英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『警視庁継続捜査班』 第6話

2010-08-27 22:05:34 | ドラマ・映画
 今回は、犯人(赤い通り魔)・梅野(やべきょうすけ)の行動の分析で、ヒロイン・貴志真奈美がプロファイリングで活躍?した。「でしゃばり」もやや控えめだった点は評価できる。まあ、事件を追うのに精いっぱいで、でしゃばる時間がなかっただけなのかもしれない。
 また、継続捜査班のメンバーの岩瀬が事件の当事者だったので、継続捜査班が出張(でば)る不自然さもなかった。
 
 それはともかく、相変わらず脚本は甘い。
 今回の甘さは無関係の2つの事件を強引に絡ませたことにある。これによって、今回のドラマでは奇跡的な偶然(都合の良い偶然)が当たり前のように起こってしまっている。

都合の良い奇跡的な偶然
①護送中に運転手がたまたま心臓発作を起こし、たまたま梅野だけが無傷。…事件の発端には偶然は必要と思われるので、これには目を瞑ろう
②過去の強盗殺人犯・「黒い鼠男」の古池と「赤い通り魔」の梅野がたまたま遭遇し、梅野が古池を射殺。しかも、その直前、古池の強盗殺人時のアリバイを偽証した塚本(布施博)にたまたま出会っていた。
③塚本は岩瀬の娘の婚約者の父親。
④古池が真奈美に残したダイイングメッセージ「マ・ク・ベ…」は、当時の塚本の役名の「マクベス」を示していたが、古池を殺害した梅野の父親の姓がたまたま「真久部」だった。
 これについては偶然性の他に突っ込みも。
 まず、「真久部」という性、ない姓ではないが、かなり珍しい。これはいいとして、古池が真奈美に託した言葉が何故「マクベス」だったのかが理解できない。自分を殺した犯人の名前なら分かるが、過去に自分のアリバイを偽証し、そのことでゆすろうとした相手のあだ名を言う必然性があるのだろうか?

 今回の主題は「刑事の娘」であるようだが、このダイイングメッセージ「マクベ」によるミスリード(見え見えだったが)とその裏側にある真実の暴露にある。
 ダイイングメッセージで興味を引き、二つの事件を絡み合わせて複雑にして、ドラマを面白いように見せかけただけに過ぎず、奇跡的な偶然のご都合主義が蔓延したドラマになってしまった。



 あと、梅野の行動の一貫性の無さが引っかかる。
 護送車事故の際、必要のない殺人を犯した。
 その後、岩瀬のいるホテルで古池を射殺したのも不可解。岩瀬が標的ならあまりにも人目を引く行動だ。一応、強盗目的だったと思われるが、それなら、岩瀬のいるホテルでする必要がない。
 と、ここまでは、非常に凶悪。しかし、その後の行動は、事件を大きくして射殺されるのが目的で、人命を奪う気は全くないようだった。真の標的である父親を呼びつけようとしないのも不可解。
 これに関しては、梅野は岩瀬が好きだったのかもしれない。父親に関しては、捻じれた父親への思慕で、憎み切れていないと解釈すべきかもしれない。

その他の突っ込み
・矢吹(筒井道隆)が簡単に梅野を逃がし過ぎ。しかも、責任を感じていない
・古池が「真久部」と言ったと勘違いしたが、それならば、古池と真久部の関係を調べようとしないのはおかしい
・梅野が塚本家に電話したのは、母親が精神的に追い詰められているのを見せるためとしか思えない
・岩瀬が塚本家に謝りに行くのに、真奈美が同行するのは不自然。やはり、真奈美はでしゃばり?
・塚本を取り調べるのは、真奈美で良いのでは?
コメント
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