風のたより

つれづれに

                 ”世界で一番豪華なカフェで”  (美術史美術館)

2015-11-30 | 中央ヨーロッパ4か国の旅



次に向かったのは、美術史美術館でした。

この美術館もハプスブルグ家と大きく関係し、ハプスブルク家の領土だったオーストリア、
ドイツ、スペイン、イタリア、ベルギー、オランダなどを中心に、中世からルネッサンス期、
19世紀に至るまでのヨーロッパの美術品を収蔵している美術館です。

階段を上って、絵画の展示室へ~~





階段を上りながら見上げるエントランスの大理石の柱や天井画の豪華さに圧倒されます。





ルネッサンス様式の豪華な設えは、落ち着きの中にゴージャスな雰囲気が漂っています。
この豪華さだけでも見ごたえ十分ですが、、、、





この中央階段を上った正面の壁には、、、
ウイーン世紀末芸術で有名なあのグスタフ・クリムトの壁画があることでも知られています。

大理石の柱を囲むように古代エジプトから18世紀後期に至る絵画の連作になっていて、
後で知ったのですが、壁の三角の部分にも描かれたいてクリムトの絵は全部で11枚とか。

もっと以前に知っていたら、、、、残念です。





絵画の部屋に入って~~~

この美術館は、フランドルの画家ブリューゲルの絵の収集の多さで有名のようですが、絵の数が
極端に少ないといわれるオランダの画家フェルメールの絵も一点展示されていました。





左よりジュゼッペ・アルチンボルドの「夏」、 ピーテル・ブリューゲルの旧約聖書に出てくる
「バベルの塔」、 同じくブリューゲルの「雪中の狩人」、ブリューゲルの「農村の婚礼」、
ディエゴ・ベラスケスの 「青いドレスのマルガリータ王女」、最後はフェルメールの「絵画芸術」

(写真はネットよりお借りしました。小さい写真をクリックすると大きくなります、戻るには左上の←で)





次々に現れる名画の数々にたっぷりと浸った後は~~~

実はこの美術館に来た私の本当の目的は、素晴しい名画を見ることもそうですが、
それ以上の目的がありました。
それが下に見える美術館に併設されているあのカフェに入りお茶してみたいということでした。

ここから見るカフェの雰囲気も素晴しいの一言ですが、、、、、





わくわくしながら下に降り宮殿の中の様なカフェに入りました。





なんと豪華なんでしょう!!!
こんな場所でウインナーコーヒーが飲めるなんて!!!

このカフェも”世界で一番豪華なカフェ”と言われているようです。
確かにカフェというには余りにも豪華絢爛で、こんなカフェは今まで見たことがありません。

注文をすると中年のウエイターがトレーの上にコーヒーと一緒に水の入ったグラスを持って
やってきて丁寧に対応してくれました。





ウイーンはカフェ文化が高い街で、あちこちに有名なカフェがいくつかあり、このカフェも
街中にある有名なカフェゲルストナーの美術史美術館店らしいのですが、同じカフェゲルストナー
のお店で頂くより数倍素晴しい雰囲気であることは間違いなしです。





お連れのお友達と素晴しい雰囲気を眺めながら、ゆっくりとお茶を楽しみました。
さすがにコーヒーの味は、こくがあって濃厚でありながら、まろやかで最高の味でした。
これでウイーンでしたかった二つ目も無事クリア出来ました。

そして最後の一つは、、、、、
それまでにはちょっと時間があるので、カフェで休憩後はウイーンの街中の散策に出かけました。

(続)


                       世界で一番美しい図書館 

2015-11-27 | 中央ヨーロッパ4か国の旅




ウイーン初日のシェーンブルン宮殿の見学後は、バスでリンクといわれるウイーンの目抜き通りに
ある数々の建物を車窓から眺めました。

そしてウイーン二日目は待ちに待った一日フリーの日となりました。
以前から私にはウイーンでこの日に見たいと思っていたものが3つありました。

その一つがこの国立図書館でした。

あまりガイドブックにも載っていないのですが、行ってみると聞きしに勝るもので驚きの連続でした。






入り口で入館料を払い大理石の階段を上り二階にある図書館の入り口に入ったとたん!!!!!

“ うわー、これが図書館!!”
同行した同室になったお友達と顔を見合わせました。
まるで宮殿と見間違いそうな豪華なバロック建築の設えです。

フラシュなしなら撮影もOKとのことで、撮影禁止が多い中では嬉しいサービスです。





この豪華な図書館は、マリアテレジアの父の神聖ローマ皇帝・カール6世が作らせた図書館で
蔵書は約20万冊もあり、その豪華さから“ 世界で一番美しい図書館 ”と言われているようです。





大理石の柱の向こうの丸天井には、豪華なフレスコ画は描かれています。
フレスコ画の中にも二階のベランダから見下ろしている人々の姿が、、、、





二階の壁までびっしりと並ぶ蔵書!!!
その下には二階まで届く高い木製の梯子があり良い雰囲気を出しています。

まるで異次元の世界で、映画「ハリーポッター」の世界にでも迷いこんだ様な雰囲気です。





さすがにこの図書館は貸し出しや閲覧はできず、図書館と言うよりも貴重な写本や初期印刷本
を収めた博物館と言った感じで、“ 貸し出しをしない不思議な図書館 ”となっています。





館内中央のドームの天井にに描かれた素晴しいフレスコ画。

丸窓から入る光がフレスコ画の柔らかな雰囲気を天井いっぱいに醸し出しています。
なんとも豪華な図書館です。





周りの全てが重厚でどっしりとした館内のあちこちには、椅子が置かれていました。

こんな雰囲気の中で、ゆっくりと周りを鑑賞するのもいいでしょうが、私はせわしなく
写真を撮りまくりました。(笑)





二階への階段は残念ながら登れませんでしたが、下から眺めるだけで十分でした。
やっぱり“ ハリーポッター”の世界です。





ウイーンで一番に行きたいと思っていたこの国立図書館は期待どうりで、ウイーンの印象が
またぐんと上がった感じを受けました。

ウイーン観光で是非お勧めしたい一押しの場所です。

“やっぱり来て良かった!!”との思いと“見たいものを見た”満足感で満たされた私たちは
感動を胸に二つ目の目的地へと急ぎました。


(続)


                     ウイーン  “ シェーンブルン宮殿 ”

2015-11-25 | 中央ヨーロッパ4か国の旅



オーストリアに入り、この日はウイーンにあるシェーンブルン宮殿の見学がありました。

シェーンブルン宮殿は、ハプスブルク帝国の歴代君主が主に離宮として使用した宮殿で
一度見たかった宮殿でした。

バスを降りてしばらく宮殿沿いに歩きやっと宮殿の入り口にきました。
宮殿前まで来て思わず″おー!!”と誰ともなく歓声が上がりました。





その宮殿の大きさと宮殿内の見渡す限りの広大さにまず圧倒されました。
さすがパプスブルグ帝国の居城だった場所です。

宮殿内の部屋の数はなんと1441室といわれ、ウイーンを代表する観光地で、年間670万人もの
観光客が訪れるのだそうです。

このシェーンブルン宮殿の建物の色は、マリアテレジアが好んだテレジアイエローと言われて
いますが、実際に見ると黄色というより幾分からし色に近いようでした。
昔はもっとイエローだったのでしょうか??

マリアテレジアは最初は建物を黄金色に塗りたかったのですが、財政を考慮し黄金色に近い
黄色にしたとも言われています。





宮殿内の見学は残念ながら撮影禁止の為、写真での紹介はできませんが、鏡の間に始まり
漆の間、陶器の間などいくつかの部屋を現地ガイドさんと順にまわり説明を受けました。
いずれの部屋も贅の限りを尽くした設えで、寸分の隙間もないほどの豪華さでした。

やっと広大な庭に出て、、、、しばらくはこの広大なお庭の散策を楽しみました。





この宮殿はナポレオンがウィーンを占領した時に宿舎として利用していた時代もあり、この階段は
ナポレオンが登った階段とも言われています。

このシェーンブルグ宮殿では、6才のモーツアルトが御前演奏をした場所でもあり、鏡の間での
「会議は踊る」で有名なウィーン会議も、このシェーンブルン宮殿が会場でした。





宮殿の最上部には、ハプスブルグ帝国のシンボルである双頭の鷲が下界を見下ろしています。





綺麗に植栽された建物の横をすぎて~~~





広い裏庭の方に出ます。

広い庭園内にはこうした観光用の馬車も走っていました。





綺麗に剪定された園内の並木道がずっと続き、彫刻がそこかしこに。





宮殿内の見学後、観光客は広い庭園内を思うままに散策です。

お庭がとにかく広い広い!!
2013年にミュンヘンにあるニンフェンブルグ城に行った時もかなり広いお庭だと思いましたが
さすがにこのシェーンブルン宮殿はその数倍の広さです。





広いお庭のはるか向こうには、グロリエッテという対プロイセン戦の勝利と戦没者の慰霊の為に立てた
ギリシャ建築の記念碑があり、そこからの眺めが素晴しいと聞いていましたが、
限りあるツアーの時間では、、、、あそこまではちょっと無理???





でも時間が許す限り歩くことにして~~~
ただひたすら歩き~~~~





やっとグロリエッテの建物の下のネプチューンの噴水まだやってきました。
ここまででも10分位かかります。

ここまでやってきたので珍しい光景に遭遇!!!
このネプチューンの噴水を強い蒸気で清掃中のお兄さん発見!!

本当はこの上にあるグロリエッテまで登り、丘の上からウイーンの街とシェーンブルン宮殿を
見たかったのですが、やっぱり時間が、、、残念!!!





仕方なくここでUターンし、ここからのシェーンブルン宮殿を眺めました。





やっと指定時間までに皆さんと合流し、宮殿前にある彫刻のある噴水を眺め、もう一度振り返って
正面からのシェーンブルン宮殿を見まわしました。





建物も敷地も広大過ぎて~~~

ただただハプスブルグ帝国の偉大さを肌で感じた宮殿の見学でしたが、この宮殿の多くの部屋が
今や公務員の官舎などとして賃貸住宅として開放されているとも聞き、かつての帝国の偉大さは
今や夢の跡となり、その偉大さゆえにその帝国の滅亡を思うと何とも言えない深い思いでした。

(続)

                    ブダペスト ドナウ川ナイトクルーズ

2015-11-21 | 中央ヨーロッパ4か国の旅




ブダの王宮見学後、バスはペスト側の船着き場にやってきました。
ここからドナウ川のナイトクルーズが始まります。

対岸に見えるのは、反対側から見る王宮です。





次第に暗くなり周りに明りが灯り始めクルーズ船も次々に動き始めました。





ドナウ川のナイトクルーズは、このマルギット橋辺りから始まります。





薄暮の空もいつしか暮れなずんで~~~





クルーズ船が動き始める頃には、ドナウ川の建物の明りが揺らぎ始めました。





クルーズ最初に見えてきたのは、ドナウ川のナイトクルーズの一番の見どころの国会議事堂です。

その金色の輝きに、まず圧倒されました。
なんと素晴らしい!!





夜の闇に浮かび上がった、金色に輝く国会議事堂の姿は、本当に綺麗!!!





次に昼間見たマーチャシュ聖堂と漁夫の砦が見えてきました。





そして次には、あの有名な“さり橋”と王宮のツーショットが見えてきました。

これが有名な“くさり橋”です。
くさり橋にかかる点々と続く光の帯が綺麗です。





次に王宮の丘にそびえる王宮の正面が見えてきました。

こうしてドナウ川から眺める夜のライトアップされた王宮も綺麗です。





クルーズ船はドナウ川をゆっくりの進み、横側から見る王宮が見えています。





次に近づいてきたのは、エリザベート妃にちなんでつけられたエリザベート橋。

あまり装飾のないすっきりと白い橋でした。





次に見えてきた橋は、自由橋。





この橋は以前はフランツ・ヨーゼフ橋といわれていたようですが、いつしか自由橋となったようです。





クルーズの最後の頃に見えたのは、ブダペスト工科大学。

この辺りからクルーズ船は引き返し、、、





もう一度くさり橋と、、、、





国会議事堂を眺め、約1時間の素晴しいブダペストのナイトクルーズは終了となりました。


あすはいよいよ今回の旅の最後の訪問地オーストリアに入ります。


(続)




                   ハンガリー王国、悲しみの歴史

2015-11-19 | 中央ヨーロッパ4か国の旅




スロバキアのブラチスラバを見学後、バスは国境を超え200キロ(約3時間)離れた
ハンガリーの首都ブタペストの街に入りました。
3つ目の訪問国です。

ブダペストはドナウ川を挟みブダとペストに分かれていますが、まずはブダ側の王宮の丘へ。
階段を上り三位一体広場へ~~~





最初に見えてきたのは“漁夫の砦”と言われる建物です。
ネオロマネスク様式の三角の塔が7つ聳えています。

“漁夫の砦” の名の由来は、中世期時代には魚市場があり、ドナウの漁師組合がこの周辺を守っていた
ことからこの名が付けられたとか。





さらに対岸に目をやると、、、
ドナウ川を挟み対岸には、大聖堂の様な風格の国会議事堂が綺麗に見えています。

この国会議事堂は、1896年にロンドンの国会議事堂を真似て造られたそうです。
確かに良く似ています。

2013年にはこのドナウ川が大雨のため氾濫し水位が上がり対岸の周辺は水が引くまで
数週間かかったとか。
2013年といえば私が丁度ミュンヘンにいた時で、そんなニュースを耳にしたような気がします。





丸いドームは、イシュトヴァーン大聖堂。





三位一体広場に聳えるのはカラフルな屋根瓦が目立つマーチャーシュ聖堂。

ハンガリーの磁器メーカーでのヘレンド に次ぎ有名なジョルナイ の作品で、世界で一躍有名になった
作品の一つが、この屋根瓦だと言われています。

またこのマーチャーシュ聖堂は、19世紀後半、ハプスブルグ帝国のフランツ・ヨーゼフ皇帝と
ヨーロッパ一美しいと言われる王妃エリザベートの戴冠式を行った教会として有名になりました。





マーチャーシュ聖堂前の広場には、ハンガリー建国の父といわれる初代ハンガリー王イシュトヴァーン
の銅像があり、右手には二重の十字架を持ち、頭上には王冠を戴いています。

二重の十字架は、一つは政治的、もう一つは宗教的権力を持っていたことを象徴するものだとか。





マーチャーシュ聖堂に入ってみると、、、、、荘厳な雰囲気が漂います。

フランツ・ヨーゼフ皇帝と王妃エリザベートの戴冠式がこの場所で行われたかと思うとなぜか感動です。
どんなにか素晴しい戴冠式だったことでしょう。





この日は丁度清らかなパイプオルガンの演奏が流れていて、教会内部は荘厳な雰囲気がいっぱいでした。

しかしこの教会は15世紀にはトルコに占領されてモスクに改装されたり、17世紀にはいると
ハプスブルグ家によってトルコ軍から解放され再びカトリック教会に戻ったり、バロックから
ゴシック様式に変わったりといくつかの変遷があったようです。





広場を抜けて王宮の丘にある建物を見学。
これは大統領官邸。





王宮の入り口にやってきました。

ドナウ川が眼下に見える素晴しい眺めが広がる高台に建てられた王宮です。





王宮の入り口近くには、羽根を広げた鳥の像が目に付きます。

これはハンガリーでは伝説の鳥といわれている「トゥルル」とか。
足に剣をしっかりと持っています。





一段と高い王宮の丘からは、ドナウ川の向こうのペスト側が見渡せます。

王宮のあるこちら側はブダ側になります。





眼下に見えるのは有名な「くさり橋」

王宮の丘からははっきりとわかります。





広い王宮の中の庭園に入ってきました。

瀟洒な立派な建物が続いていますが、現地ガイドさんの話では”この王宮の中には何もありません、
中は空っぽです”??

ハンガリーは建国以来オスマン帝国の侵入やハンガリーオーストリアの二重帝国時代、さらに
ソビエト連邦の進入、それによるハンガリー動乱、第一次、第二次大変では領土の喪失など幾多の
破壊と修復が長く続き、ほかの王宮で見られるような金銀財宝は全く残っていないのだそうです。





今はこの王宮の建物は、ハンガリー国立美術館、歴史博物館、軍事歴史博物館、国立図書館
などとして使われたいるとか。

本当に王宮として誇れるものが何も残っていないという現実に胸が突かれる思いがしました。
こんな素晴らしい場所に立っているのに、、、、、





王宮を一巡りし裏側に回ってきました。
いつしかすっかり陽も傾ていました。

夕日に浮かぶもうひとつの丘に見える住宅は、ブタペストの高級住宅街とか。
一般民衆の月給は平均4万ぐらいで、この国でも貧富の差がかなりあるとの現地ガイドさんの
お話でした。





夕日に浮かび上がる王宮の裏の高台にそびえる騎馬像と騎手のシルエット!!!

その姿はハンガリー王国のどこか物哀しい姿を見るようでした。


(続)