毎月発行される米国微生物学協会の機関誌『ASM News』の講読は、大きな楽しみの一つです。
ですが、7月号には、ドイツの微生物学者Norbert Pfennig(ノルベルト・ペニッヒ)の訃報が掲載されています。享年82歳。
以前にも、このブログでもご紹介しましたが、私は、大学院博士課程修了後ドイツ留学を考えていて、ペニッヒ先生に手紙が送ったことがあります。いろいろあって、先生に初めてお会いしたのは、1990年秋、コンスタンツで。ちょうど、ペニッヒ先生がコンスタンツ大学を定年退官する時の最終講義です。あれから、もう、18年です。
Widdel先生がお書きになった、ASM Newsの追悼文には、こんなことが記されています。
Unlike many traditional professors, Norbert Pfennig gave an enormous amount of freedom to his scientists and acted more like a colleague, always curious to news.
そして、さらに。
His lectures and courses were characterized by a similar attitude: he did not regard himself as somebody who simply had to transfer knowledge, but to convey the attitude of asking questions, always willing to learn from the microbes.
さてさて、大学院生の皆さんは自由ですか? そして、自然界の微生物から学ぼうとしていますか?
余談ですが、当グログのURLにある『desulfonema』は、糸状性硫酸塩還元細菌の学名です。かつて、ペニッヒ先生がゲッチンゲン大学の教員であった頃、研究室のハイキングで、たまたま見つけた微生物がDesulfonemaです。
ペニッヒ先生のご冥福をお祈りいたします。