35年前の小学校の卒業文集で、将来なりたい職業として、「国家公務員」と書きました。クラスの他の児童たちは、大臣、野球選手、科学者とかで、夢のある職業のオンパレード。なぜ、私が「国家公務員」と書いたのだろうと、思い起こしてみると、安定を求めていたのですね。
でもって、28歳でようやく国家公務員になったわけですが、給料の良し悪しはさておいて、いろいろな特典があることにビックリ。その特典の一つが英語研修。
通産省(現在の経産省)には、東村山(東京都。志村けんの歌で有名な地)に通産研修所があります。ここで、3週間の英語研修(合宿)に参加。入省して3年目だったでしょうか。研修所の周りには、居酒屋などはなく、逃げ場のない過酷な合宿です。1クラス5名で、朝から晩までネイティブスピーカーの講師による英語漬けです。その日の授業が終わっても、翌日の宿題やLL教室での自習もあって、結構しんどい研修でした。クラスメートは研究職が3名で、他2名は霞ヶ関の事務官、経歴も様々。
ネイティブスピーカーの講師は3名。その一人が、ホーン先生で、朝鮮戦争の頃の米兵で日本人女性と結婚し、戦後も日本に在留した方でした。なんと、ホーン先生はグラマラス女優ホーン?ユキのお父様!
ある水曜日の午後、ホーン先生がダンデーなスタイルで教室にやってくると、いきなり一言。
I need a pick-me-up!
オヨヨ。ホーン先生、昼間っから気でも狂ったか?5人とも怪訝な顔をしていると、「pick-me-upは、元気を回復させるもので、転じてコーヒーのことだよ」と先生。ナルホド。しかし、せっかく教えていただいたのですが、“I need a pick-me-up!”というフレーズ、一度も使えていません。
さらに、ホーン先生、調子づいて、“It's a hump day, isn't it?”
humpとは、らくだの背コブの意味。1週間のうち、水曜日が山場で大変な一日なので、a hump dayと表現するんですって。
昨日は水曜日。国家公務員にとっては、定時退庁日。9年に及ぶ国家公務員生活を終え、地方公務員6年間、そして、今は、法人職員。ハンプな一日の過ごし方も大きく変わってきました。昨夕、ふと我が口から漏れたフレーズは?
I am finally over the hump.
(やれやれやっと山を越えたよ、やっと一息つけるぞ)
でも、今日は、もっとハンプな一日になりそう。12歳の私が望んだ安定はいずこへ?
雨上がりの今朝。一転して晴れ、北大キャンパスには、徹夜で大学祭の準備をしていた学部生があちこちに。なかには、毛布にくるまってテントでグーピーの学生も。そう、今日から大学祭。テーマは、「札幌沸騰」だそうです。ここにも、"pick-me-up"がありそうです。