エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ネコヤナギ

2015年03月06日 | ポエム
ネコヤナギの産毛は、春の手触りである。
母の肌に触れたときの、あの懐かしさである。



しっとりとして、柔らかい。
川のほとりであって、大概は水辺あたりである。



薄く氷が張った景色から、静かに且つ暖かかさを湛えて流れる。
その水に映る。



ネコヤナギは、春を呼び出す自然の巫女である。







「しっとりと湛える時間ネコヤナギ」







この姿に、ぼくたちは春の暖かさと明日への希望を託す。



陽射しのカーテンを透かして眺める。
ネコヤナギは、そうした見方を喜んでくれる。
素直で、優しいのだ。



       荒 野人