の名前を見て、、、、、、どうやら文豪ゲーテのようです。
ゲーテもウィーンには足繁く来ていたのでしょうか??





これはブルク公園内にあるモーツアルト象。

モーツアルトとウィーン、、、ピッタリの像です。
銅像前には緑の芝生の中に、赤いベゴニアでできたト音記号が配置されていました。





ミヒャエル広場に立つ王宮までやってきました。
この辺りは観光客も馬車もいっぱいで、さすがにウィーンの中心地です。

後で入ろうと思い、ついには見逃してしまったゆいつの場所がこの王宮でした。
中には皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の執務室やシシーの愛称で知られる后妃エリザベートのシシー博物館
があったのですが、、、、





ウィーン市内を南北に貫くケルントナー大通りです。
この大通りをまっすぐ行けば、シュテファン大聖堂に出ます。

ウィーン市内は意外に狭く、観光場所は全て徒歩圏内にありました。





通りの真ん中に聳えるペスト記念塔。

三位一体記念柱とも呼ばれていて、ヨーロッパ各地に猛威をふるったペストの終焉を願い、時の皇帝
レオポルド1世によって建てられた塔で、ウィーンでも10万人もの死者が出たといわれています。

ちなみに三位一体とは、「父と子と聖霊」を象徴するものだとか。
このペスト記念塔はウィーンのみならずヨーロッパの各地でよく見かける記念塔です。


 



ウィーンのシンボルであるシュテファン大聖堂までやってきました。
天を突くように聳える高さ137メートルの大聖堂です。

ここで塔の一番上まで登りウィーン市内を見たかったのですが、、、、なぜか入口を間違えて、、、





大聖堂前には観光客を待つたくさんの馬車が並んでいます。

ヨーロッパの街では、あちこちでひずめの音を高らかに響かせて走っている馬車をよく見かけますが
さすがウィーン、馬車の数が凄いです。





大通りに面したカフェでゆったりとくつろぐ人々。
その大通りを忙しげに行きかう人々、その多くはきっと観光客なのでしょうね。

ケルントナー通りもこのシュテファン大聖堂辺りで終わり、ここからUターしてウインドーショッピング
をしながら、少々急ぎ足でもと来た道を戻ります。





見覚えのある場所まで戻ってきました。
ここまで戻ればウィーンのオペラ座ももうすぐ、、、約束の時間の3時です。





ウィーンでやりたかったことの最後の一つは、このオペラ座の中を見ることでした。

時間的にオペラ鑑賞まではできませんが、せめてオペラ座の中を見たい!!!
この思いは意外なほど簡単に実現できました。

オペラ座の中のガイドさんによる日本語のガイドツアーで、オペラ座の劇場の舞台はもちろん、
その舞台裏まで見られるということで期待を胸にオペラ座にやってきました。


(続)


                 ”世界で一番豪華なカフェで”  (美術史美術館)

2015-11-30 | 中央ヨーロッパ4か国の旅



次に向かったのは、美術史美術館でした。

この美術館もハプスブルグ家と大きく関係し、ハプスブルク家の領土だったオーストリア、
ドイツ、スペイン、イタリア、ベルギー、オランダなどを中心に、中世からルネッサンス期、
19世紀に至るまでのヨーロッパの美術品を収蔵している美術館です。

階段を上って、絵画の展示室へ~~





階段を上りながら見上げるエントランスの大理石の柱や天井画の豪華さに圧倒されます。





ルネッサンス様式の豪華な設えは、落ち着きの中にゴージャスな雰囲気が漂っています。
この豪華さだけでも見ごたえ十分ですが、、、、





この中央階段を上った正面の壁には、、、
ウイーン世紀末芸術で有名なあのグスタフ・クリムトの壁画があることでも知られています。

大理石の柱を囲むように古代エジプトから18世紀後期に至る絵画の連作になっていて、
後で知ったのですが、壁の三角の部分にも描かれたいてクリムトの絵は全部で11枚とか。

もっと以前に知っていたら、、、、残念です。





絵画の部屋に入って~~~

この美術館は、フランドルの画家ブリューゲルの絵の収集の多さで有名のようですが、絵の数が
極端に少ないといわれるオランダの画家フェルメールの絵も一点展示されていました。





左よりジュゼッペ・アルチンボルドの「夏」、 ピーテル・ブリューゲルの旧約聖書に出てくる
「バベルの塔」、 同じくブリューゲルの「雪中の狩人」、ブリューゲルの「農村の婚礼」、
ディエゴ・ベラスケスの 「青いドレスのマルガリータ王女」、最後はフェルメールの「絵画芸術」

(写真はネットよりお借りしました。小さい写真をクリックすると大きくなります、戻るには左上の←で)





次々に現れる名画の数々にたっぷりと浸った後は~~~

実はこの美術館に来た私の本当の目的は、素晴しい名画を見ることもそうですが、
それ以上の目的がありました。
それが下に見える美術館に併設されているあのカフェに入りお茶してみたいということでした。

ここから見るカフェの雰囲気も素晴しいの一言ですが、、、、、





わくわくしながら下に降り宮殿の中の様なカフェに入りました。





なんと豪華なんでしょう!!!
こんな場所でウインナーコーヒーが飲めるなんて!!!

このカフェも”世界で一番豪華なカフェ”と言われているようです。
確かにカフェというには余りにも豪華絢爛で、こんなカフェは今まで見たことがありません。

注文をすると中年のウエイターがトレーの上にコーヒーと一緒に水の入ったグラスを持って
やってきて丁寧に対応してくれました。





ウイーンはカフェ文化が高い街で、あちこちに有名なカフェがいくつかあり、このカフェも
街中にある有名なカフェゲルストナーの美術史美術館店らしいのですが、同じカフェゲルストナー
のお店で頂くより数倍素晴しい雰囲気であることは間違いなしです。





お連れのお友達と素晴しい雰囲気を眺めながら、ゆっくりとお茶を楽しみました。
さすがにコーヒーの味は、こくがあって濃厚でありながら、まろやかで最高の味でした。
これでウイーンでしたかった二つ目も無事クリア出来ました。

そして最後の一つは、、、、、
それまでにはちょっと時間があるので、カフェで休憩後はウイーンの街中の散策に出かけました。

(続)


                       世界で一番美しい図書館 

2015-11-27 | 中央ヨーロッパ4か国の旅




ウイーン初日のシェーンブルン宮殿の見学後は、バスでリンクといわれるウイーンの目抜き通りに
ある数々の建物を車窓から眺めました。

そしてウイーン二日目は待ちに待った一日フリーの日となりました。
以前から私にはウイーンでこの日に見たいと思っていたものが3つありました。

その一つがこの国立図書館でした。

あまりガイドブックにも載っていないのですが、行ってみると聞きしに勝るもので驚きの連続でした。






入り口で入館料を払い大理石の階段を上り二階にある図書館の入り口に入ったとたん!!!!!

“ うわー、これが図書館!!”
同行した同室になったお友達と顔を見合わせました。
まるで宮殿と見間違いそうな豪華なバロック建築の設えです。

フラシュなしなら撮影もOKとのことで、撮影禁止が多い中では嬉しいサービスです。





この豪華な図書館は、マリアテレジアの父の神聖ローマ皇帝・カール6世が作らせた図書館で
蔵書は約20万冊もあり、その豪華さから“ 世界で一番美しい図書館 ”と言われているようです。





大理石の柱の向こうの丸天井には、豪華なフレスコ画は描かれています。
フレスコ画の中にも二階のベランダから見下ろしている人々の姿が、、、、





二階の壁までびっしりと並ぶ蔵書!!!
その下には二階まで届く高い木製の梯子があり良い雰囲気を出しています。

まるで異次元の世界で、映画「ハリーポッター」の世界にでも迷いこんだ様な雰囲気です。





さすがにこの図書館は貸し出しや閲覧はできず、図書館と言うよりも貴重な写本や初期印刷本
を収めた博物館と言った感じで、“ 貸し出しをしない不思議な図書館 ”となっています。





館内中央のドームの天井にに描かれた素晴しいフレスコ画。

丸窓から入る光がフレスコ画の柔らかな雰囲気を天井いっぱいに醸し出しています。
なんとも豪華な図書館です。





周りの全てが重厚でどっしりとした館内のあちこちには、椅子が置かれていました。

こんな雰囲気の中で、ゆっくりと周りを鑑賞するのもいいでしょうが、私はせわしなく
写真を撮りまくりました。(笑)





二階への階段は残念ながら登れませんでしたが、下から眺めるだけで十分でした。
やっぱり“ ハリーポッター”の世界です。





ウイーンで一番に行きたいと思っていたこの国立図書館は期待どうりで、ウイーンの印象が
またぐんと上がった感じを受けました。

ウイーン観光で是非お勧めしたい一押しの場所です。

“やっぱり来て良かった!!”との思いと“見たいものを見た”満足感で満たされた私たちは
感動を胸に二つ目の目的地へと急ぎました。


(続)


                     ウイーン  “ シェーンブルン宮殿 ”

2015-11-25 | 中央ヨーロッパ4か国の旅



オーストリアに入り、この日はウイーンにあるシェーンブルン宮殿の見学がありました。

シェーンブルン宮殿は、ハプスブルク帝国の歴代君主が主に離宮として使用した宮殿で
一度見たかった宮殿でした。

バスを降りてしばらく宮殿沿いに歩きやっと宮殿の入り口にきました。
宮殿前まで来て思わず″おー!!”と誰ともなく歓声が上がりました。





その宮殿の大きさと宮殿内の見渡す限りの広大さにまず圧倒されました。
さすがパプスブルグ帝国の居城だった場所です。

宮殿内の部屋の数はなんと1441室といわれ、ウイーンを代表する観光地で、年間670万人もの
観光客が訪れるのだそうです。

このシェーンブルン宮殿の建物の色は、マリアテレジアが好んだテレジアイエローと言われて
いますが、実際に見ると黄色というより幾分からし色に近いようでした。
昔はもっとイエローだったのでしょうか??

マリアテレジアは最初は建物を黄金色に塗りたかったのですが、財政を考慮し黄金色に近い
黄色にしたとも言われています。





宮殿内の見学は残念ながら撮影禁止の為、写真での紹介はできませんが、鏡の間に始まり
漆の間、陶器の間などいくつかの部屋を現地ガイドさんと順にまわり説明を受けました。
いずれの部屋も贅の限りを尽くした設えで、寸分の隙間もないほどの豪華さでした。

やっと広大な庭に出て、、、、しばらくはこの広大なお庭の散策を楽しみました。





この宮殿はナポレオンがウィーンを占領した時に宿舎として利用していた時代もあり、この階段は
ナポレオンが登った階段とも言われています。

このシェーンブルグ宮殿では、6才のモーツアルトが御前演奏をした場所でもあり、鏡の間での
「会議は踊る」で有名なウィーン会議も、このシェーンブルン宮殿が会場でした。





宮殿の最上部には、ハプスブルグ帝国のシンボルである双頭の鷲が下界を見下ろしています。





綺麗に植栽された建物の横をすぎて~~~





広い裏庭の方に出ます。

広い庭園内にはこうした観光用の馬車も走っていました。





綺麗に剪定された園内の並木道がずっと続き、彫刻がそこかしこに。





宮殿内の見学後、観光客は広い庭園内を思うままに散策です。

お庭がとにかく広い広い!!
2013年にミュンヘンにあるニンフェンブルグ城に行った時もかなり広いお庭だと思いましたが
さすがにこのシェーンブルン宮殿はその数倍の広さです。





広いお庭のはるか向こうには、グロリエッテという対プロイセン戦の勝利と戦没者の慰霊の為に立てた
ギリシャ建築の記念碑があり、そこからの眺めが素晴しいと聞いていましたが、
限りあるツアーの時間では、、、、あそこまではちょっと無理???





でも時間が許す限り歩くことにして~~~
ただひたすら歩き~~~~





やっとグロリエッテの建物の下のネプチューンの噴水まだやってきました。
ここまででも10分位かかります。

ここまでやってきたので珍しい光景に遭遇!!!
このネプチューンの噴水を強い蒸気で清掃中のお兄さん発見!!

本当はこの上にあるグロリエッテまで登り、丘の上からウイーンの街とシェーンブルン宮殿を
見たかったのですが、やっぱり時間が、、、残念!!!





仕方なくここでUターンし、ここからのシェーンブルン宮殿を眺めました。





やっと指定時間までに皆さんと合流し、宮殿前にある彫刻のある噴水を眺め、もう一度振り返って
正面からのシェーンブルン宮殿を見まわしました。





建物も敷地も広大過ぎて~~~

ただただハプスブルグ帝国の偉大さを肌で感じた宮殿の見学でしたが、この宮殿の多くの部屋が
今や公務員の官舎などとして賃貸住宅として開放されているとも聞き、かつての帝国の偉大さは
今や夢の跡となり、その偉大さゆえにその帝国の滅亡を思うと何とも言えない深い思いでした。

(続)