エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

スプリング・エフェメラル

2015年03月08日 | ポエム
今日の「スプリング・エフェメラル」は「キクザキイチゲ」である。
キクに似た花を一輪つけることからこの名がついた。

季語としては「早春」で詠む。



漢字表記は「菊咲き一華」である。
春先に花を咲かせ落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごすのだ。
スプリング・エフェメラルの一種である。

前に紹介した「節分草」もスプリング・エフェメラルの一種である。



春先の白い妖精である。



スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)は、春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花の総称である。
春植物(はるしょくぶつ)ともいう。
直訳すると「春の儚いもの」「春の短い命」というような意味で「春の妖精」とも呼ばれる。







「背の低き妖精というキクザキイチゲ」


「キクザキイチゲ静かな瞳伏せて座す」







花 言葉は・・・。
「静かな瞳」である。
花が咲く春先まで、じっと待ち続ける様子を表したのであろうか。



陽が出ないと、華は俯いたままである。
陽が出ると、華は上向きになり鮮やかな白が際立つのである。



種によっては、紫色の花をつける。
スプリング・エフェメラル・・・美しいオマージュの広がる春先の山野草である。



嗚呼、彼女に「君はスプリング・エフェメラルのようだ!」と云ってみたかった。
そう、彼女は春の妖精のように可憐で輝いていた。
とりわけ白の花を頭に描いて、である。



       荒 野人