ボディリペアの考え方



左右側面にダメージを負ったZ34が入庫です。
右側は軽度なダメージですが、左側は結構なダメージがあり修理のやり方に頭を悩ませます。


この角度から見るとダメージの深さが良く分かりますが、あわせてフロントフェンダーにも同様のダメージがあることが分かります。
フロントフェンダーはボルトオン装着ですのでASSY交換でも悪くはありませんが、可能ならばリペアして再利用したいところです。
リアフェンダーに関しても同様に可能ならば再利用したいと考えました。 
但し、リアに関してはボルトオンにて着脱を行うことが出来ませんから、もし交換するのでしたら切断→再溶接の工程が必要になります。
オーナーさんはDAYTONAに来る前に1件の板金塗装専門店、1件の日産ディーラーへ修理の相談へ行かれたそうですが、2件とも前後フェンダー交換での作業見積もりでした。



DAYTONAが選択したリペアは前後とも板金にて修復です。
フロントに関しては、正直な所どちらの選択でも良いのですが、リアに関しては可能な限り切断を行いたくはないと考えるのは皆同じではないでしょうか?
B~Cピラー、サイドシル、バックパネル、インナーハウス 溶接でとまっている箇所は全て外して交換を行う為、当然ながら切断、溶接箇所が多くなり、また三角窓も着脱を行います。
当然ながら売却や下取りの査定にも大きな影響を与えます。 
通常は外板(ドアやバンパー等)の交換は査定基準に影響を及ばしませんが、リアフェンダーやバックパネル交換に関しては事故車にこそならないものの、その交換に対する強度的な影響を確実に減点され、その一歩手前程度まで査定は落ちてしまいます。

しかしながら、結構な凹みを負った状態から、ある程度の形へと修復する作業は容易ではありません。 
作業を請け負う側の都合だけで話をするなら、最も簡単な修正方法は交換。 
逆に、板金は莫大な手間がかかる為、今の時代では一番嫌煙されるリペアになるかもしれません。

早い話が、今、この瞬間だけで修理業務を処理するならば『交換』が最も優れているという話です。(勿論、リペアが可能な状態ならばの話ですが)
それと同時に「パテの使用は極力少なく」が基本中の基本です。 
鉄板を可能な限り元の状態へ導き出し、最終仕上げ程度でパテを盛ると言う考えです。 
パテは必ず痩せてしまいます。 
そうなった時にでも、ラインを維持するためにはパテ頼みの形成では、今は良くても後から必ずボロが出ます。 

次回へ続く


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