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京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【初釜】

2017-01-09 | Weblog
昨日は、お世話になっております茶道の先生が小店で初釜の茶事をなさいました。

社中の方二十一名で旧館の広間(青雲)で懐石、新館の広間で炭,濃茶,薄茶をなさいました。全ての御道具・花など初釜らしい素晴らしいものばかりで、眼福にあずかりました。
また、皆様方素敵な晴れ着をお召しになられて、あらためて和服のよさを実感。

事前に打合せのうえ、御料理は御祝いの内容で、器は永楽焼を主に用いました。

ひととおり終了後、社中の方が花月にてお点前などお楽しみになられました。

【お正月】

2017-01-05 | Weblog
今日は二十四節気の小寒、寒の入りらしい冷たさです。

年末のおせちもなんとか無事に終え、新玉の年を迎えました。十干十ニ支は丁酉(ひのとのとり・ていゆう)、平成二十九丁酉となります。

ぼくが子供の頃のお正月は、各家々の玄関周りが綺麗に掃き清められ、元旦の町は静かで清々し空気に包まれてました。

元旦は心清らかに、新たな初々しい気持ちで迎える、神聖なる日でした。

新年の挨拶をし、小梅と結び昆布の大福茶。おせち料理をいただき、白味噌に丸餅・大根・お芋さんのお雑煮。

今はお正月いうても、コンビニや飲食店など営業してるところも結構あって、昔の静かで清浄な引き締まった空気感はなく特別な日という感じもなくなってきました。

立派過ぎる門松を飾り付けるのは大仰過ぎるので、京都の人は控え目に歳神様が宿る根引きの松に水引を結んで玄関に付けます。
うちでは毎年、おせちを仕上げてから根引き松と注連飾りを付けるのですけど、いつもいただいてる花屋さんが取り扱いをやめたということで、あわてて他をあたったんですがどこも売り切れ。今年は根引き松なしのお正月となってしまいました。根引き松も需要がかなり少なくなってるようで、この先扱うところも僅かとなることでしょう。

何かと不便やけど、暮らしの中にふかぶかとした風情があった子供の頃、豊かで便利になったけど季節がもたらす味わいが薄くなった現代、日本ならではの感性は未来につながっていってほしいもんです。

【市場の運搬車】

2016-12-19 | Weblog
ぼちぼち、おせちの食材を仕入れ始める時期になりました。

虎河豚、鮑、伊勢海老、鯛、鮃、鰤、鮪、いくら、車海老、海胆、烏賊、金目鯛、帆立貝、赤貝、鳥貝…
海老芋、聖護院蕪、金時人参、菜種、慈姑、蓮根、牛蒡、甘藷、大根、蕗、絹莢…
身欠き鰊、撥子、数の子、ごまめ、黒豆、干し柿…

市場で買おた野菜や鮮魚や塩乾物は、店の運搬車に積んで車をおいたところまで運んでくれはります。

この電動の運搬車のことを、京都中央市場では「モータートラック」を略して「モートラ」と呼んでます。
築地では代表的な車種の「ターレットトラック」を略して「ターレ」と呼ばれてました。
また「パタパタ」とか「バタバタ」と呼ぶ人もいたはりました。

この運搬車は乗り心地がめちゃくちゃ悪いんですけど、しばしば自分自信も荷台に乗せてもろて、車のとこまで運んでもろてます。

【京料理展示大会】

2016-12-18 | Weblog
13・14日の二日間、恒例の京料理展示大会が催されました。

うちは、鯛を姿のまま身をおろし、尾頭付きの骨を串を打ってじっくり焼いて、身は切身にして別に串を打って焼いて、尾頭付き姿の鯛に盛り付けました。三方に手透きの檀紙を12枚重ねて折り、その上に焼き鯛を盛付けて、紅白水引を束ねて結び、口には潮吹きの金銀水引を飾りました。

別の三方には、正月の祝肴三種。「数の子」「ごまめ」「叩き牛蒡」をそれぞれ土器に盛りました。

もう一品、時代の折鶴と若松蒔絵のお重に、丹波大納言の赤飯を入れました。

ぼくは、13日開場から入口でチケットの半券をもいでおりました。道楽料理勉強会のメンバーともお会いできて、嬉しかったですね。

【大雪】

2016-12-08 | Weblog
昨日は千本釈迦堂の大根焚き、立冬からおよそ三十日目で二十四節気の「大雪」です。

いよいよ冬将軍の到来。熊が冬眠に入り、寒鰤やはたはたなど冬の魚の漁が盛んになって、南天の葉が赤く色づく頃と言われてます。

また、昨日は日本各地で今年一番の冷え込みとなりました。

今年はラニーニャ(東太平洋で赤道付近の海面水温が異常に低下する現象)で、厳しい底冷えの冬になるとの見通しです。

今日は法輪寺などの針供養ですね。

【料理勉強会】

2016-12-06 | Weblog
昨日は、今年最終の料理勉強会でした。

床は、松花堂昭乗の横軸に花は古信楽に照り寒菊を入れ、凛と引き締まった空気漂う侘びた風情のお床となりました。

○鮃求肥巻き 蛇腹胡瓜昆布押し

○穴子 聖護院蕪 ほうれん草の炊き合わせ

○松前漬け 昆布 数の子 烏賊 大根 金時人参 柚子

○淡路鯖の味噌煮 絹莢

○千枚漬け 菜種芥子漬け 西瓜奈良漬け

○粕汁 芹 七味

○牡蠣飯 三つ葉

○柿羊羮

薄茶

懐かしい会員の方もご遠方よりご参加いただき、ほんとうに嬉しく有り難く思います。

今年も一年間、道楽料理勉強会にご参加賜り、盛り立てていただき、心より御礼申し上げます。

来年も変わりませぬご愛顧のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

感謝

【京野菜蒔絵】

2016-12-04 | Weblog
先日、福井県鯖江の蒔絵師さんのところに勉強方々、依頼品の進行具合を見てきました。

自分で京野菜の絵と文字を描いたのを、小吸物椀に蒔絵にしてもらうようお願いしてあったぶんです。

蒔絵は半分くらい仕上がってまして、その丁寧な仕事ぶりに感謝。

夕飯を地元の割烹店で。ぐじの蕪蒸し 若狭産五種のお造り 笹鰈の焼物 蟹の酢の物 地穴子の天ぷら等々、地の食材が上手に調理されて実に美味しかったです。

【照寒菊】

2016-11-29 | Weblog
このところ、床の花には照葉と白い椿、または白い照寒菊を入れることが多いです。
寒菊は冬菊とも言われ、冬に咲く小輪の黄菊で、もともと秋に咲く小菊を改良栽培したもんです。
とくに葉が霜にあたって紅葉した寒菊は「照寒菊(てりかんぎく)」と呼ばれ、その風情は師走の茶席などで珍重されます。

芭蕉の名句「寒菊や粉糠のかかる臼の端(かんぎくやこぬかのかかるうすのはた)」があります。
臼で米をついている傍らに寒菊が美しく咲いていて、花や葉に粉糠がうっすらとふりかかっている。という冬の情緒がつたわってくる味わいぶかい句です。

日本人独自の感性・美意識を磨いて、受け継いでいくことが大切ですね。

【ヴェネツィア・ルネサンス】

2016-11-09 | Weblog
ジョバンニ・ベッリーニ、ヴィットーレ・カルパッチョ、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ、ヤコボ・ティントレット、ヤコボ・バッサーノ…

大阪中之島の国立国際美術館で開催されている「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」に行ってきました。

アカデミア美術館所蔵の、ルネサンス期にヴェネツィアで活躍した画家たちの作品展示です。

15世紀半ばから始まったとされるヴェネツィア・ルネサンスは、実に豊かな色彩を駆使し、光と影の表現や、その空気感は独特で実に魅力的。

中でも、ティツィアーノの最晩年(1563〜65頃)の作品「受胎告知」の前に立ったとき、暫し時の経つのを忘れて見入っておりました。

食事は久しぶりに西宮の「岡谷」さんところで、素敵な御料理をいただきながら、いろんなお話をうかがい、日本料理を堪能致しました。

久しぶりに板場を離れてリフレッシュでき、有り難いことでした。

【料理勉強会】

2016-11-08 | Weblog
料理勉強会の日は立冬で、暦の上では冬となりました。

床は句佛の口切り画賛、花は椿 西王母と初嵐。

〇鳥貝・帆立貝の霙和え

〇きのこ(椎茸・舞茸・湿地茸)の吉野煮 三つ葉

〇豚肉の野菜巻焼き

〇精進煮染め(里芋・蓮根・牛蒡・蒟蒻・人参・三度豆)

〇海老出汁袱紗味噌仕立て 豆腐 若布

〇鯖ずし 酢取り生姜

〇胡麻葛寄きな粉塗し

薄茶

今年の料理勉強会開催も残すところあと一回となりました。欠かさず御参加いただいております皆様には心より感謝です。また、御遠方よりお越しの会員の方々には忝なく存じ、より頑張らないとと気が引き締まります。
来月も皆様の御要望に応じた季節の料理を、魂を込めて作る所存でございます。