ドイツのブレーメンにある研究所で微生物生態学研究を始めたばっかりのころ。33歳だったが、ドイツ人大学院生たちが随分と声をかけてくれた。それは、おそらく私が研究所で唯一の東洋人だったかもしれない。
「マナ~ブ、君の名字のフク~イって、どういう意味なの?」とクリスチャンが訊いてくる。
「へえ~。いい名前だね。君一緒だと、何だか人を幸せにしてくれそう」
「そうだろう!」
それ以来、ドイツ人に「福井」の意味を説明する時は、「(グリュック)」と表現することにしている。そのたびに、「いい名前だね」と返ってくる。お世辞かもしれないが。
研究所には、大学で日本語を勉強し、1年間横浜の会社で研修経験のある秘書さんがいた(今でもいるが)。彼女の日本語学科時代の友人マリオン(仮名)が、北海道帯広地方の『グリュック王国』で研修していたとのこと。いわゆる廃線となった『幸福駅』の近辺だ。その『グリュック王国』は、今はもうない。マリオンは、その後幸せになったのであろうか?
ところで、ドイツ人の名字も興味深いものがある。クリスチャンに訊いてみた。
クリスチャン、君の名字Knoblauchクヌーブラウフって、どういう意味なの?」と私。
クリスチャンはニヤリとしながら、「ニンニクって言う意味だよ」
私は肺腑をえぐるような笑いを堪えながら、言葉をふり絞って、「えっ? 君は、クリスチャン ガーリック(日本語だと、ニンニク タロウ)だったの!」と。
クリスチャンは再び笑みを浮かべ、極めて強い印象を私に与えて実験に戻っていった。その実験結果が下記の通り。
記のエピソードを思い浮かべながら、クリスチャンの論文を読み込めば、なお一層印象深くなる、でしょ?
カテゴリー
- 研究室紹介(126)
- 微生物から学ぶ(20)
- このブログに関して(4)
- 大学院時代をどう過ごすか(104)
- まち歩き(4)
- 下宿の思い出シリーズ(4)
- 低温研のことごと(145)
- 南大沢の真理へシリーズ(3)
- 悩み(4)
- テレビ番組(1)
- 憩いのお店シリーズ(10)
- F氏的日常(4)
- おうちごはん「卯和」のおかずに挑戦(2)
- My箸会員への道(4)
- ちかごろの研究論文(50)
- 散歩(2)
- これまでの学位論文(3)
- 研究論文など(3)
- 研究論文リスト(5)
- 日記・エッセイ・コラム(193)
- 教育(53)
- 南極(80)
- 研究(51)
- フィールド(57)
- 四季折々(122)
- 学会(60)
- 健康・病気(2)
- 旅行記(54)
- インポート(13)
- 講演会(27)
- 学問(42)
- 受験・学校(7)
- 本と雑誌(12)
- 流氷への旅シリーズ(13)
- 食・レシピ(24)
- 日記(177)
- 旅行(0)
- グルメ(0)