英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

疑問の判定 第43回 全国高等学校柔道選手権 2021年(2020年度)

2021-03-22 22:09:07 | スポーツ
他に書く記事があるのですが、やはり判定に疑問を感じるので、書いてしまいました。

女子48kg級 近藤美月(佐賀商)ー池田湖音(埼玉栄)
 開始1分で“消極的な戦い方”と指導が両者に与えられる。
 池田が近藤の釣り手を下に落とし、十分な組手を与えない。近藤は、不十分なまま内股を掛けるが、決まらない。
 釣り手が取れない近藤が、奥襟を取ろうとするが、結局、池田に釣り手を下げさせられてしまい、膠着状態が続いていた。

 指導を受けたので、近藤が片襟のまま担ぎに行ったが、これも決まらず(片襟組手のまま6秒以上技を掛けないと、指導を取られるが、6秒以内に技を掛けていた)。
 次の組手。近藤が足技を掛けるが、これも不十分で、つぶれる。
 次の組手は、近藤が奥襟を狙うが、切られる。釣り手をうまく取れない近藤だが、何とか、技を掛けようとするが、うまくいかない。
 それでも、技を掛けようと、体落とし的な技(よく分かりません)に入ったところで、「待て」の声が掛かり、近藤だけに指導が与えられる。(1分54秒)
 画面に主審のポーズが映されず、実況も解説も具体的な指導の内容を語らないので、何の指導だったのか、分からなかった。

 2つ目の“指導”を取られた近藤が、さらにアクションを取ろうとした瞬間、これを好機と見た池田が、背負い投げを掛けようとする。しかし、強引だったため、がっちり受け止められ、引き落とされかける。このままでは、背中から落ちてしまうので、腹ばいで落ちようと反転した。この時、持ち手を離さなかったので、池田の捻りと倒れる合力に引っ張られるように、体勢を崩して畳に落ちる。この時、やや横向きに落ちてしまった。
 2人がもつれて倒れた瞬間だけを見ると、池田が投げて、近藤が横向きに落ちたように見え、それを1人の副審が“技あり”の判定(この大会は、主審+2副審体制)。時間は2分2秒(残り58秒)
 これを受けて、主審がビデをを確認。確認後、副審たちと協議し、”技ありを認定。
 しかし、電光掲示板は近藤に技ありの表示。気づかず、試合再開。
 残り50秒で、ジュリーから中断の声。3人で協議するが、結局、何も訂正せず、そのまま再開。
 組み手争いが続き。もつれて倒れこんだところで「待て」(残り23秒)。ここで、再び、主審副審で協議。さらに、主審がジュリーがのところへ行き、映像を確認(先程の技ありの映像だと思われる)。かなり長い時間、映像を確認して、副審たちに、一言二言説明して、技ありポイントの訂正のジェスチャー。
 司会再開後も、組み手争い。結局、釣り手を下げられたまま、十分な組手ができず、そのまま、試合終了。

 池田の仕掛けた技は、訳の分からない技ありだけ。組み手のうまさは評価できるかもしれないが、ほとんど投げる気はなかったように感じた。
 さて、この試合の主審だが「講道館杯全日本柔道体重別選手権2020……疑問の判定」(2020年11月)でも取り上げた女性の審判員(場内放送の紹介では「たけだ」と聞こえた)
 まず、最初の“両者指導”(この審判員は、とりあえず両者に指導を与えることが多い)が疑問。組み手争いが続いたが、近藤は技を掛けようという姿勢が伺えたし、実際に、技を仕掛けていた。
 次の「近藤にだけ指導」も大いに疑問。もし消極性の指導なら、最初の指導と同様な疑問。少なくとも、両者指導でないとおかしい。もしかしたら「相手の袖口または下穿の裾口に指を差し入れること」などの違う要素の指導だったのかもしれない。何の指導だったのか知りたい。
 「技あり」の判定も不満。確かに、倒れた時の形だけ捉えると、池田の技の効果があったように見えるが、あれで技ありというのは納得しがたい(最近の柔道の“技あり”判定は甘すぎる。以前の“有効”より甘い)。あの技は、いったい何という技だったのだろうか?
 それに、判定の際のモタモタと、掲示ミスの訂正のモタモタぶりもいただけない。主審はビデオをかなり長い間、凝視していたが、実際に技が終了(決まったとは言いたくない)した時点で、主審は状況(状態)を把握していなかったのではないだろうか?

 
 そんなわけで、非常に判定に疑問を感じた試合だったが、実は、他の試合でも判定に関する疑問がたくさん生じた。

女子57kg級 井田侑希(児玉)ー江口凛(桐蔭学院)
 江口は2019年世界カデ(15~17歳)柔道選手権優勝、今大会、2人の強化選手を破ってきている。井田は3回戦(一本背負い)、準々決勝(内股)、準決勝(袖釣り込み腰)で一本勝ちと好調。
 お互い、力強く、スピードのある柔道を展開したが、開始1分30秒、自分の組手になってから、一閃の背負い投げ(違う技かもしれない)。江口の身体を腰に乗せ、そのまま回転。江口も前転するように回されてしまった。
 “一本”だと思ったが、判定は“技あり”。48kg級の池田の訳の分からない技が“技あり”なら、この投げは“一本”でなければならない。
 一本勝ちにならなかった井田、果敢に攻める。残り55秒、井田の背負い投げを踏ん張って潰した江口が、締め技を掛け、決める。堪らず、井田が降参。江口の逆転勝ち。
 井田の背負いを踏ん張り、井田を畳に付した時には、井田の襟を掴んでおり、素早く締め上げた。江口、恐るべし!


女子63kg級 石岡来望(創志学園)ー鹿歩夏(佐賀商)
 一進一退の攻防が続き、延長戦に(指導は両者共1)。
 石岡は左手(腕ではなく手)を痛めているようで、その影響が徐々に表れ始め、試合は鹿ペースになりつつあった。
 延長25秒、鹿が大内刈りを掛け、体勢を崩した石岡が畳に落ちる。
 “技あり”の判定が出たが、取り消される。畳に落ちる瞬間、石岡は身体をひねって、腹ばい気味に倒れたのだ。でも、しつこいようだが、48kg級の訳の分からない技が“技あり”で、これが“技あり”でないのか?
 このあと、石岡は組み際に素早く担ぎ系の技を掛けるが(5度)、浅く、ぶら下がるだけの技がほとんど。
 鹿も技を出したいが、石岡の仕掛けが早く、受けるだけになってしまう。主審が試合を止め、副審と3人で協議。おそらく、鹿の消極性についての協議しているのだろう。協議を終え、“指導”が出るかと思われたが、試合続行。
 再開直後も石岡が技を掛ける。解説の中村美里氏によると「浅かった」という評価だが、この時の技は、かなり腰が入っていた。
 しかし、この後の背負いは掛けたものの、すぐ崩れ、鹿にぶら下がるだけになっていた。
 ここで、主審副審が協議。……鹿に消極性の指導が与えられ、石岡の勝利。

 確かに、鹿は技を出せなかったが、組んですぐ掛け逃げっぽい技を出されては、なかなか、先に技を出すことは難しい。それでも、先に出さないといけないのだが……
 石岡の技だが、7回掛けて、偽装攻撃と思われても仕方がない技が5つ。特に、最後の指導が出された直前の技は、その技単独でも“偽装攻撃”を取られても仕方のないレベルだった。
 審判は、もう少し、試合を続けて、石岡の技が正当化を見極めるべきだった。



 この大会、一番印象に残ったのは、女子52kg級新井心彩(埼玉栄)の力強さ。見事な一本勝ちだった(その前の“技あり”も見事だった)
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【歳時メモ】 桜(日野川堤防)

2021-03-22 13:36:51 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 今年の桜の開花は、全国的に非常に早いらしく、多くの地点で“統計開始以来、最も早い開花”となったようです。
 日野川堤防も、今朝の時点で。帆山橋~日野大橋の堤防は、1分咲から3分咲と開花が進んでいました。万代橋~帆山橋の堤防は、花が“開きかけ”という状態でした。今日が暖かければ(今日は2月下旬~3月上旬の寒さ)、“開花”と言い切ることができたのですが。


 ちなみに、昨年の記事によると、福井市の開花
昨年(2020年)は3月25日に史上最早の開花。それ以前の最も早い開花日は2009年の3月260日。平年値は4月3日で、一昨年(2019年)は3月28日。
 今年は、最早だった昨年より、かなり早くなりそうです。
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