日産フェアレディZが、DAYTONAフェアレディZに生まれ変わりました。








Z33VersionST 6速に乗るオーナーさんが車検の為入庫してくれました。

今から約5年前にDAYTONAで販売した車両ですが、今回の車検を機に手放そうか? もしくは乗り続けようか? 色んな思いを胸をよぎったことと思います。
オーナーさんは、もう時期『イチョウマーク』を貼って車の運転をしないといけない年齢です。 
体力や視力 そして、なにより大切な家族の理解も必要だし。 だけどフェアレディZに乗りたい。
自分の答えは『車種云々ではなく これを機にきちんと整備が行き届いた安全な車に乗ろう!』と言うことでした。

『時間も費用も全て貴方にお任せする』

当初、予定していた作業が進むに従い 段々と、それまでは気が付かなかった部分のアラが見え始めてきました。
本当に不思議なものです。 
手を入れては試運転を繰り返すほど素晴らしく良い部分は確実に増えていくのですが、逆に僅かなネガが部分が顔をのぞかせます。
もしかすると、一般的には気が付かないレベルかも知れません。
だけど、どうせなら気がついた部分は潰していきたいと思い、オーナーの了解も得ていますので、伸び伸びとした本当に気持ちがいいフェアレディZに生まれ変えることが出来ました。

作業メニューは下記のとおりです。

DAYTONA リフレッシュプラン STEP.ZERO
DAYTONA リフレッシュプラン STEP.1
・ACコンプレッサー交換(ベアリングから僅かに異音発生のため)
・ラック&ピニオン交換(右に切り込んだ際異音発生のため)
・同ブッシュ交換(SuperPro製)
・トランスミッション着脱 クラッチオーバーホール
・リア ディスクパット交換(ZONE製) 
・全オイル、ウォーター、ベルト交換
・24ヶ月法定点検

9万キロ使用したダンパーは純正後期のニップル式ダンパーへ交換 
痛みやすいロアアームブッシュも交換です。
当初全く予定していませんでしたが、ステアリングを右へ切り込む際 ある一定以上のスピードで斬り込むと『パキンッ』と異音がします。
普通に乗るには問題ないかもしれません。 しかし、切り込むスピード次第で音が出ます。 交換です。
 
クラッチは滑りがあったわけではありません。 
クラッチペダルを踏むと、古くなったスプリングが錆びついたような嫌な感触が足の裏から伝わってきます。 
原因はクラッチカバーの劣化です。
今すぐ故障⇛不動になる可能性は非常に低いです。  しかし、とても感触が悪いです。 予定していませんでしたが交換します。

ACコンプレッサーも同じです。 
今すぐ異音が原因でACトラブルになる可能性は非常に低いです。
しかし、現に僕の耳には異音が聞こえています。 1年中エアコンをつけていると言うオーナーさんの話から、僕は交換に踏み切りました。

安く済ませるだけでしたら、いくらでも安価で終わらせる方法はあります。
逆にレストア級の整備を希望されるのでしたら、何もかも徹底して交換していく方法も僕は知っています。
今回はそう言うことではなく、大切な事はオーナーの望む姿 オーナーの声を正確に聞くこと。 
正確な作業の元 オーナーの望む(以上)の姿で納車すること。 そして、途中でフェアレディZに乗るのが嫌にならないようにする事。 
大切な事はこれなんじゃないかなって僕は思うんです。

5年前 DAYTONAからオーナーの元へ羽ばたいていったフェアレディZは、またDAYTONAで新しい命を吹き込まれました。

『私が先か 車が先か どちらが先にクタバルか はははっ 勝負だな』

って、アクセル全開で藤壷レガリスR SuperTiのサウンドを残し、自宅で待つ夜の楽しみ=晩酌に帰っていかれました。 

「僕が手がけた楽しいフェアレディZにこれから乗る事になるんですから、『クタバル』どころかオーナーさんもクルマも『長生き』すること間違いないですよ!」 

そう僕はお答えしました。
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