昨晩九十二歳の生涯を閉じた、それは穏やかな優しい顔をしていた。
私達は余りにもの急変に臨終にも間に合わずに
言葉をかけることも出来なかった。
長く主なき家の庭は年に数回程度の草刈りだけで
木に絡まった蔦や蜘蛛の巣は、如何にも空き家ですと
言わんばかりに成っている。
一昨日今日と忙しない一日が続く
度々めまいが起こる
取り敢えず弔問客の目の届くところだけを清掃するに
留めた、要するに時間が足りなかった。
檀家として、お寺さんの悪口を言うわけには行かないが
敷いて言えば、お経・法名・等に関わる料金である
無くなった方と一族の名誉のために、余り安いお布施
では申し訳ない気持ちが有り、つい気張ってしまう。