エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

立夏

2017年05月05日 | ポエム
今日は立夏、である。
いよいよ夏を詠むのだ。
この連休中、東京は極めて快適な妖気が続いている。

昨日もそうだけれど、汗ばむ気候である。
汗ばむけれど、風が心地良いのだ。
光が爽やかなのだ。
風は『青嵐」「若葉風」であって、光は「若葉光」である。



なのだけれど・・・実は昨夜映画を観に出かけてしまった。
チャン・イー・モウ監督の『グレート・ウオール」である。


映画『グレートウォール』予告編



映画としては、チャン監督とみてもB急。
スケールは大きいけれど、ストーリーが陳腐かもしれない。
けれど、映画館の満席であった。

さて、今日の一句は「風薫る」で・・・。







「風薫る焼きたてのパン齧りつく」







風薫る五月であり、聖五月である。
今月の十五日から、スケジュールはめじろおしである。



外が気持ちよい気候である。
見上げる空と若葉が最高であるのだ。



    荒 野人

をがたまの花

2017年05月01日 | ポエム
新仮名遣いで「おがたま」。
漢字表記では「招魂」あるいは「小賀玉」。

目立たず、楚々と咲く花である。
近頃では、街路樹として植栽される事もあるのだ。
在るのだけれど、誰も見向きもしない。



けれど、振り向いて欲しい。
開くと、花弁の縁が直ぐに黒ずんでくる。
それだけに、見た目もハキとはしない。



近付いてみて欲しい。
甘く良く熟したバナナの匂いがする。

木蓮科の花である。
おがたまの花は、晩春の季語でもある。







「をがたまの花に振り向く人の無し」







いまが、花の盛りである。
見回せば、あなたの周りに必ず咲いている。



青い雄蕊が印象的な花、である。
招魂の花、である。



    荒 野人