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京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【京都鴨川】

2016-10-31 | Weblog
近頃は、日本の観光地で外国の人が増え続けていて、京都も同様で、それに合わせて商売もしはるさかいに京都の街に漂う雰囲気もずいぶんと変わってきました。

先日、鴨川の河川敷を歩いて北山まで向かい、道中鴨川に架かる橋、その向こうの山々、空と浮かぶ雲の美しさは、流れる季節感をあらわし、人の心に宿ります。
やっぱり鴨川にも外国人はたんといたはって、自転車、ジョギング、ウォーキング…なんかを楽しんだはりました。

京都の人はそれぞれ、町なかを流れる鴨川にいろんな想い出を持ったはります。

散歩したり、本を読んだり、デートで川の前に並んで座って語り合うたり、部活での楽器の稽古やったりランニングやったり、お昼にお弁当を食べたり、昼寝したり、物思いにふけったり、と人によって日によって実にさまざま。
いつの時代も鴨川は京都人の心のオアシスで、安心と安らぎをあたえてくれて、リフレッシュさせてくれます。

ぼくは、ものごころついた時分から鴨川に網を持っていって、魚をとるのがなによりも楽しみで、とってきた魚達は井戸水を出しっ放しの水槽に入れて育ててました。ドジョウ、オイカワ、ギギ、カワエビ、サギシラズ、時にはウナギやコイなんかも捕れました。

昔は川端沿いに正面公設市場があって、たこ焼やらコロッケなんかを緑の紙に包んでもろて、鴨川で食べてました。学生時代の想い出もけっこう鴨川の情景が浮かんできます。現在も時間があるときは、歩いたり、自転車でのんびり走って気分転換してます。

たしかに行政によって、河川敷はものすごくキレイになったし、周りの草木もステキになりました。出来ることやったら、情緒豊かで趣ある空気感は、いつまでも変わらんといてほしいなぁと願おてます。

【河井寛次郎展】

2016-10-16 | Weblog
先日、えき美術館の寛次郎展へ寄せてもらいました。

あれだけの作品達が一堂に会すると、物凄い迫力。圧倒されつつ、強い肝銘を受けました。

また、河井寛次郎の魂が籠った言葉には人生観が移り、正に寛次郎哲学。

心を奪われるほどの強い印象を受け、感慨を覚え、時が経つのも忘れて素晴らしい作品に見入っておりました。

【初霜月の立礼茶事】

2016-10-14 | Weblog
先達ての秋の立礼茶事の懐石

〇向附 鮃昆布締め 陸蓮根 寄せ海苔 山葵 ◆川瀬竹春 古赤繪冩四方向附
〇汁 袱紗仕立 海老芋 紅葉麩 溶き芥子
〇飯

〇椀盛 鱧 松茸 針柚 ◆時代 柿 栗 団栗蒔繪煮物椀

〇焼物
狭腹西京焼 はじかみ ◆三浦竹軒 楓樹游鹿図鉢

〇強肴 穴子 蕪 三度豆 ◆矢口永寿 乾山冩椿鉢

〇預鉢 赤貝 鳥貝 帆立貝 霙和へ ◆真葛香斎 竜田川透鉢

〇箸洗い 銀杏 ◆時代紅葉蒔繪小吸物椀

〇八寸 巻昆布 柿玉子 ◆秋田杉筋目八寸盆

〇湯斗 香乃物 沢庵 柴漬け 日の菜 ◆河井寛次郎 抜蝋黄釉鉢
主菓子は道楽謹製「大枝之里」

待合と本席の床は有馬頼底師の画賛と墨蹟、汲出は半七の絵替り秋の画、皆具は古代交ち 松唐草、香合は時代堆朱、茶入は時代呉須手、仕覆は時代印度更紗、茶杓は瑞巌宗碩「雲静日月」、茶碗は黒楽と萩焼、棗は一瓢斎 鵬雲斎花押、火入は弘入、縁高と莨盆は飛来一閑、等々でした。

皆様と共に、幸せなひとときを過ごすことができ、深く感謝しております。

【料理勉強会】

2016-10-04 | Weblog
今回の料理勉強会は次の通りでした。

床は華影「秋景」、花は旧重陽節が近いので、藤原啓の耳付花入に菊。

〇錦秋和え(雲錦透し向附) 剣先烏賊 菊花 長芋 枝豆 陸蓮根 水前寺海苔などを鱈子で和えました。

〇南京擂り流し(京阿蘭陀雁木紋蓋碗) 南京 豆乳 白味噌で擂り流しを作り、白玉麩をオリーブ油でカリッと炒め、浮かしました。

〇真那鰹西京焼き(色絵菊向附) 二日間味噌床に漬け込んだ真那鰹をじっくりと焼きあげ、舞茸と万願寺唐辛子を添えて。

〇かしわと焼き豆腐の炊いたん(銀彩武蔵野蓋碗) 丹波地鶏 焼き豆腐 麩 九条葱を炊いて、七味をふります。

〇散らし鮨(道楽 輪島塗鰻平) 鮨飯には干瓢 牛蒡 人参 高野豆腐 ちりめんじゃこ 蒲鉾等を混ぜ込んで、特注の輪島塗鰻平に盛り、錦糸玉子を敷いて、焼鰻 鮃 間八 帆立貝 イクラ 椎茸 三度豆 ガリなんかを彩りよく散らします。胡麻豆腐と滑子の赤出汁を添えて(雲錦蒔絵筒小吸物椀)。

〇栗善哉(時代独楽椀) 丹波大納言を炊いて、栗渋皮煮 焼き餅をのせました。

〇薄茶 黒楽小茶碗

毎回、皆様にはご熱心に勉強いただき、嬉しく幸せに存じております。
今年の勉強会もあと二回、引き続き頑張ってまいりたく存じます。

【さんま】

2016-09-23 | Weblog
「秋刀魚」という当て字は実に解りやすく洒落てます。細長く銀色に光り、まさに刀身のよう。

季節回遊魚というて、夏の終わり頃北海道あたりから秋が深まるにつれ南下、冬から春にかけて北上し、5〜6年で体調は30cmを超えるくらいにまで成長します。

買い求めるときは、体に青紫の鱗が光り、腹がしっかりしたもんを選びます。

料理は山椒炊き・時雨煮・揚げもん・幽庵焼き・棒寿司・刺身…いろいろとありますけど、やっぱり塩焼きが一番。むかしはどこのお家でも、炭をおこし七輪に入れ、金網に秋刀魚をのせて、団扇でパタパタ扇ぎながら焼いたもんです。秋刀魚の脂が炭に落ちて炎があがり煙の匂いは秋の風情、食欲をそそります。

大根おろしにちょっとお醤油をかけ、スダチかレモンを絞っていただきます。

料理はとかく、変わったもん、食べたことのないもん、目新しいもん がもてはやされる傾向がありますけど、シンプルで何の変哲もなく素朴な料理が一番ですね。

【おはぎ】

2016-09-22 | Weblog
お彼岸の中日には、おはぎをたんと作ってご先祖さんにお供えします。

秋分の日は、お日さんが真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほとんどおんなじになります。これから冬至まで、日毎夜長になっていって、来年の春分の日に再びおんなじとなります。

今夏はほんまに暑かったんで、冷製料理が例年より多く、切子硝子の器を多用しました。

まったけや栗、柿なんかも店先に並び、グッと秋めいてまさに実りの秋。じきに道具替え・建具替えもせんとあきません。

【長月】

2016-09-20 | Weblog
白露となり、菊の被綿をして重陽を迎え、中秋名月に芒と萩を入れ、お団子を御供えし、昨日は彼岸入り。
瞬く間に時が流れて季節が移ります。

柿が出回りはじめました。ぼくが最も好きな食べ物の一つで、日本のしみじみとした秋の情緒を感じさせてくれます。

新米、新蕎麦、秋刀魚、松茸、栗、梨、葡萄、ほかにも秋の風情を印象づける食材が次から次と出てきて、まさに食欲の秋。
日本の秋の味わいを、大いに楽しみましょう。

【懐石料理マナー勉強会】

2016-09-15 | Weblog
今回の懐石マナー勉強会の御献立は以下の通りでした。

〇向附 明石鯛昆布〆 紅葉人参 胡瓜 寄海苔 山葵 旨酢かけ
*川瀬竹春 染付唐草紋四方向附

汁 袱紗味噌仕立 里芋 粟麩 溶き芥子


*輪島塗四つ椀

〇煮物 萩しんじょ 舞茸 芽葱
*時代芒に鴨蒔絵煮物椀

〇焼物 秋刀魚味噌幽庵焼 万願寺唐辛子
*華光山窯 紅葉絵透手鉢

〇強肴 鶏と種々野菜の信太巻
*京焼色絵菊透鉢

〇預鉢 錦秋和え 烏賊 長芋 菊花 陸蓮根 紫ずきん
*藤平伸 彫絵豊穣鉢

〇箸洗い 南京豆
*時代三日月蓋瓜形小吸物椀

〇八寸
燻し秋味:丹波栗塩蒸し
*秋田杉木地八寸盆

〇湯斗・香の物
大根糀漬 茄子芥子漬 壬生菜
*清風与平 内秋之画南京青磁平鉢

主客共々、ご一緒に楽しいひとときを過ごすことができましたこと、心より感謝致しております。

【料理勉強会】

2016-09-07 | Weblog
床の掛け物は高浜虚子の秋の画賛、花は時代手付籠に芒と山萩。

今回の料理メニュー

〇口取り
マナガツオ西京焼
モロコ山椒煮
干し無花果生ハム巻
鶏八幡巻
勾玉豆腐大徳寺納豆射込み
ズッキーニ
人参葡萄酒羊羹

*人参葡萄酒羊羹の作り方を主に実演。

〇土瓶蒸し
鱧 椎茸 海老蔘薯 新銀杏 三つ葉 酢橘

*鱧は淡路産を骨切りしてサッと湯引き、椎茸は大原野のボールのような丸形のものをサッと焼いて手でさき、新銀杏はサッと湯がいて土瓶に入れて蒸し器に入れ、蒸しあがりに三つ葉を散らす。

〇焼き鮎
天然鮎を焼き上げ骨を抜いて、骨は油で揚げ、添えは鷹峯唐辛子と舞茸。

*頭と尾を落として藻塩をふり、焼き上げ、骨を抜くところを実演。

〇冷製精進炊合せ
里芋 茄子 菊南京 高野豆腐 蒟蒻 人参 絹莢 ふり柚子

*それぞれの素材の下処理、炊き方を全てレクチャー。

〇香の物
西瓜奈良漬 大根糀漬 鰹昆布

〇小吸物 かき玉汁 生姜汁 三つ葉

〇お赤飯
大納言あずきを用いた、本格的なお赤飯。

*一晩大納言の茹で汁に浸けたもち米を蒸して、お酒と藻塩を加え、さらに蒸し上げる全工程を実演。

〇桃羹
道楽オリジナル菓子の桃羊羹。

*桃を炊いて小角に切り、白羊羹に射込んでラップで球形に包み、冷やし固める工程を実演。

皆様方には大変お喜びいただき、幸せに思います。

まだまだ暑い日が続いてますけど季節は白露。食材は秋の味覚がつぎつぎとお目見えです。

次回は、しみじみとした秋を感じるお献立となります。

【動物園】

2016-09-01 | Weblog
今日から九月。雲の姿も秋らしくなってきました。今夜は新月でお月様は観られません。

先月八月の京都は、猛暑日が続いて例年になく異常な暑さで、毎日のように「あつおすなぁ」との声を耳にしました。エルニーニョによる世界的な異常気象も心配です。

昨日の京都は快晴。文字通りこころよいお天気で、無花果をベランダに広げて干して、久しぶりに、(50数年ぶり)に岡崎の動物園に行ってきました。以前に行ったのは、4〜5歳の頃で母親との写真があります。

先ず、嵐電で「嵐山」に向かって用事を済ませてから、地下鉄東西線に乗って「蹴上」下車。ブラブラ歩いて動物園に到着。

園内はスゴくキレイでビックリ。観やすく設計されて、予想外に獣臭も少なく、非常に楽しく動物達を観ることができました。

キリン、シマウマ、カバ、バグ、ゾウ、ゴリラ、ライオン、トラ、ジァガー、ヤブイヌ、レッサーパンダ、ワニ…ワシ、フクロウ実にさまざまな鳥類、京都に生息する動物のエリア……癒されますね。

小さな子達を連れたご家族がよおけお出(い)でで、動物をスケッチしたはる人も結構お見受けしました。

その後、京阪で藤森に移動、青少年科学センターでウトウトユッタリとプラネタリウム。

店に戻ってみたら、無花果がちょうどええ具合に干し上がってました。