エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

連翹(れんぎょう)

2015年03月31日 | ポエム
連翹の黄色は、同じ黄色でもミモザより美しい。
ミモザほどボテボテしない。
清楚に見えるのである。



日本の美学は、こうであらねばならないのだ。
前回、ミモザを嫌いだと書いたのだが北のヴィーナスからミモザも精一杯咲いているのだ・・・と指摘された。
その言葉は、良しとする。
ヴィーナスの言葉は、甘やかであるからだ。



けれど、やはり連翹は楚としているし控え目に感ずるのだ。
ぼくは連翹が好きだ。







「連翹や川の流れと重なって」







今頃のソウルは、きっと連翹が咲き乱れているに違いない。
漢江沿いの岸辺は、この花で彩られている。



ソウルっ子によれば、連翹は空気を清浄させると云う。
排気ガスの、凄まじい大気汚染に悩まされているソウル。
花で浄化されると云うのなら、それで納得できる。



韓国の宮廷の庭には、必ず連翹が色を添えている。



その気配は、美しい。
心まで浄化してくれるのなら、もっと嬉しい。



      荒 野人

ヒトリシズカの満開

2015年03月30日 | ポエム
ヒトリシズカの満開は、白い花をグンっと展に突き刺す事から知れる。
春の天を勇気凛々指さす。
その様は、孤高の春の花である。

過日、葉にまだ包まれたヒトリシズカを紹介した。
この日のヒトリシズカは、満開の呈であった。
しかして、やはり大勢シズカである。



この大勢は、少し興ざめであるけれど・・・。
自然の団結力とでも言おうか、咲くがままはとうぜんであるのだ。







「群れて咲くヒトリシズカの奥のおく」







ヒトリシズカは、ありのままが美しい。
ありのままが、楚なのである。

その楚とした有様こそが、孤高である。
そうでなければいけないのだ。



大地に溶け込み、且つ下萌に映える咲きざま。



その多々図解こそが楚であって、野である。
決して卑に堕さない。

孤高の花の所以である。



        荒 野人

今日は、10時からカタクリの吟行である。
参加者の念力によって、吟行日和となった。
きっと、カタクリはあの斜面で微笑んで待っている。
そう言えば、このヒトリシズカもまたあの斜面で咲いているのである。

ニリンソウ

2015年03月29日 | ポエム
二輪草である。
街によっては、街のシンボル的な花にしている。
ぼくの近在では、板橋区が区の花に指定している。



ニリンソウもまた、葉の上に浮くように咲くのである。
純白の可憐な花である。



自生地もかなり多いと聞く。
自然が、季節の移ろいに応える。
いつまでもそうあって欲しいものだ。







「二輪草次の蕾の硬きまま」







ニリンソウは、一本の茎に二つの花が咲く。
二番手は、かなり定位置に花が咲く。

すらっと伸びた一番の花が咲いている時、の番手の花はまだ蕾である。



ねっ・・・。
花言葉は・・・
「ずっと離れない」「予断」とある。

二輪が必ず咲くから、離れないとしたのだろうと思う。



とまれ、まだしばらくは楽しめる。
スレンダー美人であって、色白美人である。



        荒 野人

赤塚植物園のカタクリ

2015年03月28日 | ポエム
赤塚植物園のカタクリは、もう満開である。
見頃はもう終えてしまった・・・と言える。

花の数は、およそ数十個。
数カ所に別れて咲いているのである。



しかし、斜面に咲く姿は「いじらしい」のだ。



こうした単体で楽しめるカタクリは、それほど数が多い訳ではない。
従って、写真を撮るのには適している・・・と初老のアマチュアカメラマンがごちた!







「光受けかたかごの花なお淡し」







陽の当たる坂道から、こっそりと覗き込んで一枚!



少し罪の意識を抱くくらいの間隔が、良い。



花の終えるまで、何枚の写真を撮られるのだろうか?
可憐であることの罪であるのだけれど・・・。



      荒 野人

ヒトリシズカ

2015年03月27日 | ポエム
今年、ヒトリシズカを見ましたか?
山野でひっそりと咲いているのかと思いきや、実は「大勢シズカ」で群れている。

けれども、いまは未だ蒼い葉に包まれている。
白くしっとりとした花は、その青葉に隠されている。
花の先だけ、ほんの少し見せてくれる。



ヒトリシズカは、花が二輪になるとフタリシズカとなる。
フタリシズカは、花がすっと立って見応えがある。







「葉に包むヒトリシズカの花の先」







このフタリシズカは、板橋区の公園に咲いている。
練馬区のフタリシズカは、もっと「大勢シズカ」である。



ねっ!
このヒトリシズカは、なかなか花を見せてくれない。



そうであったとしても、何とも言いようのない風情がある。
名前でオマージュが広がる。
そんな山野草である。



      荒 野人