今期のA級順位戦、序盤は星が偏った。
2回戦を終えて
1.行方 八段 2勝0敗(○久保、○佐藤康)
2.渡辺 棋王 2勝0敗(○広瀬、○久保)
3.久保 九段 0勝2敗(●行方、●渡辺)
4.広瀬 八段 0勝2敗(●渡辺、●佐藤天)
5.深浦 九段 1勝1敗(○郷田、●屋敷)
6.郷田 王将 0勝2敗(●深浦、●森内)
7.森内 九段 2勝0敗(○屋敷、○郷田)
8.佐藤康九段 0勝2敗(●佐藤天、●行方)
9.佐藤天八段 2勝0敗(○佐藤康、○広瀬)
10.屋敷 九段 1勝1敗(●森内、○深浦)
2回戦は 行方(1勝) - 佐藤康(1敗)
渡辺(1勝) - 久保 (1敗)
深浦(1勝) - 屋敷 (1敗)
森内(1勝) - 郷田 (1敗)
佐藤天(1勝)- 広瀬 (1敗)
と、奇しくも「初戦勝者 対 初戦敗者」の組み合わせとなり、
深浦-屋敷戦以外は、初戦勝者が勝ち、2連勝4人(行方、渡辺、森内、佐藤天)、2連敗4人(久保、広瀬、郷田、佐藤康)と成績の明暗が分かれた。1勝1敗は2人(深浦、屋敷)。
それにしても、1、2回戦は、昨期のプレーオフ進出者(上位4人・行方、渡辺、久保、広瀬)同士の対戦が多い。
3回戦は 行方(2勝0敗) - 渡辺 (2勝0敗)
森内(2勝0敗) - 佐藤天(2勝0敗)
深浦(1勝1敗) - 久保 (0勝2敗)
屋敷(1勝1敗) - 広瀬 (0勝2敗)
郷田(0勝2敗) - 佐藤康(0勝2敗)という組み合わせ。
何と、2連勝同士の組み合わせとなった。
結果は ●行方(2勝1敗) - ○渡辺 (3勝0敗)
●森内(2勝1敗) - ○佐藤天(3勝0敗)
●深浦(1勝2敗) - ○久保 (1勝2敗)
○屋敷(2勝1敗) - ●広瀬 (0勝3敗)
●郷田(0勝3敗) - ○佐藤康(1勝2敗)
3回戦を終えて
3勝0敗……渡辺棋王(2位)、佐藤天八段(9位)
2勝1敗……行方八段(1位)、森内九段(7位)、屋敷九段(10位)
1勝2敗……久保九段(3位)、深浦九段(5位)、佐藤康九段(8位)
0勝3敗……広瀬八段(4位)、郷田王将(6位)
実力者ぞろいのA級棋士、どんな目が出ても不思議ではないが、新八段の佐藤天八段の3戦全勝が光る。相手は佐藤康九段、広瀬八段、森内九段と弩級が揃う。と言っても、A級は皆弩級なのは当たり前(特に今期は強力メンバー)。
渡辺棋王は流石。順当と言うべきか。
行方八段もここ2年(3位・6勝3敗、名人挑戦・6勝3敗)の充実ぶりをそのまま示している。
森内九段も流石の成績だが、3戦目の敗戦で、2連勝後4連敗で寒い思いが心をよぎる。
広瀬八段は後ろを見る必要はないと思われていたが、まさかの3連敗。
4回戦も既に3局が消化されている。
▲広瀬八段(0勝3敗)-△森内九段(2勝1敗) 10月1日
角換わり腰掛け銀から、後手の森内九段が右玉に変化。
右玉の是非と言うより、森内九段の指し手にやや難があり、勝ちにくい将棋となってしまった。終盤、難しくなったかという局面もあったが、森内九段の勝ちの局面はなかったようだ。(この将棋の解説役だったのか、伊藤果七段のコメント(解説)がよく紹介されていたが、あまり当てにならなかった)
○広瀬八段(1勝3敗)
●森内九段(2勝2敗)
▲久保九段(1勝2敗)-△郷田王将(0勝3敗) 10月2日
久保九段の角道を開けたままの向かい飛車。
力戦、手将棋となり、押し、引き、ねじり合いの中盤が続いたが、辛抱強い指し手を続けた郷田九段が勝利。
○郷田王将(1勝3敗)
●久保九段(1勝3敗)
▲行方八段(2勝1敗)-△屋敷九段(2勝1敗) 10月8日
矢倉模様から後手番の屋敷九段が、最近多用している銀2枚を前線に繰り出す急戦に(玉形が薄くて、真似をする気にはならない)。
機敏に動いた屋敷九段が局面をリードし終盤に。
屋敷九段に緩手が出て、形勢逆転するも、斬り合いの手勝ちと見た行方八段に誤算があり、屋敷九段の勝利。
○屋敷九段(3勝1敗)
●久保九段(2勝2敗)
屋敷九段は降級候補かと思っていたが、初戦の敗局後3連勝(3勝1敗)と、挑戦権争いに加わってきた。御見それしました。
▲佐藤天八段(3勝0敗)-△渡辺棋王(3勝0敗) 10月19日(本日)
3戦全勝同士の大一番。
3回戦が準決勝で、本局が決勝戦のような巡り合わせ。
渡辺棋王は糸谷竜王に挑戦中(現在0勝1敗)、佐藤八段は羽生王座に挑戦中(現在2勝2敗)。
似た状況だが、渡辺棋王は4連敗中(王将リーグ2敗、JT杯、竜王戦第1局)、佐藤八段は4勝1敗(直近で葉王座戦第4局での敗戦)。
角換わり腰掛け銀で、先手の佐藤八段が先攻したが、渡辺棋王が銀桂交換(駒損)で得た桂を攻めに使い反撃。激しい戦いとなったが、終盤の入り口で、渡辺棋王が斬り合いを選ばず、自陣に手を戻す。
やや妥協した手順で、駒の損得は先手に利があるが、自玉の安全度を重視したようだ。
この後、自玉の安全度を増した後、再び寄せを目指す渡辺棋王に対し、攻め合いに成算が持てなかった佐藤八段が受けに回る。
23時20分現在、87手、残り時間、佐藤天八段2分、渡辺棋王1時間9分。
粘りに出ている佐藤八段だが、2分の残り考慮時間が、苦しさを反映しているようだ。
▲佐藤九段(1勝2敗)-△深浦九段(1勝2敗)は、21日に行われる。
1勝2敗同士、裏の大一番。
勝てば挑戦権争いにも加われるが、敗れると少し背中が寒くなる。
ただ、既に1勝3敗が久保九段(3位)、広瀬(4位)、郷田王将(6位)と3人いるので、まだまだこれからという状況だが、深浦九段(5位)、佐藤九段(8位)と順位が高くないので、敗れると暫定で降級圏内に陥ってしまう。
2回戦を終えて
1.行方 八段 2勝0敗(○久保、○佐藤康)
2.渡辺 棋王 2勝0敗(○広瀬、○久保)
3.久保 九段 0勝2敗(●行方、●渡辺)
4.広瀬 八段 0勝2敗(●渡辺、●佐藤天)
5.深浦 九段 1勝1敗(○郷田、●屋敷)
6.郷田 王将 0勝2敗(●深浦、●森内)
7.森内 九段 2勝0敗(○屋敷、○郷田)
8.佐藤康九段 0勝2敗(●佐藤天、●行方)
9.佐藤天八段 2勝0敗(○佐藤康、○広瀬)
10.屋敷 九段 1勝1敗(●森内、○深浦)
2回戦は 行方(1勝) - 佐藤康(1敗)
渡辺(1勝) - 久保 (1敗)
深浦(1勝) - 屋敷 (1敗)
森内(1勝) - 郷田 (1敗)
佐藤天(1勝)- 広瀬 (1敗)
と、奇しくも「初戦勝者 対 初戦敗者」の組み合わせとなり、
深浦-屋敷戦以外は、初戦勝者が勝ち、2連勝4人(行方、渡辺、森内、佐藤天)、2連敗4人(久保、広瀬、郷田、佐藤康)と成績の明暗が分かれた。1勝1敗は2人(深浦、屋敷)。
それにしても、1、2回戦は、昨期のプレーオフ進出者(上位4人・行方、渡辺、久保、広瀬)同士の対戦が多い。
3回戦は 行方(2勝0敗) - 渡辺 (2勝0敗)
森内(2勝0敗) - 佐藤天(2勝0敗)
深浦(1勝1敗) - 久保 (0勝2敗)
屋敷(1勝1敗) - 広瀬 (0勝2敗)
郷田(0勝2敗) - 佐藤康(0勝2敗)という組み合わせ。
何と、2連勝同士の組み合わせとなった。
結果は ●行方(2勝1敗) - ○渡辺 (3勝0敗)
●森内(2勝1敗) - ○佐藤天(3勝0敗)
●深浦(1勝2敗) - ○久保 (1勝2敗)
○屋敷(2勝1敗) - ●広瀬 (0勝3敗)
●郷田(0勝3敗) - ○佐藤康(1勝2敗)
3回戦を終えて
3勝0敗……渡辺棋王(2位)、佐藤天八段(9位)
2勝1敗……行方八段(1位)、森内九段(7位)、屋敷九段(10位)
1勝2敗……久保九段(3位)、深浦九段(5位)、佐藤康九段(8位)
0勝3敗……広瀬八段(4位)、郷田王将(6位)
実力者ぞろいのA級棋士、どんな目が出ても不思議ではないが、新八段の佐藤天八段の3戦全勝が光る。相手は佐藤康九段、広瀬八段、森内九段と弩級が揃う。と言っても、A級は皆弩級なのは当たり前(特に今期は強力メンバー)。
渡辺棋王は流石。順当と言うべきか。
行方八段もここ2年(3位・6勝3敗、名人挑戦・6勝3敗)の充実ぶりをそのまま示している。
森内九段も流石の成績だが、3戦目の敗戦で、2連勝後4連敗で寒い思いが心をよぎる。
広瀬八段は後ろを見る必要はないと思われていたが、まさかの3連敗。
4回戦も既に3局が消化されている。
▲広瀬八段(0勝3敗)-△森内九段(2勝1敗) 10月1日
角換わり腰掛け銀から、後手の森内九段が右玉に変化。
右玉の是非と言うより、森内九段の指し手にやや難があり、勝ちにくい将棋となってしまった。終盤、難しくなったかという局面もあったが、森内九段の勝ちの局面はなかったようだ。(この将棋の解説役だったのか、伊藤果七段のコメント(解説)がよく紹介されていたが、あまり当てにならなかった)
○広瀬八段(1勝3敗)
●森内九段(2勝2敗)
▲久保九段(1勝2敗)-△郷田王将(0勝3敗) 10月2日
久保九段の角道を開けたままの向かい飛車。
力戦、手将棋となり、押し、引き、ねじり合いの中盤が続いたが、辛抱強い指し手を続けた郷田九段が勝利。
○郷田王将(1勝3敗)
●久保九段(1勝3敗)
▲行方八段(2勝1敗)-△屋敷九段(2勝1敗) 10月8日
矢倉模様から後手番の屋敷九段が、最近多用している銀2枚を前線に繰り出す急戦に(玉形が薄くて、真似をする気にはならない)。
機敏に動いた屋敷九段が局面をリードし終盤に。
屋敷九段に緩手が出て、形勢逆転するも、斬り合いの手勝ちと見た行方八段に誤算があり、屋敷九段の勝利。
○屋敷九段(3勝1敗)
●久保九段(2勝2敗)
屋敷九段は降級候補かと思っていたが、初戦の敗局後3連勝(3勝1敗)と、挑戦権争いに加わってきた。御見それしました。
▲佐藤天八段(3勝0敗)-△渡辺棋王(3勝0敗) 10月19日(本日)
3戦全勝同士の大一番。
3回戦が準決勝で、本局が決勝戦のような巡り合わせ。
渡辺棋王は糸谷竜王に挑戦中(現在0勝1敗)、佐藤八段は羽生王座に挑戦中(現在2勝2敗)。
似た状況だが、渡辺棋王は4連敗中(王将リーグ2敗、JT杯、竜王戦第1局)、佐藤八段は4勝1敗(直近で葉王座戦第4局での敗戦)。
角換わり腰掛け銀で、先手の佐藤八段が先攻したが、渡辺棋王が銀桂交換(駒損)で得た桂を攻めに使い反撃。激しい戦いとなったが、終盤の入り口で、渡辺棋王が斬り合いを選ばず、自陣に手を戻す。
やや妥協した手順で、駒の損得は先手に利があるが、自玉の安全度を重視したようだ。
この後、自玉の安全度を増した後、再び寄せを目指す渡辺棋王に対し、攻め合いに成算が持てなかった佐藤八段が受けに回る。
23時20分現在、87手、残り時間、佐藤天八段2分、渡辺棋王1時間9分。
粘りに出ている佐藤八段だが、2分の残り考慮時間が、苦しさを反映しているようだ。
▲佐藤九段(1勝2敗)-△深浦九段(1勝2敗)は、21日に行われる。
1勝2敗同士、裏の大一番。
勝てば挑戦権争いにも加われるが、敗れると少し背中が寒くなる。
ただ、既に1勝3敗が久保九段(3位)、広瀬(4位)、郷田王将(6位)と3人いるので、まだまだこれからという状況だが、深浦九段(5位)、佐藤九段(8位)と順位が高くないので、敗れると暫定で降級圏内に陥ってしまう。
>仮に渡辺明の心にさざ波が立つようなことがあったとしても、さすがに竜王戦にまでは引きずっていない
そう思うのですが……
渡辺棋王は精神的に強いと思いますが、周囲の発する電波や空気を感じるアンテナも高性能のような気がします。2日間、前日を含めると3日間ですから、将棋に影響が出るような気がします。
>糸谷竜王と佐藤天彦八段に対するこのところの逆転のされ方は、私は相当にショックを受けました。
少し、尾を引きそうな敗局でしたが、ブログを読むと大丈夫そうですね。
羽生名人も王将リーグで、糸谷竜王に敗れました。
ショックというより、糸谷竜王に敗れると、悔しさが2倍になるような気がします。
何だか、「羽生・渡辺組」対「糸谷・佐藤天組」で対抗戦をしているみたいですね。
前回の私のコメントですが、「作戦的に負けた将棋」は対糸谷戦ではなく、対深浦戦でした。とんだポカをしてしまいました。
盤外のことは、私もよく分かりません。ただ、王将リーグのときは分かりませんが、仮に渡辺明の心にさざ波が立つようなことがあったとしても、さすがに竜王戦にまでは引きずっていない気がします(むしろ、そうであって欲しくない)。
それにしても、糸谷竜王と佐藤天彦八段に対するこのところの逆転のされ方は、私は相当にショックを受けました。もちろん、渡辺明本人の方がもっと辛く、そしてずっと打たれ強いはずですから、ファンとしては気分を切り替えて応援するしかないのですが。
対糸谷戦(王将戦)は、後手番としてはうまくいっていたと思ったが、盲点の受けをうっかりしていて、“実は、出化していなかった”という気持ちが大きく、難解な形勢だが押し切られてしまったようです。
同じく王将戦の深浦戦は、先手番角変わり腰かけ銀(5年間で1敗)で完敗。
JT杯でも、先手番角変わり腰かけ銀で、三浦九段の新手△4一飛が効を奏したのか、ややリード。そのリードを守り切られて敗局。
そして、竜王戦(対糸谷)で逆転負け。順位戦の対佐藤天八段戦も、勝ち切れず敗局。
ひどい不調ではないと思いますが、読みの踏み込みが足りなかったり、指し手がやや消極的に感じます。
>「逆境でこそ燃える男」であるところを証明して欲しいところです
例の3連敗からの4連勝……羽生ファンは嫌という程、渡辺棋王の逆境での強さを味わっています。
順位戦も竜王戦も、まだ1敗なので、これからが勝負だと思います。
ところで、『週刊将棋』の王将戦(対糸谷戦)の記事で、「すんなり現・竜王が上座で始まった将棋は…」とあるのですが、これって、渡辺棋王は内心、モヤモヤしたのではないでしょうか?もちろん、≪気にすべきことではない≫と思っていても。
竜王戦に関しては、私は対局映像は観ていません。昨年の森内竜王(当時)が心を乱された?ような、糸谷竜王の所作ってあったのでしょうか?気になります。
渡辺明、連敗街道に入ってしまいました。竜王戦直前に2連敗したとき、少し悪い予感がし、3連敗したときは、かなり拙い感じがしていました。私は級位者なので、将棋の内容について詳しく議論する資格はないのですが、しかし王将リーグの糸谷戦を除いて、作戦的に負けた将棋はなく、中盤以降の競った展開をものにできない、「勝ち方」を忘れてしまっているかのような将棋が続いているのは、否定できない事実だろうと思います。
ここに来て、このような事態になるとは・・・。古いファンとして、ここから開き直って渡辺明の底力を見せて欲しい、「逆境でこそ燃える男」であるところを証明して欲しいところです。