風のたより

つれづれに

    “ 中山道いまむかし ” (鵜沼宿)

2008-06-26 | Weblog
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画像はマウスオンです。

川沿いの柳の木の横には常夜灯があり、ちょっと細い道沿いに並んだ町並
の奥には格子窓の家々が、、、
ここは映画のセットや映画村ではありません。
今でも家々には人が住み、この細い道も立派に現代に息づいています。

ここはわが街を通る中山道の一部で、江戸時代の宿場町の面影を伝える
「中山道鵜沼宿」の町並みです。
それもこの道は我が家から数分の所にある毎日通る生活道路なのです。


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かつて中山道は東海道ほど交通量が多くはありませんでしたが、江戸と京都、
大阪を結ぶ重要な道でした。
数箇所の険しい峠道はあったものの、東海道の長期に渡る川止めや厳しい関所
を避ける為の別ルートとして使われた道だったようです。

その中山道の一部が街の東西に通っています。
その町並の一角に最近古い家が修復されて「中山道鵜沼宿町屋館」と
してオープンしました。


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今回公開されたこの家は、かつての本陣の東隣にあり、江戸時代には「絹屋」
の屋号で旅籠屋を営んでいました。

明治維新を向え鉄道の普及で旅籠屋の必要が減ると、その後は郵便局
として昭和39年まで開局していたそうです。
この建物も明治24年の濃尾地震により倒壊し、その後立て直されたようです。




広い土間を入り初めに目に付くのは今では珍しい箱階段でしょう。
また窓側の細かい格子戸も珍しいもので一階は平格子、二階は親子格子
と荒格子と呼ばれる物。
奥座敷には鉄の飾り金具の付いた百年前の箪笥がありました。
庭の仕切りには古い屋根瓦が使われ、隅にはししおどしが、、、

そしてなんと言ってもこの家の見所は、今では殆ど見ることができない弓形
曲面の天井です。
今までにこんな天井を見たことはありません。
珍しいものですね。これは必見です。


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道筋には立派な能舞台を持った神社などがあり、かつて脇本陣の旅籠には
松尾芭蕉も数回宿泊していたようです。
近くに芭蕉が読んだ石碑が建っていて、歴史探訪などの一団が立ち止まって
いるのをよく目にします。

またこの道筋にはかつて旅籠だった所が後に酒造業に転じた黒塀の大きな
酒造工場や細い格子戸を持った家々が並んでいたり細い路地があったり、、、

かつて幕末には、京都から江戸の徳川家に降嫁されたあの皇女和宮もこの道
を通りました。この鵜沼宿には昼休憩の為本陣に立ち寄っています。
また大名や公家の婦人たちがこの道を利用したことから、いつしか「姫街道」
とも呼ばれるようになりました。

そのほかお茶壷行列などもこの道を通ったようです。
今でも江戸時代の雰囲気が漂うこの一角は歴史的にも重要な道だったんですね。
近くに住んでいても意外に知らないことが多く再発見の日々になりました。


「中山道鵜沼宿町屋館」
開館時間   午前9時~午後5時まで
休館日     月曜日 (祝日の場合は翌日) 12月28日~1月4日
入館料     無料