福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

デンマーク•オーフス大学にて恩人と再会

2015-11-11 23:53:24 | 大学院時代をどう過ごすか
ご縁あって、デンマークのオーフス大学に滞在しています。

本日午後、微生物学部門のセミナーにて講演させて頂きました

題目:Seasonal changes in organic matter mineralization in marine coastal sediments and temperature-driven decoupling of key processes

上記セミナーに地球微生物学センターのBo Barker Jφrgensen(ボー バーカー ヨルゲンセン)先生が出席して下さることになり、急遽「硝酸蓄積型硫黄酸化細菌」の研究についても紹介することにいたしました。なぜなら、ヨルゲンセン先生の強い勧めにより、硝酸蓄積型硫黄酸化細菌Thioploca(チオプローカ)の研究を始めることになったからです。いわば、研究上の恩人です。あれから21年の年月が経過し、ここ数年、幸運にも顕著な成果を得ることができました

セミナーでは、硝酸蓄積型硫黄酸化細菌に関して、矢継ぎ早に質問を頂き、とても参考になりました。講演後も、ヨルゲンセン先生と一対一で長時間にわたり議論し、貴重なご意見を頂きました。何よりも先生からお褒めの言葉を頂き、嬉しく思いました。

研究を続けて行くことは、時に困難なことも多々あり、心が折れそうな時もあります。そんな時、研究上の恩人のことを思い出すと勇気が涌き、忍耐強く研究課題に取り込むことができます。

そう言えば、私が大学院博士課程もそろそろ終わりを迎えようとした頃のこと。学位取得後、海外留学を考えていました。指導教員の滝井進先生(最大の恩人)と相談し、オーフス大学のヨルゲンセン先生の研究室を真剣に考えました。問題は奨学金をいかに獲得するかでした。いろいろと悩んだあげく、ドイツのマールブルグ大学に居たFriedrich Widdel(フリードリッヒ ヴィッデル)先生のもとへDAAD(ドイツ学術交流会)の奨学金で留学することにし、奨学金申請いたしました。

ところが、つくばの国立研究所にパーマネント職を得ることができたため、海外留学を断念いたしました(1989年の頃)。したがって、オーフス大学とマールブルグ大学は、私にとっては憧れの研究機関です。

それから5年が経ち、やっと私にも留学のチャンスが到来。1994年から1年間、ドイツのマックスプランク海洋微生物学研究所に在外研究いたしました。その研究所には2人ディレクターが居て、何とヴィッデル先生とヨルゲンセン先生でした!私にとっては、最高に充実した研究生活を過ごすことができました。

その後、ヨルゲンセン先生はマックスプランク研究所を定年退職し、現在オーフス大学の地球微生物学センターの責任者です。このセンターは、デンマーク版「センター オブ エクセレンス」なのだそうです。

と言うことで、元気を取り戻して帰札いたしますので、大学院生の皆さん、小島久弥さん、寺島美亜さん、これからもよろしくお願いいたします!





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