今も進化を続けるZ32専用ECM 3。


前項ではDジェトロ化のハードルの高さを記載しましたが、アダプトロニックの誕生によりこれまでの常識は大きく反転しました。 彼らはDジェトロをオプション(することも出来る)と考えるのではなく、標準的な装備としてシステムを開発しました。
アダプトロニック社の環境を考えると納得のゆく話ですが、同社のヘッドオフィスはオーストラリアにあります。 オーストラリアは現在世界で最もチューニングが盛んなエリアであるのと同時に、世界最大のレーシングECUメーカーであるモーテックのお膝元、またZ32を始めとする日本製チューニングカーが多いエリアですので日本製はもとより世界各国の優れたパーツが集まっていると考えてもいいでしょう。 ある意味、競争により生み出された後発ECUメーカーがアダプトロニックであり、彼らがこれまでに感じていたネガな要素をセレクトECU/モジュールECUを作ることにより、より安く、より便利に、より快適に動かすことに成功しました。


また、今回モジュールECUの発売にあたりマップ制作を行うソフトウェアも一新されました。これまではWARIと呼ばれるソフトウェアで編集はやりやすいものの触りたい項目を探すのが少し大変でしたが、これからはEugeneという名の新しいソフトを屈指してマップ制作を行うことが出来ます。と、同時に新しい制御システムも備わっており"センシビティ"の調整をアクセル開度により変更を行うことが出来ます。 言うなれば電子スロットルマップにも似た項目で、アクセル開度の反応の良さを任意に調整を行うことが出来ます。 例えばアクセル開度30%の部分のセンシビティを上げるとアクセルのツキは良くなりますがアクセルのON−OFFを行う場面では急激にパワーが切れるように感じギクシャク感が顔を覗かせます。 それを自在にコントロールすることが出来るのですが、面白いことに純正既定値以下にも調整を行うことが出来ますので、エンジンに負担をかけること無くアクセルとエンジンの反応を自由に作り出すことが出来ます。

また、今回ベースフューエルの計算法としてV/E(充填効率)方式を採用しています。V/Eはスロットル開度/エンジン回転数に対して予想される吸気量(充填)に応じて燃料の噴射を決定しています。 水温やエアフロ、O2等の各種センサーから入力される信号を元にベースフューエルを指示するのが純正方式ですが、全てのセンサーが古くなってしまい信頼性が低いVG30エンジンにとっては、そのようなモノをあてにして動かすよりも、一度V/Eマップを製作したら多少の環境変化があったとしてもそれに動じず正確に動き続けてくれるプログラムのほうが理想的であると僕は考えています。 それに加えてDジェトロ化を行うことによりセンサー制御を敢えて捨て、圧力制御(実エンジンの持つ環境)をフルに使うシステムこそが今日のVG30エンジンを正しく楽しく動かす術として私たちはアダプトロニックシステムを提案します。


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