英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『新参者』 最終話

2010-06-21 13:31:01 | ドラマ・映画
う~ん、真犯人は岸田要作(笹野高史)でしたか。
ベタ過ぎる犯人、私の予想(『新参者 真犯人』6月19日記事)は当たったと言えば当たったのですが、少し考えすぎだったようです。予想の精度としては「微妙」、恥ずかしい出来でした。記事にしなければ良かったと後悔しています。……予想はよそう



まず、全体的なことを言うと
人によっては、「途中、事件と関係のない捜査が多すぎて、それが無駄だった」
という感想を持つかもしれませんが、
その部分、つまり、捜査上の証言に浮かび上がるウソと、その裏にある真実と人情を明かしていく加賀刑事(阿部寛)、これこそがこのドラマの主題なので、それを楽しめばいいのです。

 最終回に関して言えば、親子の情がテーマで、加賀が岸田要作に迫るシーン、上杉刑事(泉谷しげる)が岸田父を諭すシーン、岸田克哉(速水もこみち)のウソの立証と、ウソの人生を正すシーン、清瀬親子(父と子、母と子)の親子の情の部分がしっかり描かれていて、良かったと思います。
 まあ、清瀬一家については不満がありますし、突っ込みどころも多かったのですが、良しとします(もちろん、後で突っ込みます)。


 さて、最大の山場は、加賀が岸田要作に回るはずのないコマを回してみろと迫るシーンです。加賀の迫力と、要作の返答に窮する泣き笑いの表情。

泣き笑いの顔で
「ちがいますっ!」
「わかりませ~ん」
とシラを切る要作

「もしあなたが犯人じゃないというのなら、お孫さんに渡したこのコマを回して、凶器のコマじゃないと証明しなさい。この回らないコマを回してみなさい」
と迫る加賀

回そうとして紐をコマに掛けるが、うまく手が動かない要作


圧巻でした。


 さて、予想結果の検証と、その言い訳(突っ込み)等です。
岸田克哉
 金に困っていたというのは合っていたが、思った以上に見栄っ張りで甘ちゃんでどうしようもない奴だった。
 この人物像の捉え方の誤りが、私の推理に誤差を生じさせたといえる。

 【推理ミス】
・克哉の車について加賀が気にしていたのは、傷ではなく落書きだった(この汚れが証拠となり、克哉のアリバイが成立)。
・犯行時間付近の6時30分の清瀬(三浦友和)への電話は、車の汚れ落としの依頼だった。
 【言い訳(突っ込み)】
・金を確かめる克哉の様子は、急遽30万円を借りた態度には見えない。きっと、車の汚れ落としもタダなのだろう。しかも、自分の秘密は守るよう頼んだのに、清瀬のアリバイを崩すような証言は喜んでしていた。情けなさ過ぎ。
・昼間、峯子に会ったのは、何のため?やはり、借金?

倉庫での出来事
 【推理ミス】
・隠れたのは清瀬ではなく、元社員だった
 【言い訳】
・アリバイに関しては、清瀬の証言はまったくウソはなかった。なら、もっと強く主張してほしかった。どこか、自信無げだった。
・中の洗剤を盗み、空の段ボール箱に封をするのは、却って怪しまれる
・辞めた社員のカギを会社が回収しないのはおかしい
・凶器と同じタイプの紐が倉庫から発見されたが、事件とは関係なかった。
 そう、このダミーともいえる紐の存在が、私の推理を狂わせたのだ。
 
岸田要作
 第1容疑者だったが、深読みしすぎて断言できなかった。
 【言い訳】
・要作は清瀬とも被害者の峯子ともかなり近い関係者、もっと早く調べるべきだろう。もっとも、そうしてしまったら、このドラマは成り立たない。
・万引きしたモノを凶器に使うのは、足が付きにくいという利点はあるが、万引きで捕まる危険性もある。しかも、岸田父の万引きのやり方は、店内からは分かりにくくても、とおりからは丸見え。相当危険性が高い
・推理の記事で指摘したが、清瀬を前にした要作の態度は、元妻を殺害し、会社の金を横領していたにもかかわらず、堂々としすぎていた。

凶器の紐
 大まかな考え方はあっていたが……
 【言い訳】
・ダミーの紐のせいで推理が混乱した
・コマによって、撚り紐と組み紐、まわせる紐が異なるというのは本当なのだろうか。撚り紐がコマ回しに適して、組み紐がダメというのならともかく、あるコマは撚り紐で、あるコマは組み紐というのは不思議だ。どちらもコマをまわす機能があるなら、コマが違っても多少は回ると思う

犯行動機
 犯行動機は、横領の発覚を恐れてのものだった。峯子が殺されたのは、峯子本人に原因があるのではないという点は合っていた。
 【言い訳】
・シュレッダーにかけていた書類が、裏帳簿か何かだと思ったが、それが、要作の横領を隠すためのものだと気づかなかったのは、われながら情けない。

その他の突っ込み、つぶやき
・峯子が首を絞められるシーンは、幾通りもあって、原田美枝子さんは大変だったろう
・香川さんはただの通りすがりかよ。「そう、その笑顔だ」という台詞を言わせたかったのだろう
・加賀のいたずら電話に2回で気づく岸田父は鋭い
・犯行に使われたコマ(の紐)を万引きされた店を、たまたま通りかかって見つける加賀はエスパー
・40人の客が前にいる時点で、売り切れの人数を見切るのは無理(たい焼き屋の店員)

・清瀬一家は、母と息子、父と息子の関係はよく描かれていたが、清瀬夫婦の関係は何も見えてこなかった。脚本家になるため離婚した?離婚したものの、仕事がないから、お金が欲しくなった?ちょっと勝手だと思った。
 もちろん、罪がない峯子が殺されたのは理不尽。


≪教訓≫ ウソはつかないほうがいいようです
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする