エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

沈丁花

2015年03月16日 | ポエム
「ちんちょうげ」でも「じんちょうげ」でも良い。
自分の感性に合った読み方、をして良いのである。

因に、ぼくは「ちんちょうげ」と詠みたい。
「じ」と、濁りを入れたくないのである。

白、赤それぞれが個性的ではあるけれど、その芳香は両者とも優れている。



見た目では、白い花が楚としてして凛である。

もう一種類。



これは「ナニワズ」と発する。
沈丁花に属する花であって、香りは淡い。

鼻を近づけないと、その香りは確認できないほどである。



だがしかし、ぼくの好きな花である。







「ふと戻る幼児体験ちんちょうげ」







「ちんちょうげ」に気付く時、ぼくの感性は子どもの時代に戻る。
感覚は、完全に先祖帰りして舞ってゆくのだ。



春夏秋冬、季節は花たちの香りで突き動かされる。



中には、恥じらいを浮かべる花もある。
その花による変化の「おかしみ」故曽我季節であると思惟するのである。

とりわけ初春の「ちんちょうげ」は、そう思わせる。
そこはかとなく漂う香りは、おかしみ以外の何ものでもない。



       荒 野人