エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

貝母を覗こう

2015年03月19日 | ポエム
貝母を覗こうと思う。
ランプ・シェードの如き、貝母の花弁の中は一体どうなっているのかである。
細かな、可愛らしい紋様があるのは分かっている。

蕊はどうなっているのだろうか?
そんな、極めて単純な疑問を持ったのである。



昨日は、椅子を持ち出して貝母の前に座り込んだのであった。



貝母は、照れながらもその全容を示してくれたのである。







「陽を透かし貝母の花の通る風」







如何であろうか?
蕊は、以外にも瑞々しいのだ。

フェードのような花弁は、あたかもガッチリとしているし乾燥した様が伺えるのである。
しかしながら、蕊は瑞々しい。



秘するが花。
それを地でいっている。

それが貝母なのである。
スプリング・エフエメラルのセミファイナリストだと云ったことは、間違っていなかった。
そう確信できるのである。



見慣れた花ではないだけに「貝母咲く」と俳句に使いたいのだ。
花は咲くもの、雨は降るもの、風邪は吹くもの・・・そんな禁則処理は程度の問題である。

貝母咲く・・・は稀な花を見た感動の横溢なのである。



       荒 野人