さんぽ道から

散歩中の雑感・モノローグを書いてみました

簡にして要を得た作品でした…

2013-06-24 19:29:01 | 抜き書き
ドイツのレストランに入り、飲み物は何にしますかと聞かれて、ドライシェリーといったら、本当に、ドライシェリーが三杯出てきた…
疲れ切ったときには先ずは温かい飲み物が欲しい。ホットココアなどを両手で挟んでふうふうしながらちょびちょび飲むのも最高だ…

小説も、描写がココアのようにあったかくてやさしく、一動作一動作が手に取るように浮かんでくるもの、そう主婦探偵ジェーンが登場するジル・チャーチルものも好きだし…
最近読んだ「コリーニ事件」は、ドライシェリーのようにすっと喉越しにストレートにくるもので、これも好き…

引用は、殺人の容疑者コリーニを弁護するカスパーの幼少の頃を説明する一文だが、さらっとしていながら血が通ってる…

<カスパーの両親が結婚したのは、大いなるまちがいだった。結婚して四年目、母は既婚届を提出した。「おれがゴム長靴をはいて歩きまわるのが気にくわなかったんだ」と父はあとになって愚痴をこぼした。母は別の男と懇ろになった。家では、その男は「成金」と呼ばれていた。森から得られる一年の収入よりも高い腕時計をしていたからだ。母はその新しい男とシュトゥットガルトに移り住み、子どもをふたりもうけた。カスパーは父の林務官屋敷に残った。十歳のときのことだった。>フェルディナント・フォン・シーラッハの「コリーニ事件」P22より
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